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【読書メモ】 「ケーキの切れない非行少年たち」宮口幸治

読んだ。「 #ケーキの切れない非行少年たち

・発達障害や知的障害をもった子どもたちには、認知行動療法がベースとなったプログラムは効果が期待できない可能性があるのです。

・このような絵を描いているのが、何人にも怪我を負わせるような凶悪犯罪を行ってきた少年であること、そして模写の課題の絵が歪んで見えているということは、"世の中のこと全てが歪んで見えている可能性がある"ということなのです。

・非行少年には
①簡単な足し算や引き算ができない
②漢字が読めない
③簡単な図形を写せない
④短い文章すら復唱できない
者が大勢いました。
その事による失敗が非行の原因になっていることを知ったのです。

・さらに問題と感じたのが、そういった彼らに対して"学校ではその生きにくさが気付かれず特別な配慮がなされてこなかったこと"、そして不適応を起こし非行化し、最後に行き着いた少年院においても理解されず、"非行に対してひたすら「反省」を強いられていたこと"でした。

・非行少年の特徴
①認知機能の弱さ
②感情統制の弱さ
③融通の利かなさ
④不適切な自己評価
⑤対人スキルの乏しさ
+1 身体的不器用さ

・怒りは冷静な思考を止めます。怒りは「それまでな対人関係のありかた」「自信のなさ」「歪んだ自己愛や固定観念に由来する『自分の思い通りにならない』という感情」から生じます。

・特別な支援が必要ながら気付かれていない子どもたちは「IQ70~84の境界知能と言われている範囲」およそ14%、1クラスに約5人いることになります。

・誉める教育だけでは問題は解決しない。問題なのは自尊感情が低いことではなく、自尊感情が実情と乖離していることにあります。

・入院後8ヶ月頃から大きく変わり始める少年たちがいます。そのきっかけとなるのは
①家族のありがたみ、苦しみを知ったとき
②被害者の視点に立てたとき
③将来の目標が決まったとき
④信用できる人に出会えたとき
⑤人と話す自信がついたとき
⑥勉強がわかったとき
⑦大切な役割を任されたとき
⑧物事に集中できるようになったとき
⑨最後まで諦めずにやろうと思ったとき
⑩集団生活の中で自分の姿に気付いたとき

・共通するのは「自己への気付き」と「自己評価の向上」。子ども自身に出来るだけ多くの気付きの場を提供する事が大事。

・"こんなこともわからないの?"と言われ馬鹿にされ続けた少年たちは、自分たちも「人に教えてみたい」「人から便りにされたい」「人から認められたい」という気持ちを持っている。

・認知機能のトレーニングである「コグトレ」を毎日5分続けることが、彼らの治療になる。


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