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【読書メモ】「誰も教えてくれなかった死の哲学入門 」内藤理恵子

読んだ。「誰も教えてくれなかった死の哲学入門 」
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・哲学的な思考の基礎がないまま、不安や苦しみの解消を他者に依存し、その欲求が満たされないと嘆いているのが、現代日本の「死」に関する思想状況であると思います。
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・キルケゴールは絶望を「死に至る病」と定義し、神に祈りながら生きることを勧めた。
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・ニーチェの「神は死んだ」という言葉は多神教的な価値観の復活であり、人生という名の手帳の片隅に、ほんの一行だけでも心の煌めく思い出を書くことが出来たのならば、人生全体を「よし」とすることができる能動的なニヒリストであった。
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・ソクラテスは「不死の魂」を信じ、哲学的な者は死後「賢い神の世界」に行くと説いた。プラトンはこの二つを統合させ「イデア界」を見いだしたのではないか?
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・ハイデガーの死生観の主軸となる「先駆的決意性」とは、あくまでも疑似的に死に、それによって生き直すことに近い。死の直前の心境を先取りして死を一度経験したかのごとく想起し、逆算して今の人生を生き直し始めること。
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・ヤスパース曰く、死んでいく時、私は死にさらされはするが、しかし私は死そのものを経験することはけっしてない。
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・サルトルは「死は誕生前と同じものだ」と指摘しています。つまりゼロから来てゼロに戻るだけであり、そこに意味を見出し得ない。いわば、死とは「虚無」なのです。
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・鈴木大拙は、「人間はだれでも浄土とこの世に同時に存在している」と主調している。
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・ニーチェが理想としていた「遊ぶ子供」「創造性」「永遠回帰」。それを体現したクリエイターこそが手塚治虫だった。
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・子供の自殺に関しては、直接的な原因の他に「死に関する教育が手薄だった」という遠因もある、と著者は思います
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・我々が生きている宇宙も、もしセーガンの言うような上位階層の単なる一つの細胞のようなものだとすれば、「もう一つの階層の宇宙」の新陳代謝のために、我々は「死ななければならないシステム」に組み込まれているということになります。

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