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中田花奈プロのNEWスタイル解説が東城プロ以上に実況だった【Mリーグ】

こんばんは。
場末フリー雀荘出身の田ノ倉です。

4月19日、セミファイナル。
ボーダー争い的にABEMASが非常にヤバい状況であるということと、
中田花奈プロが解説をするというので話題になっていた気がする日です。


麻雀歴もプロ歴も浅い自分が解説なんておこがましい・・・
みたいな気持ちもあったのか無かったのかわかりませんが、
前半はモゴモゴしている感じで口数が少ない印象でした。

しかし第一試合の東3局、
滝沢プロが245sのリャンカンから2sを切ってリーチをかけたときに事件が起きます。

中田プロ「3s(待ち)と5s(待ち)の違いはなんですか?」
と猿川プロに突然質問を始めます。

解説なら、
「場況的に3sも5sも変わらないから赤がある分だけ5s待ち」
とかいう説明をするもんですが、
まさかの質問を放り込むというスタイルを見せてきます。

猿川プロが明確な回答を出す前に滝沢プロが一発で赤5sをツモってしまったのでうやむやになってしまいましたが、
ここが確かな分岐点でした。


確かにあの選択は「どうして?」と気になる人が多いだろう局面なので、
この話題提起は非常に重要です。

ただ本来、これは実況の人の仕事です。
この日の実況が懐かしの土屋さんなら、
「あれ?滝沢すぐカン5s待ちで選びましたけどなんですかあれ?我々クラスだと単純に赤があるからとかしか思えないんですが、プロ目線だとなんか見えてたりするんでしょ?」
と最後だけタメ口になりながら質問していたところでしょう。

おそらく中田プロも、
「そうだそうだ、これは実況の仕事だったわ」
と思い直し、第1試合はそれ以降“見”につとめました。

しかし第1試合を終え、
実況の小林さんに対し
「こいつ、肝心な局面で全然質問してこねえ・・・・!!」
と判断したのかそうでないのかわかりませんが、
急に第二試合からエンジン全開となります。


第二試合 東1局 「發とかは、切りづらいですか?」
※松本プロの仕掛けに対し、太プロの手牌を見て。

東2局 「これはどういう選択ですか?どっちがいいってあるんですかね?」
※松本プロ 4-7sどちらを切るか悩んだ場面
ここで4sを切るか7sを切るかの苦悩を解説陣がうまく説明できていれば、松本プロのプチ炎上はなかったかも?

東3局 「でも鳴かれてないですよ?どうしましょ?」
※太プロが一枚切れのドラ中を持ってきて

南1局 「8,9と切ってまた8が出てリーチなんですけど・・・(どう読みます?)」
※松本プロのリーチに対して。
ちなみに猿川プロの回答は
「ん~、ちゃんと見てなかったな」
です。

南1局 「どうしますか、これ、ブロックがいっぱいありますけど・・・」
※小林プロの手牌を見て

南1局 「これ6mを切らないのは、混一色とかよりは、6mのくっつきを見たってことですか?太さんは。ペン7pを払うとか。」
※太プロの混一色気味の手牌を見て。

南3局 「どっからでも鳴きますか?」
※親でダンラスの松本プロ配牌を見て。

南3局 「高宮さんがその5p?を持ってきたときとかに、ドラ切って、テンパイとったりとかリーチしたりとか、しますかね?」
※高宮プロの手牌を見て

南4局 「これは東と4pポンしてるけど、役は何に見えますか?トイトイ以外の候補ってあります?」
※オーラス微妙な逆転状況の高宮プロの仕掛けについて。
ちなみに「中・・・」とかふわっと回答をしようとした猿川プロに対しては
「中は切れてます!」と秒速で否定。



もっとあったかもしれませんが、
こんな感じで実況者のお株を奪うように猿川プロに対する質問を繰り出しまくります。

先日、東城プロがたまに実況ぽくなってしまうけどそれはそれで良かったみたいな記事を書きましたが、
この部分だけでいうと東城プロとは比較にならないレベルで実況泥棒してます。

実況の小林さんがあえてその立ち位置をあけておいてあげたのか、
真相は定かではありませんが、
中田プロは
「気になることをどんどん質問する」
という新たな解説スタイルを確立しました。

中田プロはMリーガーの中でもプロ歴・麻雀歴ともに浅く、
出場回数などからみても、
育成枠兼インフルエンサー枠であることは明らかです。

そんな中田プロが、同じチームのベテランプロであり、
当面の“先生役”であることは明らかな猿川プロに気になる局面についてどんどん質問していく。

この図式自体は、すんなり受け入れられていい構図だと思います。

Mリーグ視聴者は麻雀ガチ勢だけではなくライト勢の割合もかなり高いとされているので、
ベテランプロ視点では疑問に思わないような内容でも中田プロレベルだと気になるような内容をどんどん質問してくれるというのは、
それはそれでアリなスタイルなのかもしれません。


いまの中田プロの立ち位置だとなかなか一人での解説というのは無いと思いますので、
今後もチームメイトと二人で解説に呼ばれたときなんかは、
気になるところをガンガン質問していくスタイルが使えます。

鈴木大介プロなんかと一緒に出てしまったら、
ちょっと質問するたびにものすごい量の回答が返ってきて渋滞しそうですが・・・


最後に、
第二試合の南1局。

太プロが混一色気味で大三元も見えそうな好配牌を手にした際。
白が暗刻、中が一枚、發が一枚あるところで、
第一ツモで中が重なってテンションが上がる中田プロと小林さん。

そこでポロッと
「ちゃんと9sから切ってますね」
と解説する中田プロ。

それに対しすかさず
「ちゃんと?」
と聞き返す小林さん。

これって普通に考えると、2通りの解釈ができまして。

「『ちゃんと』ってなんだよ?テメーなんで上から目線で言ってんだよ?」
という咎める意味での聞き返しパターンと、
「ちゃんと、というとどういう意味があるんでしょうか?他の打牌候補に対して9sが優れているのはどういう点なんでしょうか?」
という単純な質問というパターンがあると思います。

ただ中田プロは前者の意味だととってしまったのでしょうか、
なぜ9sが優れているのかという解説を行わずに、
「静かに9sから切ってます・・・・」
などというゴマカシのような返答で終わってしまいました。


聞いている側としても、
たぶん後者の意味で聞き返したんだろうけど、
当事者としては前者のような捉え方になりそうだな~と思いました。

こういう業界で特別な結果を残せておらずキャリアも浅いようなプロが解説をするというのは色々気遣いが大変というのがわかる一コマかと思います。

ただ「ちゃんと◯◯してる」っていうのはよっぽど解説者と選手側にキャリア的、戦績的に乖離がないと使いづらいので、
言葉選び自体がまずかった気もしますね。

とはいえ、次からは大丈夫です。
今回で確立したスタイルを踏襲して、
「ここでは6mなどの中張牌より9sを先に切っておくのが後の仕掛けやすさにつながるので太プロの切った9sが優れていると思うのですがどうでしょう?」
とやればいいのです。

単純な質問スタイルに自分の意見も乗っけて良し悪しを相方の先輩選手に判断してもらうスタイル。

今回は中田プロ自身の意見が少なかったので、
次回はぜひこんな感じのスタイルを期待します。


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