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【読書メモ】 「セイバーメトリクスの落とし穴」 お股ニキ


読んだ。「セイバーメトリクスの落とし穴 」
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・主要な球技は大抵、相手の陣地までボールを運び、落とすか入れることで得点になり、その数を競い会う。しかし野球は違う。すごろくやボードゲームの要素が強い競技なのだ。
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・野球はパワースポーツの側面も大きいから、必要な最低ラインのフィジカルや技術があり、それを超えていなければそもそも勝負の土俵にすら上がることができない。
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・理論的にリスクを教えて効率の良いプレーを追求しだすと、どの選手もやることが似てくる。マーケティングでよく言われる「正解のコモディティ化」である。
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・ここまで方法論がハッキリしてしまうと、結局差がつくのは元からの才能という、逆説的で残酷な世界になりつつある。
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・それぞれが持っているカードの数や質を活かして結果を最大化することがピッチングの本質だ。プロで活躍できるかどうかは、瞬間最大風速の大きさよりも、多少抜きながらでも安定して高い水準を続けられる技術や体力、再現性にかかっているのだろう。
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・ボールをバックスピンさせるストレート、ほぼ同じ球速でトップスピンさせるスラッター、サイドスピンをかけ遅く大きく変化させるカーブでメリハリをつけると相乗効果で空振り率が向上する。
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・バッティングにおいてはゴロよりもフライの方が安打率が高いため、「フライボール革命」が起こった。「バレル」という打球速度と打球角度の組み合わせで長打率を上げる指標がうまれた。
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・ 「バレル」理論によれば大柄でなくてもフライボール革命を実行可能であるので、野手は小型化が進むのではないか?
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・捕手のキャッチング能力は「フレーミング」と「ブロッキング」がある。「フレーミング」とはギリギリのコースに来たボールをミットを動かしたり身体を寄せたりすることで審判からストライクのコールを引き出す技術。「ブロッキング」はワンバウンドのボールを後逸せずにブロックする技術。
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・野球は本質的に、代わりの選手を多く用意できるチームほど強い。監督の采配云々よりもまずは戦力を整えることが重要である。
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肝心なのは「やりたい野球」ではなく「今ある戦力でどういう野球をするか」。最も効率的に勝利に繋がるような野球を構築する必要がある。
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・長期戦で求められる大局観は試合を作る投手と長打中心の得点分散を小さくする打線。短期戦では相手を完璧に封じるパワーピッチャーと走者を確実に返すコンタクト中心のバランス。
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・データは決して万能ではなくどんなに高度な統計技術を用いても、主観やバイアスが入るリスクは消し去れない。結果ばかりを見ていると、本質を見失ってしまう。その解釈やセンス、切り口が重要である。
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