医療機関向けお手軽テレビ電話システムを構築したお話

(追記2020.04.29)その後のお話を次の記事にしました。皆様、色々ありがとうございました。

ーー追記ここまでーー


先日、今色々と最前線で非常に頑張っているとある医療機関の先生から次のような相談を受けました。
・発熱外来に来て診察室にいる患者さんと顔を見てお話をしたい
・診察室に入るスタッフを極力少なくするためにテレビ電話みたいなものが欲しい
・電子カルテのネットワークを使うとシステム管理者が良い顔をしない※
・ZoomとかFacetimeでもいいのだがインターネットに出るのはプライバシーやセキュリティーの問題がありそうで決断ができない※
なんか良い方法はないか、と。
まあ※の部分は医療機関、特に病院とされるところではどこでも課題の大きな部分をしめていますね。

色々話をした結果、理想はこんなの、ということになりました。

現状ですとパッと浮かぶのはJitsi(https://meet.jit.si/)ですが、エンジニア0での運用を期待されていたので、今回、完全に孤立したネットワークを構築して、オープンソースのソフト2つを使うことで実現する方法を提案し、実際の運用を始めたところです。

今回用意したもの
・Windows10 64bitが動いているノートパソコン+カメラ(内蔵かUSB)とマイク(内蔵かUSB)2セット
・rasberry pi 4 1台
・ハブ1台、Lanケーブル3本
・Webrtcのソフト、momo(時雨堂)のWindowsバイナリ https://momo.shiguredo.jp/
・シグナリングサーバーソフトayame(時雨堂) https://github.com/OpenAyame/ayame
以上

システムイメージ図(OSなんでも良いと書いてあるところはWindows10で運用)

画像1

作業手順
1.3台の機械をHubでつなぐ
2.IPアドレスを設定する。完全独立型ネットワークなので192.168.0.1を医師側、2を患者側、3をRasberry PIに決め打ちで設定
3.Windows機にmomoのバイナリを置く
4.ayameをコンパイルしてrasberry piにおいて起動(*)
5.windows機でそれぞれ次のコマンドを入れて走らせる(*)
  momo ayame ws://192.168.0.3:3000/signaling room1

今回はWebrtcチョットワカル弊社社員(@msnoigrs)に構築をお願いして作ってもらったのでもうちょっと手をかけて、利用が簡単なようになっています。(デスクトップにショートカットを置くとかカメラ選択をきちんとするとか)
が、基本はこれで良いはずです。無事起動して3日、元気に最前線の現場で活躍していますし、もう1セット作って欲しいとのバックオーダーも受けております。

本当に簡単にするためにもう少しできるといいこと

完全独立型のテレビ電話システムは病院という環境内ではメリットも大きく、懸念事項が少ない本当に優れものです。
もっと簡単に、現場職員でパソコンちょっといじれる人くらいで構築できると良いなと思っています。特に*の部分がどうにかなるともっと良くなると思います。
1、ayameのWindowsバイナリが配布されるといいな。←そうすると機材が1つ減ります。
2、ayame liteではないayameの素人向け説明があるといいな。
3、逆にrasberry pi 2台で運用する前提で1台目(momo+ayame)、2台目(momo)で、電源入れると起動して自動で接続しようとする設定になっているSDカードの中身
4、もっと分かりやすいマニュアル
とか、できてくると良いなと思っています(妄想)

(注 「お手軽」と書きましたが、「超お手軽」にするのにはエンジニアサイドがもう一踏ん張りして改良する必要があります。興味を持たれたエンジニアの方がいましたら是非改良して、それぞれで公開していただければと思います。)

Reference
https://gist.github.com/voluntas/35b8c9d4b2edf11493632e22d483d4a4 Raspberry Pi 4 と Momo と Ayame Lite でお手軽 WebRTC 配信
https://twitter.com/msnoigrs @msnoigrs

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