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「強打」が許容されるとき、されないとき【Mリーグ】

こんばんは。
場末雀荘出身の田ノ倉です。

先日のMリーグの試合。
オーラスの松ヶ瀬プロと松本プロのめくり合い。
相当アツい状況だったと思います。

そしてこのときの二人の打牌。
・・・なんか二人とも打牌強くね?
・・・というかこれって、「強打」じゃね???
実況の日吉プロも、「叩いた叩いた!(牌を叩きつけた)」って思いっきり言ってるし。

先に言っておくと、ぼくは強打反対派ではありません
むしろ強打したくなるのを必死に抑えてソフトタッチ打牌を意図的に行っているクチです。
だから最初に場末雀荘出身ですって言ってるじゃん。
場末雀荘出身で強打しないやつなんていないんだから(偏見)。

ただ一般的に通用する感覚でいうと、現代においては、
強打なんてしないようにしたほうがいいです。
そもそも強打なんてする意味がないですし、
同卓者に強打されると恐怖感を覚えるという人や、
威圧されているように思えてロンの声が出ない、
とかいう人もいるくらいです。

フリー雀荘に行っても、ルール表に「強打禁止」って絶対書いてある。
だからダメなんです。強打ダメ、絶対。

・・・と、こういう前提のうえで、それでも場合によって許容される強打とされない強打があるけど、
何が違うのかな?ということを書いていきます。



さて、話を戻すと、この試合での二名の打牌は、
強打に見えたのですよ、少なくとも僕の目には。
でもこれについて、SNS上やABEMAのコメント欄では批判的な意見は見つかりませんでした。

しかし一方で、萩原聖人プロ(最近は言われなくなってきてますが)や鈴木大介プロに対しての強打批判(所作全体への批判も含まれますが)はいまだにあります。

この違いって何なんでしょうか?

また、フリー雀荘で、まわりが「ターン!」と小気味良い音を鳴らして打牌していたので、
それに合わせて同じように打牌したら「強打はお控えください」って注意されてる人、いますよね。

あれって、音の大きさ、なんていうか、デシベル数?
的なものでいったら、怒られる強打と怒られない強打って、
ほとんど変わらない場合がけっこうあると思ってます。
あまりにも度が過ぎる強打ってのもたまにありますが、
だいたいが絶対的な指標をもとにした打牌強度でいうと、
怒られているのとそうでないのでそんなに差はないというのが個人的な感覚です。

ではなぜ、許容される強打と許容されない強打というように分かれてしまうのでしょうか。


結論から言ってしまうと、
その「場」にあった強打や、
多数派にとって違和感の無い強打であれば、
比較的許容されやすい、
ということです。

例えば冒頭に出したMリーグでの例。
このシーンはオーラスで、単純なめくり合い。
どちらが引き勝つかで生死が分かれるような、
そんなアツいシーンでした。

もちろん視聴者もアツくなっていたはずで、
当然実況の声量もあがっていたはずです。
そういう場合は、エンタメ的に、アリとされる傾向にあります。
まあ、ここはアツくなるよね、大事だからね、画的にもいいよね、
みたいなことで。
というかそもそも、「これって強打じゃね?」というヤボな指摘がそもそも入らない。そんなレベル。

つまりこれは、「場」にあった強打であり、
視聴者含む多数派にとって違和感の無い強打だったということです。

一方、同じMリーグで強打批判をされやすい鈴木大介プロや萩原聖人プロ。
特に鈴木大介プロに関しては、雀鬼会がベースにあるということもあり、
そもそも打牌が強め。
あと、他家との絡みは関係なく、
自分の手の高まりだけで強打気味になったり、
めくり合いの状況でも、鈴木プロの強打は雑さが目立ち、
乱暴なイメージがあります。
現状は、「場」に合っておらず、
多数派からも批判的な意見が出やすい状況なのです。

特にMリーグだと、強打が許容されやすいポイントの一つとして、
日吉実況のボルテージというのがあります。
日吉プロの実況の声量やテンションがあがればあがっている状況ほど、
強打は許容されやすい
と思われます。

「このめくり合いは大きぞお!どっちだ、どっちが・・・・松本やってみろぉ!多井がいなくてもアベマズは・・・・ああ!ダメ!今度は松ヶ瀬だぁ!残り枚数は3枚!まだいるぞ!3連続ラスなんてやってねえだろ!ルミアキに・・・8s!となり!引けない!」
ここまでボルテージ上がればもう強打OKは確約されたようなものです。


ちなみにこれってフリー雀荘でも同じで、
新規の客が強打に怒られやすいのって、
ただ単に常連に対して甘く新規に厳しい、とかではなくて、
新規だから場が読めてない、ってことなんですよね。

雀荘それぞれに異なる文化や雰囲気があって、
常連の人はそれにうまく乗っかったタイミングで強打を繰り出す。
怒られる新規は勝手に自分だけの都合で強打を繰り出す。

この違い。


結局のところ、悲しいかな「空気を読めるかどうか」みたいな結論になってしまいましたけど、
おそらくこれが真理だと思うんですよね。

色々フリー雀荘行ってますが、
強打が無いフリー雀荘なんてほとんどありませんでした。
でもルール表には強打禁止と書いてある。
そして強打して怒られる人と怒られない人がいる。
裁定するのがメンバーという人間である以上、
怒られずに強打するには空気を読むしかないんです。

そもそも強打なんて最初っから一切しなきゃ良くね?
そしたら絶対怒られないんだし。

とかいうきわめて合理的な指摘は無しです。


ちなみにぼくが通っていた場末雀荘において、
最大フルマックスでの強打が慣例として行われていたのが、
「親に追っかけリーチされた一発目に現物を切るとき」
です。危険牌じゃなくて、現物ってところがポイントです。
危険牌切って強打するなんて、普通の雀荘じゃないですか。
こちとら場末雀荘なんです。
強打時に「通せ!」「危ない!」も添えるのがマナーです。

そしてそれをされた親は、
「通し!・・・って現物じゃねーか!」
とツッコむのが粋
とされています。
相手がいくら年上でも、強面であっても、
このときだけはタメ口でのツッコミが求められます。

このときの強打はかなりのものなので、
毎回めんどくさそうにメンバーが注意に入ります。

「ちょっとさ、もうそれやめてよ!」

さすがにそうだ。いくら場末といえど、怒るのも無理はない。
あまりに度が過ぎた強打である。しかもうるさい。

さらに追撃が飛んでくる。

「もうそのネタ飽きたから!いちいちめんどくせーって!」

・・・キレるとこそこじゃねーだろ。

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