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【Mリーグ】魚谷プロは良い意味で空気のような存在だった【セガサミーフェニックス契約満了】

本日、セガサミーフェニックスより、
魚谷侑未プロと東城りおプロの契約満了が発表されました。

これにより、ここ最近静かだった麻雀界隈が一転、大騒ぎとなっています。


東城りおプロについては、
ぼくは以前から、雀荘でMリーグの話になったとき、
好きなMリーガーは?
と聞かれたら、
男性なら白鳥プロ、女性なら東城プロと言い続けていたので、
思い入れもあり契約満了は非常に悲しいのですが、
東城プロのお話は別の機会に譲るとして、
一旦まずは魚谷プロです。


大局で考えると、魚谷プロの契約満了というのは、大事件です。
チームドラフト1位の選手がはじめて、Mリーグからいったん姿を消します。

そして、今回の発表を見たときに、
なんというかこう、不快感というか、
息苦しさというか、そういう感覚をおぼえたのは僕だけではないはずです。

僕と同じように、
セガサミーフェニックスサポーターではなくても、
魚谷プロのファンでなくても、
「え?なにそれ?」
とついお気持ち表明をしてしまいたくなるような、
本能的な危機感みたいなものを感じた人はけっこういるんじゃないでしょうか。

最高位戦縛りだとかなんとか、
そういう所属団体の話は僕らみたいなライト勢にはよくわかんないんですよね。
そもそもどのプロがどの団体に所属してるかすら知らない。

Mリーグ視聴者の8割くらいがそんな感じなんじゃないですかね?
さすがにそれは言いすぎか?


思えば、魚谷プロはぼくが放送対局を見始めたころからずっとどんなタイトル戦にもいた気がします。
無理矢理男女混合みたいなレギュレーションがないところにも、当然のように顔を出していた印象です。

出始めた当初はちょこちょこ色々言われていましたが、
その勤勉さと確かな実力で、あっという間に認められ、
放送対局の常連となっていました。


いつしか女流最高峰の実力者と称されることも多くなり、
Mリーグにも初年度から参戦。
しかもドラフト1位。

そんな魚谷プロに他からお声がかからないわけがなく、
Mリーグで活躍しながら他のタイトル戦なんかにもたくさん登場していました。

そしてMリーガーとして6年活躍。

ここまで来ると、いち視聴者としては、
もう「居て当然」みたいな存在になってくるんですよね。


本人がどんなに努力してるとかプレッシャーを感じてるとか、
そういうことは関係なく、
「まあ、当然いるでしょ、今回も。」
という感じになってくる。


実力があるので変な打牌をして話題になることもなく、
真面目な性格ゆえSNSで変な炎上をすることもなく。


それゆえ話題にのぼることも多くはないタイプだったと思いますが、
要所要所を確実に締める立ち回りで、
確実に視聴者の記憶に残る闘牌を繰り広げていました。


そんな感じの選手だったので、
多くのMリーグ視聴者が、
魚谷プロは当然そこにいるもの
として認識していたのではないでしょうか。

各チームのメンバーが入れ替わったり、
Mリーグを取り巻く環境が変わっても、
女流最高水準の実力を持つベテランプロとして、
またセガサミーフェニックスの柱として、
君臨し続けるものと安心していた気がします。


そんな魚谷プロが急にMリーグの舞台を去ることが決まり、
魚谷ファン、フェニックスサポーター以外のMリーグファンも、
得も言われぬ不快感をおぼえる状況に。

もちろん、ドラフト1位の選手であるとか、
雀力が最も高く評価されているとか、
そういう理屈の面もあると思いますが、
理屈抜きに、
「なんか嫌だなあ・・・」
と感じた人けっこう多いと思うんですよね。


これはもう、魚谷プロがMリーグにおいて
「空気」
のような存在になっていたってことです。


なんかのドラマか漫画のセリフか歌の歌詞かなんかでありましたけど、
もはや身の回りにあって当然、みたいな感じになっていて、
でも失われると苦しい、という。


なんか「空気みたい」って言われると聞こえが悪い気がしますが、
麻雀業界、とくにMリーグにおいてそういう存在になるのってめちゃくちゃ大変なことだと思うんですよね。

Mリーグみたいな見せ方をするエンタメ要素含んだリーグ戦である以上、
雀力は当然認められるのが大前提で、
人間性までも支持されていないとそういう存在にはなれません。

当然この場にいるべき人、間違いなく相応しい人、
と多くの人に思われて、
その立場を違和感なく長年続けなければいけないからです。

時折見せる魚谷プロの涙からもわかるように、
並々ならぬ努力を重ねてきたのでしょう。

プロ同士が勝負するフィールドにおいて、
我々の期待する「当然」をあたかも当然のように保ち続けるというのは並大抵のことではありません。



そんな魚谷プロがいったんMリーグを去るのです。


Mリーグ界の空気的存在であった魚谷プロが抜ける。
空気がなくなったら苦しいですよ、一般的には。

これはひょっとして、魚谷ファンやフェニックスサポーター以外にも、
「魚谷ロス」者が多発するかもしれません。

なんか嫌な感じするなあ、なんか足りないなあ、息苦しいなあ、みたいな。
ああ、魚谷プロいないんだよなー、的な。



ただ、さきほど「いったん」Mリーグを去る
と書きました。

魚谷プロはこういう場には常にいる選手ですし、
当然いるべき存在です。
これまでも、またきっと今後もしばらくはそのような存在であり続けるでしょう。

おそらく近いうち当然のようにMリーグの舞台に戻ってくるはずです。


その「当然」が過酷な努力と研鑽により勝ち取られたものであることなど、
微塵も感じさせないような澄ました顔で。

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