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【読書メモ】 「じっと手を見る」 窪 美澄


読んだ。「#じっと手を見る 」。
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・自分はこんなところにいるべき人間なんだ、と割り切るまでは、俺だってずいぶん時間がかかった。
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・生きている間のがらくたのような記憶を抱えて、シャボン玉が割れるようにその記憶のひとつひとつが消え去って、そのときに私は誰の名前を呼ぶだろうか?
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・けれど、思うのだ、やわらかく、ふるふるしたものが詰まっているのは女じゃなくて男のほうなんじゃないかと。
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・けれど、介護の仕事に携わる時間が長くなるほど。生の終わりの決定権を誰一人持っていないことを思い知らされる。
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・高いビルから飛び降りることで、彼女は両脚の間以外の場所に亀裂を作りたかったのではないか?
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・俺がいつ死ぬのかはわからないが、いつかその日が来るのなら、大声で泣いてもらいたいと思った。誰だもいい、たった一人でいいから。
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・みんな、この町を捨ててどこかに行ってしまう。俺だけがいつもここにいる。
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・ある瞬間にふいに気づくのだ。親知らずを抜いたあとの歯茎のように、舌で触れたときだけわかる大きな穴が、自分のなかに空いていることに。
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・漂流している人が必死で流木につかまるやように、誰かにしがみつくような関係を持とうとするのは、私が一人だからか?
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