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【読書メモ】 「世界のエリートはなぜ『美意識』を鍛えるのか?」 山口 周


読んだ。「世界のエリートはなぜ『美意識』を鍛えるのか?」
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・マネジメントにおける意思決定には「アート」「サイエンス」「クラフト」の3つの側面があり、これらをバランスよく共存させないとクオリティの高い経営はできない。
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・しかし主張を戦わせると「アート」はアカウンタビリティを持たないため負けてしまう。
一方でアカウンタビリティは言い訳の材料になるので、意思決定者の責任放棄の方便になってしまう。
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・「サイエンス」による戦略決定に偏ると正解のコモディティ化を生み「差別化の消失」となり、コストとスピード勝負になる。
現状の延長線上にストレッチした数値目標を設定し、限界が来るとコンプライアンス違反を生むリスクが高まる。
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・また世の中がVUCA化(不安定・不確実・複雑・曖昧)しているため問題の発生と要因を単純な因果関係では捉えられず、論理的に処理しようとすると意思決定は硬直する。
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・さらにシステムの変化が早すぎて今日合法であったことが後出しジャンケンで違法となり巨額の賠償を負うことも増えているので、「邪悪にならない」ことが重要。
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・多くの市場が成熟期に入り顧客の自己実現便益を満たさないと商品が売れなくなった。「ブランドに付随するストーリーと世界観」という決して他者がコピーできないものが強みになる。
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・よって経営の「真・善・美」における判断基準は論理・法律・市場調査といった「外部」から、直感・倫理・審美感性といった「内部」へ転換が求められている。
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・デザインとアートには「選択と捨象」という本質的な共通点がある。
マインドフルネスで発達する部位はこめかみの内側(体で起きた感覚を脳に伝える部位)と前頭前野。
前頭前野は美を受け取る部位であるとともに「意思決定」の中枢に関わっている部位。
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・「アート」がPlanし「クラフト」がDo、「サイエンス」がCheckするのが最もよいバランス。
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・偏差値は高いが美意識は低い傾向にあるエリート層はシステムへの適応力は高いが、この能力と「より良い生を営む」ことは全く違う事である。
悪とはシステムを無批判に受け入れること。

・対策は美意識を鍛えてシステムを相対化すること。コンピテンシーで誠実性が高い人は「外部から与えられたルールや規則ではなく、自分の中にある基準に照らして難しい判断をする」。
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・日本はストーリーと世界観を天然資源のように豊富に持っている。凛とした佇まいや品の良い艶やかさといった伝統的な美意識がある。しかし日本人には恥の文化があるため「狭い世間の掟」に盲目的に従いがちで、これがイノベーションを阻害している。
解決策は「労働力の流動性を上げること」と「美意識を持つ」こと。
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