約束。
指切りしたね。
あの時、本当に指切りしたよね。
君は覚えていないかもしれないけど、僕はずっと覚えてるよ。
約束はまだ生きているよね。
そうだよね。
何も考えずまっすぐに。自分の思う方向に飛び込んでいってしまう向こう見ずな君に、みんないつも驚くばかりなんだ。
君には君の理由があるんだと思うんだけど、それでも君は怖いもの知らずすぎるよ。
だけど、そんな君に僕は惹かれてしまったんだ。そして君と約束をした大切な約束。君は覚えてる?
あの指切りは夢の中のことだったんだろうか?それとも現実?
それすらも判断できない位、ずっとずっと前の事だったような気がする。
でも確かに僕たち約束したよね。
ほんとだよね。
正直僕は後悔してる。
ほんとに後悔してるんだ。
もしかしたら君も後悔してるのかもしれないね。
思いもしない状況にどんどんなってしまっていることに、君はきっと驚きながら、やめておけばよかったと思っていることだってあるかもしれない。
君が僕のことを怖がっているのかもしれないということもわかっている。
本当の君は怖がりで臆病な人だ。
傷つくことが怖いから強がっていることも僕には分かっていた。
そんな臆病で強がりな、そして向こう見ずすぎる君のことを僕はどうしても心配してしまうんだ。
君と約束、覚えているよ。
君を覚えている?
落とした約束を。
指切りした時、君の手は震えていた。君の顔はこわばっていて、君の目は不安な気持ちでいっぱいだった。
次のきみのことを心配している人が何人もいることに君は気づいているの?
自分の気持ちだけで目一杯になってしまって、周りの人の気持ちに気がつく余裕なんてないかもしれないね。
人間なんてそんなものだ。
だから大丈夫。
そのままでいいんだよ。
だけど、大切な約束だけは絶対に忘れないで。
それは誰よりも、君にとってとても大切なものなのだから。
君の言葉は生きていて、君の言葉は、命を持っているように僕には感じられたんだ。
錯覚だったのかもしれない。
でもそう感じた。
君はそんなあやふやなものに何もかもをかけてしまって、傷ついて苦しんで、後悔しかけているのかもしれないけれど、それよりも前に進めよ。
君の心はまっすぐで決して歪んではいないけど、間違っているという人たちも確実にいるよね。
そのことに傷つくよりも、前を向いて進んで行けよ。
僕と約束したんだから。
まだ柔らかく幼かった君と僕が交わした約束、あの指切りの思い出は嘘では無いのだから。
頑張れよ。
応援してるからね。
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ありがとうございます。 嬉しいです。 みなさまにもいいことがたくさんたくさんありますように。