麻雀 勉強会を開くことの弊害【フリー雀荘・メンバー】
こんばんは。
場末フリー雀荘出身の田ノ倉です。
以前よく通っていたのですが、
最近足が遠のいてしまった雀荘があります。
その原因が、「勉強会」でした。
最初に通い始めたころ、
その雀荘は常勤プロもいて、
プロじゃない社員もいて、
アルバイトもいて、
若い男性メンバーも女性メンバーもいて、
という感じで多種多様なメンバーたちが自由気ままに麻雀を楽しんで打っているような店でした。
とくにメンバー制限もなく、
若干場末感も残る店だったので客と煽り合いなんかもありつつ、
楽しむことを大事にしているような雰囲気がありました。
しかし数ヶ月前くらいから、とくに若いメンバーたちのアウトが増えてきたことがあり、
若手からの申し出によって、閉店後に勉強会が自主的に開催されるようになりました。
最初はあまり影響がなかったのですが、
勉強会も回を重ねるごとに熱を増し、
同時に社員たちの
「なんで勉強会まで付き合ってやってんのに一向に上手くならないんだ」
というイラつきが通常営業時にも見え隠れし始めました。
それまではメンバー同士での打牌のダメ出しは通常営業中はほとんど見られなかったのですが、
勉強会の熱が高まってきてからというもの、
講師役の社員たちが本走中の若手メンバーたちにバンバンダメ出しをするようになりました。
場末出身のぼくが出会ってきた雀荘メンバーなんていうものは、
だいたいこういうことがあると、
若手メンバーはこっそり二人きりになったときに
「あいつだって半年に1回純黒になればいいくらいの腕しかないくせに、
いちいちうるせーんすよ、今度同卓したらぜってートばしてやります」
とか悪態をつくというイメージだったのですが、
この店は違いました。
待ち席でまわりに誰も居ないときなんかを見計らって、
「毎度毎度本走中にあんなダメ出しされたら萎えますよね、正直鬱陶しいでしょ?」
とあえて煽るような聞き方をしてみても。
「いえ、わざわざ勉強会にまで付き合ってもらって、リアルタイムでダメ出ししてくれるなんてありがたいですよ。しかも勉強会、無給なんですよあれ。めちゃくちゃ感謝です」
とか言ってる。
しかもこれが一人だけじゃないんですよ。
他の若手もみんなそう言っていて、
相当真面目か相当教育されている。
古き場末雀荘のメンバーたちとばかり接する中で、
ぼくは雀荘のメンバーという人種にあまりにも歪んだ偏見を持ちすぎていたのかもしれません。
普通はお金を払ってレッスンを受けるみたいな選択肢しかない中で、
タダで勉強会に参加できて、
しかもリアルタイムでのダメ出しまでしてもらえる。
何なら本走中の場合は、その間時給まで出てる。
めちゃくちゃコスパよくね?
めちゃくちゃありがたくね?
ということらしいです。
確かに先輩たちの指導に反発して自力で強くなるよりも、
明らかに自分よりうまい人にちゃんと指導してもらえる、
しかも本走中に給料をもらいながらアドバイスを受けられる可能性もある。
このほうが確かに効率的でコスパよしです。
今の若者は合理的だな~
などと思いながら通っていたところ、
勉強会が始まって2ヶ月くらいで、
若いメンバーたちの様子がおかしくなってきます。
まず第一に、打牌がめちゃくちゃ遅くなりました。
今まで何も考えず切っていたような場面で、
色々知識が入って考えることが増えたので、
まあ多少打牌が遅くなるのは理解できます。
ただそれを加味しても遅すぎます。
さすがに我慢できないレベルです。
原因は明白で、ずっと後見している先輩社員からの叱責がいよいよきつくなってきたからです。
局終了後、手牌をさらして話すならまだいいのですが、
客には手牌を最後まで開示しない状況で、
「あそこは5p切りじゃなくて3p切りじゃないとダメ」
みたいなことをずっと喋ってたりします。
客側からするとなんのこっちゃ全然わかんないので、
ほどほどにしてほしいんですが、
ひどくなる一方なのです。
第二に、若いメンバーが自分の手牌しか見なくなった
というのがあります。
何切るばっかりやっている影響か、
手牌上で正しい1打をひたすら考えるあまり、
他家の動向を見る余裕がないようです。
明らかなチンイツ気配にその色の赤をぶった切っていったり、
風牌のうち2種が鳴かれていて3種目も4種目も見えてない状況で鳴かれてない風牌をいきなり切ったり。
昔の場末なら
「てめえ目ん玉ついてんのか!」
と罵声浴びせられるレベルの暴牌が目立つようになりました。
第三に、メンバーたちがまったく楽しそうじゃなくなってしまいました。
勉強会がはじまった最初のころは、怒られても前向きな感じで、
みんな楽しそうに打っていたのに、
いつの頃からか
「怒られたくない」
が優先されて、怯えたような顔をして打っていることが目立つようになりました。
自分が選択をするという事象を発生させるのをとにかく忌避するような打ち方になり、
最後まで選択が必要な副露手順よりも、
立直してしまえば選択が不要になるためとにかく立直手順が目立つようになりました。
こんな感じで、めちゃくちゃ打牌が遅く、
なのに他家の動向は一切把握できず、
さらに怯えたような顔で打っている。
若いメンバーが軒並みそんな感じになってしまい、
とくに遅延は我慢できるレベルを超えてしまったので、
その雀荘からは次第に足が遠のくことになりました。
もちろん、メンバー同士で勉強会を行っていても、
健全に楽しく切磋琢磨してうまく技術向上を達成しているところもあると思います。
ただ、うまく噛み合わないとこういう残念な結果を生み出すこともありますという話でした。
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