見出し画像

麻雀の点数計算習得に画期的な手法が登場しないのはなぜなのか?

こんばんは。
場末フリー雀荘出身の田ノ倉です。

点数計算の壁

麻雀をはじめるにあたって、
関門のひとつに点数計算があります。

ここ数日、仕事で色々な人に会う機会があったのですが、
雀魂1年半やってても未だに点数計算できない人とか、
初年度からMリーグ見てるのにまだ3900と5200がどう違うかわからない人など、
麻雀自体には興味をもって追い続けているものの、
点数計算が壁になって実際に麻雀をプレイするまでには至らない、
って人がけっこういました。

個人的に点数計算で苦労した記憶が無い

個人的には点数計算を習得するにあたって苦労した記憶が一切ないので、
このあたりのアドバイスはまったくできないのが無念でした。

ぼくは学生時代に麻雀を覚えましたが、
役と符計算だけさっと頭に入れて、
あとは同卓者含め全員手元の点数表を見ながらずっと打っていた記憶があります。

ピンフドラ1で、30符2翻、みたいなことはすぐわかるので、
点数表をみてそこに該当する点数を申告する、みたいな形でした。

当時通っていたセット雀荘には壁じゅうに点数表が貼ってあったので、
雀荘で打つときは点数表を持っていかずに、
壁の点数表をみんなで確認しながらやっていました。

そういえば昔、雀荘といえば点数表が必ずどっかしらの壁に貼っつけてあったイメージなのですが、
最近だとあんまり見ません。
最大手の某Mチャオさんが貼ってないから必然的に数が少なくなってしまうのでしょうか。


個人個人差があれど、
1週間もそのスタイルで毎日打っていたら、
2週間目には誰も点数表を見ている人はいなくなりました。

出てくる点数が限られたものばかりで、
そのうち勝手に覚えてしまったのです。

まあこれは同卓者が全員覚えたてのセット麻雀だからできたことですが、
おかげでたいしたストレスなく点数計算が身につきました。
同じ大学なので理解力や記憶力のレベルが近く、
誰か一人だけ飛び抜けて理解が遅れるとか、
その逆もなかったというのも良かったのかもしれません。

このやり方のデメリットとしては、
70符とかめったに出ない点数はまったく身につかないということです。
だって出ないから。

ただ、ぼくは未だに70符の点数を覚えてませんが、
それで困ったことはほぼありません。

フリーなら誰か一人はわかることが多いしそうでなくてもメンバーに聞けばいい。

ちゃんとした大会とかなら、
そもそもわかんない点数ではアガらないのであんまり不便ではありません。


いまだに画期的な習得方法がない

点数計算が壁になっている人たちとたまたま接する機会が多かったため、
そこからなんとなく
「さすがにそろそろなんか画期的な点数計算習得方法誰かが編み出してるだろ」
と思って調べてみたんですが、
全然いいのがない。

「簡単!点数計算講座」
みたいに謳ってるのを見てみても、
別に他の解説サイトとかとほとんど変わらない。

画期的な手法というものが全然ない。

堀プロの金言

そんなときに下記の動画を見ました。

普通、多くの麻雀プロは岡田プロのように何かひねり出してなんとかアドバイス的なものをしてあげるものなのですが、
堀プロは一切の忖度なく、
「その気になれば、一日頑張れば完璧にできるくらいにはなるんで」
とエピソードトークも交えつつ言い放ちました。

「点数計算が覚えられなくてどうすればよいか」
という質問者に対して、
身も蓋もない発言です。

本気で取り組めば、
これくらい一日で習得できるんだと。

さらに丸暗記については、
「一日というか、数時間あればできますね」
と追撃までしています。

ああそうか。

そういうことか、と。

麻雀の点数計算というのは、簡単すぎるんだ

という結論に至りました。

簡単すぎるというか、
理論的な理解よりも暗記を求められる割合が高く、
結局覚えゲーになってしまっているということです。

※ちなみに最初のほうで紹介した僕が実際やっていた「点数表見ながらやる」という方法は、上記動画で岡田プロに速攻で全否定されていました。
ただそれに文句があるとかいうことではなくて、裏返して考えると、麻雀プロに否定されるようなやり方をしていても、点数計算というのはやる気があれば苦も無く習得できるような内容である、ということです。

差が出るマニュアルの条件

何かを習得させるための初学者向けマニュアル的なものというのは、
その習得したいものが内容的に複雑で難解であればあるほど、
マニュアルごとの性能差が出ます。

例えば極端な話、
簿記3級に合格できるレベルの知識をゼロから習得したい
というのと、
掛け算九九をゼロから習得したい
というのがあったときに、
簿記3級レベルの知識をゼロから習得させるには色々なアプローチの方法があって、マニュアルごとに性能の差が大きく出ます。

しかし、掛け算九九なんてものは極論「暗記しろ」で終わりなので、
せいぜい語呂合わせを紹介するとか、歌に乗せて覚える方法を紹介するとか、
そんな程度の差しか出ません。


麻雀の点数計算も、上記のどちら側にあたるかと考えると、
掛け算九九側なんだろうな、と。

だから既存の解説サイトや動画を一気に覆すような画期的な手法なんて現れなくて、
結局は
「役を覚えろ」
「符計算を覚えろ」
「点数表を覚えろ」
で終わってしまいます。

暗記以外の理屈的な部分については、
覚えた役による翻数と符計算によって出した符を、
どう点数表と照合するか
くらいのもので、全然差がつかない内容です。


暗記量についても、掛け算九九より少ないんじゃないか?
くらいの量だと思うので、
もう覚えるしかありません。


なので、点数計算がわからなくて悩んでいる方々は、
一旦もうなんでもいいので既存のサイトや動画を見て、
必要なことはすべて暗記してしまいましょう。

そしてちょろっと練習問題をやれば、
それでもう終わりです。

本番は座学を終えてから

むしろ麻雀の点数計算というのは、座学を終えてからが本番みたいなところがあり、
実戦でスムーズに点数申告できるかどうかというのは座学とは別問題です。

座学とは違って、テンパイするまでどの牌を引いてどんな牌姿でテンパイするかわからない上に、
テンパイした直後に下家が当たり牌を打つこともあったりして、
テンパイしてから和了まで数秒しか時間がないこともあります。

さらに初心者殺しである不確定要素がたくさんあります。

・一発
・裏ドラ
・翻数に影響する高め安め
・符計算に影響する高め安め
・ツモと出和了で翻数が異なるパターン

思いつくだけでこんなにあります。

和了時までわからない上記のような不確定要素をしっかり算入してスムーズに点数計算ができるというのは、
これはなかなか難しいことだと思うのです。

実戦版マニュアルは事実上作れない

座学が簡単すぎて実戦版が難しいなら、
実戦版の計算マニュアルは出ないのか?
って話なんですが、ついさっき述べたように、
麻雀は点数が確定する直前に発生する不確定要素が多すぎます。

そのせいでマニュアル化するのはほぼムリです。

単純に3900なのか?5200なのか?みたいなのをざっくり把握するような簡易フローチャート的なものは定期的に出回りますが、
座学をクリアした人はそのあたりはある程度すぐにクリアできるのです。

本当に躓く実戦ならではの要素を反映できていません。

では、実戦での点数申告をスムーズにするにはどうしたらよいのでしょうか。

実戦あるのみ

実戦での点数申告をスムーズにやりたいなら、
実戦あるのみです。

「点数計算スムーズにできないのに雀荘行っていいのかな?」
と思う人はたくさんいると思いますが、
よっぽど場末だったりわけのわからない超高レート雀荘に迷い込んだりしなければ、
基本的には大丈夫です。

不安ならベルバードさんもしくはそれに準ずる雰囲気を醸し出しているノーレート雀荘に行けば良いのです。
(※東京だと、ノーレート店でもMLスタジアムさんは点数計算不安ならやめといたほうがいいかも。個人の感想ですが、何度か行った感じ、点数がすぐにわからない人に対して
「はぁ・・・・」
みたいな感じを出す人が多い印象。というかそもそも点数申告が遅い人が少なかった。)

それでも不安なら同じくらいの実力3名に上手い人1名とかまぜて、
上手い人には終わったらメシおごるとかでセット組めばいいと思います。
全員スムーズに点数計算できない人で揃えると、
正解がわかるまでに時間がかかって効率が悪いので。

昔はフリーだと
「点数わかんねーの?じゃあ教えてやろっか、1,000点だよ1,000点」
とか言ってくるジジイもいましたが、
いまでは絶滅危惧種となっていますので安心してください。

何なら、自分の手がそもそも何翻あるのかわからない人でもフリー雀荘来たりします。
割となんでもありです。


実戦を繰り返すことで、
どこに思考リソースを多く割くべきか、
勘どころみたいなのがわかってきます。

例えばタンヤオピンフドラ1の手(雀頭以外かぶり牌なし)をテンパイしてリーチをする。

・1発ロンの場合、裏ドラが乗れば絶対跳満、0で満貫
・1発ツモの場合、裏ドラ0か1で跳満、2枚で倍満
・通常のロンの場合、裏ドラ0か1で満貫、2枚で跳満
・通常のツモの場合、裏ドラ0で満貫、1と2で跳満

和了時に備えて、
上記のパターンを想定しましょう、というのがマニュアル的な説明なのかもしれませんが、
それなりにやっていれば
「メン(リーチ)タンピンドラ1」が4翻なのは数えるまでもなく体に染みついてくるし、
「メンタンピン一発ツモドラ1」が6翻なのもなんとなくわかります。
実戦ではこれらに一発や裏ドラを加算していくだけなので、
脳を余計なことに使う必要がないのです。

さらに、例えば雀頭が5pだったとします。

その場合、4pが4枚全部見えてないかどうかをなんとなく確認したりします。

4pが自分から4枚見えていたら雀頭の5pが裏ドラになることはないので、
裏ドラ2枚乗るケースが除外されます。

なので、4p4枚見えの状態で一発ツモの場合は、
裏ドラを見るまでもなく跳満確定です。


一発ツモなのに裏ドラ見るか見ないかくらいの佐々木寿人プロばりの高速申告をする人は、
なんとなく裏でこんなことを考えていたりいなかったりします。


あと実戦を繰り返すことでわかるのは、
「なんだかんだみんな指折り数えるシーンもある」
ってことです。

リーチ後にカンが入ってドラがいっぱい乗った直後に出和了しちゃった時や、
さすがに1枚はドラ乗るだろと思って適当にカンしてたら結局乗らず符だけ無駄に高くなってしまったときなど、
ベテラン勢でも普通に
「リーチ、トン、ドラドラドラドラ赤赤ウラ・・・ウラ。倍満止まりか~」
とか指折りながらやってますし、
「8,16,16,うわ、ちょうど60符だあぶね~!  あ、ツモ2で70符?何点だっけ?」
みたいなことも普通にあります。


なので、とりあえず座学はガチって速攻で暗記して頭に入れ、
あとは実戦繰り返すほうが絶対いいと思います。

だいたいなんとかなります。

麻雀の点数計算習得に画期的な手法はない

麻雀の点数計算については、
座学面では簡単すぎるがあまりにもうコレ以上画期的な習得方法はほとんど出てこないと思っていいでしょう。

実践面では不確定要素が多すぎるのでマニュアル的なものを非常に作りづらく、これもなかなかいま以上に優れた習得方法がそう簡単に出てくるとは思えません。


つまり、
「点数計算が覚えられなくて・・・」
とうだうだ悩んでいる暇があったら、今ある教材を何か適当に選んで気合を入れ直し、とにかく一夜漬けでもなんでも、頭にブチ込むしかありません。

あとは適当にノーレート店やチェーン店で実戦を積む。場末はいじめられるかもしれないのでダメ。

これでだいたいいけます。

そして何より覚えておいてほしいのは、
麻雀ベテラン勢でも、けっこう色々テキトーってことです。

テキトーでもなんとかなってる秘訣については、
別でまた書きます。

※書きました。↓


なのでまあ、安心してとにかく実戦経験をいっぱい積みましょう。

まずは麻雀の点数計算における座学の部分に関しては、
きわめて簡単な内容であるということを受け入れることです。
そして暗記から逃げないことです。

どんなプロの点数計算講座に行っても、
結局暗記する部分はそれなりにあります。
暗記不要は嘘です。

いざやってみれば大した内容ではないとわかると思うので、
抜け道なんて探さずにとっとと身につけてしまったほうが、
より早く、より長く麻雀が楽しめてトクです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?