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前略 柚木様 過日はお時間を割いて頂き誠に有難うございました。そして紙面への掲載が目前に迫るなか、あのような告白になったことを改めてお詫び申し上げます。 頂いたお言葉を厳粛に受け止め、盗作に至った経緯をお伝えしようと思います。 プロとして許されません、とのお叱りは当然のことです。甘く考えていた自分に気づかされました。それと同時に、長年の夢に手が届きかけていると実感しました。 プロとして―― デビューを前に私は思い悩みました。黙ってさえいれば、憧れの紙面に漸
「澄田くん、ちょっといいかな?」 唐突に呼び出された僕は、その原因に頭を巡らせた。全く心当たりはなかったが、丸々とした課長の沈んだ面持ちから不吉な予感を覚えた。 まさか冬のボーナスが減らされるのか? それくらいの覚悟を持ち、手狭い会議室で相対すると、課長は伏し目がちに「プライベートなことに立ち入るようで申し訳ないのだが」と前置きをした。僕はごくっと唾を飲み、小さく頷いた。 「澄田くんは今、彼女と同棲しているんだってね」 どこから漏れたのか。僕は思わず眉間に皺を寄せ