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熱いお茶

うたたねをしてしまった。
このところずっと気が張っていたから疲れていたんだと思う。

花子は主人の実家に泊まりに行っている。
みつさんがいなくなってしまってさみしい気持ちになっているのは私だけではないみたい。

みつさんの持っていた陽だまりのようなあたたかさを小さな花子が補えるならいいような気もするけど、それだけでもないのかもしれない。

なんとなく不安な気持ちが湧いてきて悲しい。
生きるって、なんて心許ないものなんだろう?

自分ではどうすることもできないことで人生は流されながら決まっていってしまう。
自分の意思で決められることなんて大してないような気もする。

お湯を沸かして紅茶を淹れた。
濃いオレンジが元気をくれて、なんとなくほっとする。

花のような甘く優しい香りがそっと不安な心を包んでくれた。

これくらいのものなのだ。
自分が自分にしてあげることができるのは。

何一つ思い通りになることなんてないけれど、自分のために紅茶を淹れて飲むことぐらいはできるからこれからも続けてみよう。

心許ない自分のために。



ありがとうございます。 嬉しいです。 みなさまにもいいことがたくさんたくさんありますように。