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白鳥翔プロ解説×松嶋桃プロ実況 最強コンビ実況中に漏れた一言から読み取るチーム事情の厳しさ【Mリーグ】


こんばんは。
場末フリー雀荘出身の田ノ倉です。

10月22日のMリーグなんですが、
なんと実況が松嶋桃プロ、
解説が白鳥翔プロという組み合わせでした。

いまさら1週間前の話かよ?
って感じですが、週末に行われた全国民が関わる某一大イベントのせいでほとんど家に帰れず、
今日の朝やっと最後まで見終わった状況なので仕方ありません。

この二人は、
個人的に最も好きな解説者・実況者のコンビなので激アツです。

良かったもんは良かったと、
1週間前の話だろうが書かねばなりません、
そうだ、書くしかない。



冒頭、
「この中で注目の選手はいますか?」
の場面。

シーズン前半はちょっと微妙な感じになるシーン

シーズン前半戦の終盤、みたいな中途半端な場面で、
この質問されてもな、、、
とおそらく視聴者も解説者も思っているであろうシーン。

ここはしっかり少しだけ真面目な話をいれたあと、

白鳥プロ「僕的にはちょっとね・・勝又さんが一番不利かなと、思ってますね」
松嶋プロ「え!?なぜでしょうか」
白鳥プロ「あの、対面の人(岡田プロ)、けっこう見てくるんですよ。」

とアグレッシブに攻めていく展開。

このシーズン前半の中途半端なタイミングでずっと真面目に
「岡田さんはチーム状況のわりに個人のトップがないので・・・」
とか長々喋っても退屈でしょ?

ってことでしっかりネタをかましてくる押し引きバランスはさすがです。


今回は、昨シーズンファイナルのときと違い、
松本プロはおらず解説は白鳥プロ単騎での登場です。

松本プロと一緒のときは、
白鳥プロがいち早く状況を把握して言語化し、
感覚的な部分や自分の中で未消化な部分も含めて迅速に発信。
ただそれだとライト層にはついてこれなくなるきらいがあるので、
松本プロがさらにわかりやすく補足やフォローをする、
というような形が出来上がっていました。

今回は松本プロはいませんので、
白鳥プロの解説は前回よりは少し感情抑えめ、わかりやすさ重視で言葉を選びつつの入りだったと思いますが、
やはり対局が進んでくるとどんどん夢中になって入り込み、
いつも通りの解説になってきます。

こちらとしては、
対局に入り込んでいき、楽しそうにバーっと色々麻雀の内容について細かくまくしたてたと思えば、
急に感情論を話し始めたり、という、
それこそ「情緒がさあ・・・」な解説が楽しみなので、
まったく問題ありません。


ただまあそれだと麻雀初心者の方なんかにはわかりづらいときがあるよね
ってことで、
優秀な相棒の松嶋桃プロが言葉を足したり適切な質問をしたりしてバランスを整えています。


例えば、勝又プロがリスクをとらない選択が多いという話のとき。

白鳥プロ「いわゆるこう・・・・なんて言ったら良いんですかね?分散が大きい選択?を嫌う」

『分散が大きい』っていうのはまあ。。。
そこまで一般的なフレーズではない気がします。

そこですかさず、

松嶋プロ「一か八かみたいなのが少ないってことですか?」
白鳥プロ「あ!少ないっす!めちゃくちゃ少ない!」

という流れ。


松嶋プロは、勝又プロの話になったときに、
おそらくもうそのワードを準備していて。
『分散が大きい』が出たときに、
(いやそんなんわかりづらいやろ)
と即座に判断、代替ワードをスマートに提供するという。


こういうとき、日吉プロや小林さんが実況だとすると
「分散が大きいというのは、具体的にはどういうことなんですか?」
と、わかっていてもあえて解説者にさらに説明してもらったり、
「分散が大きいのがイヤ、というと、ハイリスク・ハイリターンみたいな選択を嫌がる、みたいな話ですかね?」
という感じで展開するケースが多い印象です。

『分散が大きい』というフレーズが伝わりにくいということを理解したうえで、
そのフレーズの意味を再確認するという王道のパターン。

きわめて誠実で真面目な対応といえます。


対して、松嶋プロは、
「そこを深堀りするよりも代替フレーズで補足し、サラッと流して本筋に戻したほうが良い」
と判断するとここをバサッと切り捨ててうまくまとめ、
本筋から離れないことを重視するような対応をされることがよくあります。

これは完全に好みの問題なのですが、
個人的には松嶋プロのような対応のほうが聞き心地がよく、
とくに白鳥プロのような解説者とは相性が良いと思っています。



そんな松嶋プロのフォローも受けつつ、
どんどん対局に入り込んでいく白鳥プロ。

しまいには途中で松嶋プロの実況を遮って
「うわ・・・3s引いたよ・・・!!」
とか思わず言っちゃう始末。
それがまたいいんですが。


それにしても毎回思いますが、
白鳥プロはほんとうに楽しそうに解説をします。
変に盛り上げようとかそういう意図は感じず、
純粋に自分が楽しみすぎてそれが視聴者に伝播するという感じ。

そしてほんとうに麻雀が好きなんだなというのがどの解説のときでもひしひしと伝わってくるのも好印象です。


つい先日大好評だったという勝又プロの解説も、
怒涛の解説量で麻雀大好き感がすごく伝わってきました。

勝又プロは牌理寄りの頭脳ゲームとして麻雀を楽しんでいる印象で、
白鳥プロは牌理などロジカルな面だけでなく1牌の後先によって生み出されるドラマや選手たちの情緒など、
そういった面も多分に含めて楽しんでいるという印象です。

麻雀を頭脳ゲームとして捉えたときに、
麻雀ガチ勢からするとおそらく勝又プロの解説量や内容のほうが満足いくものになるんだと思いますが、
麻雀ライト層含めたエンタメ的視点で楽しみたい層のことも考えると、
全体的にガチよりもエンタメ寄りのMリーグという舞台では、
白鳥プロの解説のほうがウケが良さそうな気がします。



そんな白鳥プロ解説の中で今回とくに印象的だったのが、
南1局。

滝沢プロがタンヤオ赤1ドラ2の手で、
いくつかの選択で裏目を引き、最初のテンパイ逃しをします。

ここでポンテンには備えず三面張固定の打4s。これが裏目。
ここでのテンパイを逃す。

その後すぐに三面張でテンパイを果たしますが、
その前の4p切り安牌抱えについては、
白鳥プロは明確に「残したい」と宣言していました。

あっさり裏目解消。三面張残りのテンパイ。
ここは明確に4pは残したいと白鳥プロ。

結果として、リーチをかける前提なら、
どちらの待ちでも和了れてはいませんでした。


ただこの場面で、白鳥プロから出た言葉が
「結果を出したい」
というもの。

道中の細かいああだこうだは正味もういい、
とにかくこの手は和了るという結果を残したい。

滝沢プロのクールな表情や所作からは一切そういう渇望は見て取れませんが、
白鳥プロが自身のチーム状況や個人成績の背景から、
自身がそこに座っていたら、なんでもいいからとにかく結果が欲しい、
と自身を投影して思わず漏れた声のように聞こえました。

滝沢プロの最終ツモ番間際に

「うわぁ・・・結果出したいけどな・・・これは・・・・!!」

と白鳥プロから出た言葉は、
もはや解説でもなんでもないんですが、
こういう手がつくづく成就しないABEMASがいかに厳しい状況かを物語っているようでした。

今日の試合でABEMASのマイナスが400間際となってしまったようですが、
前半戦とはいえいくらなんでもさすがに危険な状況です。

特に取り立ててABEMAS推しというわけではありませんが、
セミファイナル・ファイナルに白鳥プロが出てこないということになると困るので、
なんとしてもABEMASの皆様にはここで踏みとどまってほしいところです。



というわけで、やはり思った通り、
久しぶりの白鳥プロ・松嶋桃プロのコンビは最高だったわけです。

しかし惜しむらくは、
例の松ヶ瀬プロのバチコンツモ和了事件のせいで、
界隈の話題がほぼそれ一色になってしまったことです。

あれさえなければ、
界隈は
「今日の実況解説良かったわ」
などという平和な感想で溢れかえっていたことでしょう。


あんなバチコンツモに掻き消されてしまうくらいの程度だったんだろ、
と言われればそれまでかもしれないですが、
マイナスの話題で良かったものが埋もれてしまうのは残念です。

そういうわけで、
「白鳥松嶋コンビの実況解説はめちゃくちゃ良かったんだぜ!」
という感想があったということを微力ながら残しておくために、
1週間遅れでnoteを書きました。


次回の白鳥プロ・松嶋プロコンビの実況解説の際は、
余計な問題が発生することなく、
「やっぱあの二人の実況解説はいいよね」
という声で溢れることを期待しています。






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