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自分では信じてない話
うちでは毎年お盆の時期に家族そろって母方のばあちゃんちからお墓参りに行くんだけど、そこで私含め兄弟全員、行方不明になったことがある。
全員一気にいなくなったわけじゃなくて、それぞれ小学校の2年生くらいの時に、大体一週間から10日くらい帰ってこなかったそうな。
ばあちゃんちからお墓までは、ほとんど一本道で、はぐれようがない。道の左には民家があって、右側は竹林があるんだけど、その竹林も別に深いわけじゃない。
最初に兄がいなくなったときは、警察に捜索願を出すほどの大騒ぎになって、地元の地理に詳しい人とかも合わせて数十人の大人がその一帯を捜索しまくったけど、結局見つからなかったんだと。
当の本人は、そろそろ諦めムードが漂いだしているばあちゃんちにひょっこりと帰宅。お墓からばあちゃんちまで、まだ捜索隊が残っていたのに、ばあちゃんちに「ただいま」って入ってくるまで、誰も気づかなかったって。流石にウソでしょ。
そんなことがあった数年後、姉も同じように消え去った。墓参りの時にはまだいたはずだから、帰り道でいなくなったんだろうとか言ってたけど、そこはもうあんまり重要じゃないよね。
結局、姉も一週間くらいで帰ってきた。その時も、捜索隊は組まれていたらしいけど、兄の時ほど緊張はしてなかったって。かわいそうな姉。でも、私の時は捜索隊組まれなかったらしいからまだいいよね。
んで、私の番。お墓参りの行き帰り、家族に包囲されて、手も繋いで、目も離さずにいたって言われたけど、ばあちゃんちにつくときにはいなくなってたらしい。
兄弟全員、その時の記憶は曖昧で、いなくなっていた数日のことは、都合よく誰も覚えない。ただ、一つだけはっきりしていることがあって、帰ってきてから、「どこ行ってたんだ」って聞いてみると、兄弟全員、
「おじいちゃんに会いに行ってた」ってさ。
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