歌詞タイピングのススメ

※この記事はタイパー Advent Calendar 2021の23日目の記事です。
22日目の記事は「Anjera」さんの「多分人生で一番タイピングした歳~36歳から始めるカナ入力~」です。
24日目の記事は「nagarl」さんの「ニコ生タイピングを振り返って」です。

はじめに

こんにちは! たのん(@tanon_710)です。
今回の記事では、今年はじめて本格的に取り組んだ歌詞タイピング系のタイピングゲームについて、簡単な紹介や練習の成果をご紹介します。
歌詞タイピングは一般的なタイピングゲームとは少し趣が異なり、少し手を出すのが難しいジャンルではありますが、この記事をとおして歌詞タイピングの楽しさや歌詞タイピングがタイピング力の向上に繋がることをお伝えできればと思います。

歌詞タイピングとは?

歌詞タイピングとは、「歌謡タイピング劇場」や「Typing-Tube」に代表されるタイピングゲームで、以下の特徴を備えています。

・表示されるワード(出題ワード)が固定されている
・各ワードごとに入力受付時間の制限が存在する
・打ち切りワード数などに応じたスコア制を採用している
・入力速度に応じてスコアにボーナスが加わることが多い

歌詞タイピングは、出題ワードが固定かつランダム性がないこと、ワードごとに要求される入力速度がゲームによって決められていること、各ワードをなるべく早く打つことにインセンティブが働くことなど、一般的なタイピングゲームとは大きく性質が異なります。

また、打ち切り時間の短さなど純粋な入力速度のみを競うことの多い一般的なタイピングゲームとは違い、歌詞タイピングでは様々な要素を元に算出されるスコアを競うことが多いのも大きな違いです。

こうした性質から、歌詞タイピングにおいては「打ち切れないワードを減らす」「打ち切れるワードの入力速度をなるべく早くする」「スコアを狙うために打ち切れるワードの安定感を高める」など、一般的なタイピングゲームにも通用する意識を自然と持つことができます。

また、歌詞タイピングにおいては曲ごとに改善できる要素や意識できる要素が数多くあり、また課題曲も大量に用意されているため、トライアンドエラーを行いやすい、練習の手応えを得やすい、マンネリを避けやすいなど数多くのメリットがあります。

そして、出題ワードの要求速度があらかじめ決められているという要素は歌詞タイピング特有の性質で、どんなに速いタイパーでも「打ち切れない曲がきっと見つかる」はずです。

基本的な練習方針

以上をふまえると、歌詞タイピングでは以下の要素を練習するのがよさそうだと考えられます。

・入力速度の限界突破
・タイピングの安定性(速度の安定性と動作精度の向上の両面)
・ノーミス意識
・まだ身につけていない/習得途中の運指や最適化

また、これらの要素を練習するにあたっては、以下のような課題を定め、それぞれの課題に適した曲に取り組むのがよいと思います。

・地力を上回る速度が断続的に要求される課題
・地力付近の速度が何行か存在する(できれば連続する)課題
・地力より少し下の速度が継続して続く課題
・標準運指では難しいが適切に運指を組むことで打ちやすくなる課題

こうした課題に取り組むために、先述した「歌謡タイピング劇場」や「Typing-Tube」から適切な練習曲を探すのがおすすめです。

歌詞タイピングの練習の成果

歌詞タイピングでの練習の成果として、この1年で自分が新たにできるようになったこと、できるようになりつつあること、そして歌詞タイピングの練習効果として見込まれるものの、まだできるようにはなっていないことの3つをそれぞれ述べます。

・できるようになったこと

・地力より十分下の速度(600~700kpm)でノーミスでぽちぽち打鍵する
・幅広い運指を固定文で使う(ミス防止・速度安定の両面)

・できるようになりつつあること

・地力付近の速度(850~950kpm)でほぼノーミス(99%〜)でぽちぽち打鍵する
・幅広い運指を実践で使う(タイプウェルやWTなどのランダムワード)
・動作記憶の効率化(以前よりも早く覚えられるようになった)
・動作記憶の癖の修正(以前よりも素早く修正できるようになった)

・できるようになってないこと

・交互打鍵の限界突破(トプスピは上がってない)
・認識/組立の強化(ワースピも上がってない)
・初見文の速度向上(相変わらず初見が下手、特に日本語を読んで組み立てる能力を育てられなかった)
・安定感の向上(部分練の不足で中途半端な状態だった)
・認識/組立の省略(動作記憶の解凍に視覚情報が必要な状態にとどまった)

運指の幅が広がって選択肢が増えたことと、地力より少し下の速度帯での安定性が増したのは明確な改善点でした。
ただ、こうした要素を地力付近の速度で発揮するところまでは習熟できておらず、今後の課題だと感じています。

また、こうした「タイピングの地力」とは別軸で、動作の記憶/修正がうまくなった点も改善点だと感じています。
e-typingやWeather Typingのスコア狙いでのやりこみに役立ちそうですし、左右の手の同期ズレといったイメージと動作のズレの修正にも役立ちそうです。

ただ、歌謡タイピング劇場のガチ勢に見られるような、交互打鍵やトップスピードの限界突破にはまだ至れていないので、こうした部分に練習不足を感じます。
またこれとは別軸で、歌詞ごとの練習量が足りず安定感が欠けているところにも練習量不足を感じます。
全く部分練をしていなかったわけではないものの、練習不足から動作記憶が中途半端になり、また中途半端な動作記憶を認識/組立の補助にしていたために認識/組立の強化にも繋がらずと、歌詞タイピングの練習方針がどっちつかずになっていたことは反省点だと感じています。

おわりに

以上、歌詞タイピングについての説明と今年1年での歌詞タイピングの練習成果をご紹介しました。
歌詞タイピングは歴史が深く、年単位で取り組んでいる方も多くいますが、カジュアルに歌詞タイピングに取り組むだけでも様々な恩恵が受けられることをお伝えできていたらと思います。
最近も歌詞タイピング系のタイピングゲームが数多く公開されていますし、ぜひ一度歌詞タイピングに挑戦してみてください!


明日の記事は「nagarl」さんの「ニコ生タイピングを振り返って」です。
こちらの記事もぜひお楽しみください!

おまけ:主要な歌詞タイピングの一覧

参考までに、主要な歌詞タイピング系タイピングゲームをいくつかご紹介しておきます。

[変換なし・打ち切り速度がスコアに影響しない]
Typing-Tube
[変換なし・打ち切り速度がスコアに影響する]
歌謡タイピング劇場
UTyping / YouTyping(UTypingクローン)
 ・TYPOLY PRIDE
[変換あり・打ち切り速度がスコアに影響しない]
ニコ生タイピング
type-notes