バスケと麻雀【瑞原プロ伊達プロ岡田プロ問題】
こんばんは。
場末フリー雀荘出身の田ノ倉です。
場末でMリーグの話題になると必ず出てくるのが、
「瑞原はツモが良すぎだよ」
「伊達は掴まねーじゃん」
「岡田はツイてるだけ」
みたいな“勝ってる女流プロ批判”です。
このときの切り順がおかしいとか、
この押し引きがどうかんがえても期待値マイナスだとか、
ベタオリの抜き方が間違ってるとか、
そういう明らかな悪い点を指摘するならいいんですけど、
「あいつらが勝ってるのは運だけだ」
という謎の方向性で批判する人たちがけっこういるのです。
自分は、
プロなんだからまずは結果出してる人が偉いんじゃないの?
と思う派なのですが、
麻雀だと運要素がかなりあるので
「結果=実力」
とは必ずしも認められないわけですね。
少なくとも、
瑞原プロはここ数年レギュラーシーズンでゴリラなど生ぬるい、
鬼神の如き強さを発揮しており、
伊達プロは3年で3つの個人賞を獲るという偉業を達成しています。
セミファイナルで麻雀格闘倶楽部サポーターは、
「早く伊達プロを出してくれ・・・」
と切に願ったことでしょう。
そして岡田プロも堀師匠のもと研鑽し、今季は間違いなくチームを牽引する好成績をおさめ、
ファイナルでも歴戦の猛者たちを相手に最終日の登板を任されるまでになっています。
このように、彼女たちの功績は目に見えて出ています。
これがすべて彼女たちの技術より圧倒的な運量に起因するものだとするなら、
それはそれで彼女たちの実力と言って良いのでは?
と思います。
感覚としては、そうですね・・・
バスケ。
バスケットボールの試合において、
身長の高い選手は明らかに優位に試合をすすめることができます。
ですが、身長というのはいくら本人が努力したところで、
必ず得られるものではありません。
遺伝や体質の問題で、いくら医学的に好ましいとされることを幼少期から続けていたとしても、
180センチいくのがやっとだった、みたいなことも多分に起こり得ます。
例えば210センチ身長がある選手がその高身長を活かして活躍していたとして、
「あいつはデカいから活躍できてるだけじゃねーか」
という批判は意味がありません。
「デカいから活躍できている」
この事実にこそ意味があって、
“他の人よりデカい”
というのは間違いなくその選手の強みであり実力の一部です。
多少ほかの技術が劣っていても、
デカいから活躍できてチームに貢献できている
というなら、
技術力はあるが背が低く、そのためチームに貢献できていない選手より、
優先して起用されるのは当然のことです。
長期的に結果を出している女性プロに対して
「運が良いだけだ」
という内容だけで批判をするのは、
バスケの選手に
「ただ背が高いだけじゃん」
と言っているのと同じような話でしょ、ということです。
本来、定量的にはかれない、可視化されていない運量について、
身長というものと比較して語ることは不可能かつ無意味ですが、
「運だけで勝ってる」
という人にとっては何かしらの基準で運量が測られている前提なので、
身長というものと同等に扱うことに問題はないでしょう。
もちろん、そもそも先程挙げた3名の女性プロが実力ではなく運だけで結果を出しているとは思っていません。
ぼくの雀力的に、切る牌や押し引きの良し悪しは判断つきかねますが、
彼女たちは勝負どころで恐怖心に打ち克ち自分を信じて攻める姿勢や、
押し切りたい局面でアガリ逃しの葛藤がありつつもこれしかないという牌を止めるようなシーンなどが要所であり、
根本的に勝負師としての感性に優れているというような印象があります。
なので運だけだとは思っていないのですが、
百歩譲って「運だけじゃん」と批判しようとするならば、
さきの理由から、それは批判するようなことではないし、
むしろ良い結果を出すための選手の強みとして賞賛すべき点になるのでは?
という話でした。
「瑞原プロがあの局面でリーチ打ってたまたま一発ツモして逆転したけど、
あの場面では絶対ダマのほうが得なんだよね」
みたいな話をしてくれると勉強になるのでいいのですが、
場末なのでそれは野暮というものかもしれません。
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