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初トップ・初チョンボ。多井pの背中に白鳥pはどう応えるか【Mリーグ】

こんばんは。
場末フリー雀荘出身の田ノ倉です。

先日、珍しく?白鳥プロを応援してますと言っている人数名と会って話をしたのですが、
今季の白鳥プロの2戦(3着・4着)をみていて、
僕も彼らも同じような感覚を抱いていました。

それは、
「なんかMトーナメント初年度のときと似てるな・・・」
という感覚です。


インタビューの対応や楽屋映像など、対局中以外はあまり感じないのですが、
対局中の押し引きなんかが、
Mトーナメント初年度のときをなんとなく彷彿とさせる感じがしています。

もちろん、牌の巡りや点数状況等の問題で押さないとどうしようもないとかそういうこともあると思うのですが、
そういう巡り合わせだったり、それによってもたらされる悪い結果なんかが、
見てる側からするとあの時の感覚を思い起こされます。


ただ、今回違うのは、Mトーナメントのときは個人戦で、
かつあの2戦で終わりでしたが、
Mリーグは団体戦であり、これからも対局が続くということです。

ABEMASは白鳥プロ以外の松本プロ・日向プロもそれぞれ4着・3着となっており、
試合の無かった3日目のゲームを終えた時点で、チーム全体でラスの9位となっていました。


4日目、悪い流れを変えたい、と満を持して登場したのが絶対的エース、多井隆晴プロ。


宣言通り、まさに流れを変える見事なトップでトップインタビューとなったわけです。



そこで、それまで総合ラスだったというチーム状況についてコメントを求められると、

「白鳥さんが、MVP取ると。開幕戦打たせろと。息巻いて、あの体たらく。それ以外の感想は無いです」

2024年9月27日 Mリーグ2024-25シーズン 多井隆晴プロ トップインタビュー

と、しっかり白鳥プロをひとイジり。

松本プロ・日向プロも逆連対だったのですが、
そこには触れずあえて白鳥プロのみをイジっていく。




そして、その後は

「去年、今年入ってきた人たちが、攻撃型とか、たくさん参加してくるような感じなので、今年は内容変わるかな、と思ってたんですよ。それが、(そのせいで)なんかABEMASには悪い展開が多いな、と思ってましたね。
なので、口では、絶対オリませんとか、僕も参加率上げますとか言ってたんですけど、いっぱいオリちゃおうと思ってて。
みんなが参加するなら僕はオリようと思って、みんながオリるなら僕は参加しようと思ってたんですけど。すごい参加する人増えたんで、それでちょっとね、ABEMASとして、バランスを崩したかもしれないですね」

2024年9月27日 Mリーグ2024-25シーズン 多井隆晴プロ トップインタビュー

と、チームの不調原因について言及していました。



昨シーズンの渡辺太プロの加入をきっかけに、
Mリーグではベタオリを減らし参加率を上げて和了率を高めるのがトレンドとなりつつあるという話が色々なところで出ており、
それにアジャストしようとする選手も多く出てきている状況です。


そんな中、少しバランスを崩してしまっているように見えるチームメイトたちに対して、
特に「MVPを取る」と気合充分な白鳥プロにはイジりも交えつつ、
「お前らあんま慌ててガチャガチャしなくても大丈夫だから安心して自分の麻雀を打てばいいんだよ」
というメッセージを多井プロなりの伝え方で発信されているように見えました。


そして、さらにチームの点数状況を良くしてチームメイトが安心して打てるように、多井プロの連投が発表されます。

流れを変えた多井プロがこのままの勢いで連勝なるか!?
というムードの中・・・・・



まさかのチョンボ。



個人スコアからマイナス20ポイントという手痛いペナルティを課されますが、
なんとかオーラスに大マクリの2着終了。

無事に連対はキープします。


ただ、多井プロのチョンボという大事件に界隈はその話題一色となります。



そしてその張本人を楽屋で待ち構えていた白鳥プロ・松本プロは積極的にそれをイジっていく方向で明るく迎え、
その後の各人の配信などでも繰り返しイジるなど、
ある程度ネタに昇華して対応しているようでした。


これはまあ麻雀プロとして云々というより、
単純なヒューマンエラーなので、頻発したりする場合を除いて、
そこまで深刻に対応するのもアレだし、
まあしゃーない、これから気をつけたり対応を考えるしかない、
というところなのでしょう。



と、ここまでの流れ。
多井プロのチョンボ騒動がインパクトが強すぎたため、
見失いがちですが、
この流れは白鳥プロにとっては相当いい流れができていると思います。



チームリーダー的存在の多井プロが悪い流れを断ち切ってトップ→2着の連対とし、ほかのメンバーが不調でも俺がなんとかするから安心して打てというのを背中で示してくれました。

そして同時に、1戦目はインタビューで白鳥プロをイジっておきながら、
2戦目は2着ではありましたがチョンボをかまし、白鳥プロをイジっていたネタなんか一気に超えるようなイジられネタを自分で抱えてしまうという展開。



チーム戦ってなかなか難しいもので、
ここでスマートに多井プロが何もなく2連勝とかするのが必ずしも良いというわけではないんですよね。

それだと次の試合、チームメイトは
「ダメでもリーダーがいるから」
と安心して打てるというよりも、
「ここで結果出さないとまたリーダーに迷惑がかかる」
と、肩に力が入ってしまう場合がけっこうあります。



このあたり、団体戦なんだけど実質個人戦、
みたいな勝負の経験者だとなんとなくわかってもらえると思います。
剣道とか柔道とか、テニスとか。



ただここで多井プロが2戦目にチョンボという、
一般的にみると大やらかしな出来事をかましたことで、
このままだとリーダーを圧倒的トップにして歪な形に形成される可能性のあった精神的ヒエラルキーが一気に平らに近くなります。


他の選手からすると、
ピンチのときに多井プロがしっかり結果を出してくれる、
という事実のみ残り、
そこに対する負い目とか、精神的負担が一気に軽減されます。
もちろん、互いに一定のリスペクトがあるという前提ですが。


だって普通、この流れで多井プロがトップ→2着で帰って来るわけですから、
「センパイ、マジ助かりました!あざす!」
みたいになるのが普通なわけですけど、
それが

松本プロ「どのツラさげて帰ってくるかな 元気かなあ」


多井プロ「すいません!すいませんでした!ちょ、聞いて!ちょ、話を聞いて欲しい・・・」

と、こんな雰囲気になったわけです。


他選手不調の中自分だけ好成績をおさめ、
「お前らしっかりしろよ」
みたいな雰囲気になることなく、
なんとなく精神面での上下関係をフラットに戻しながら、
結果としてきっちりトップ→2着という成績だけは持ち帰っている。

もちろん個人マイナス20pは痛いと思いますが、
今回のチョンボは、チームの状況的にみるとそう悪くなかったのではないか?というように見えます。


ちょっと微妙にズレてはきますが、
剣道なんかでエースで主将、
主将だから他の選手たちのメンタルケアもやってます、
みたいな人をあえて副将において、
まあ副将相手だからここは勝つよね、
という建付けにしておき、
他の選手たちに精神的負い目を作らせない、
という方法があります。結果としてはそれとちょっと似ています。



「MVPを取る」
と宣言し登板数も増やすよう進言したのに結果が出ていないことに気負う必要はなく、
自分が正しいと思う麻雀をじっくり打ち切ればよい。
最悪それでうまくいかなくても少なくともリーダーがリカバリーするから安心して打てば良い。


多井プロが1日で、たった2試合で(チョンボは意図しなかったものとはいえ)見せてくれたその背中に対し、
白鳥プロが応えるためにすべきことは肩の力を抜いて自分の麻雀をしっかり打ち抜き、結果を出すことだと思います。

この日の多井プロの連対でチームポイントラスからは脱出しましたが、
昨日BEASTがデイリーダブルを達成したことにより、
再びラス転落となっています。


もちろん、ファンの一部が「初年度のMトーナメントと同じ感じがする・・・」と勝手に気にしているだけで、
実際御本人は気力十分、体力十分、コンディション抜群!となっている可能性も普通にあります。

直近の鳳凰戦でも好成績を収め、現時点で総合トップ。
指の調子も良くなり、摸打もかなりスムースになったと配信で言っていました。
直近のリーグ戦で好調というのは好材料ですが、
それに重ねて、身体的な懸念材料が払拭されたというのはさらに良い流れです。

普通に考えたら、Mリーグでも好調を維持する可能性は十分あります。


それでも、Mリーグでの直近2試合を見た一部のファンは一抹の不安を抱えています。

普段は、勝つのか負けるのかよくわからないスリリングな展開の多い白鳥プロの試合を観るだけで楽しいというスタンスで、
勝っても負けても面白いからOK、というふうに観ています。

しかし、いまは、なるべく早めに、ぜひトップをとってほしい、
と思っています。


直近のリーグ戦での好調な流れや多井プロが作ってくれたチームとしての流れ、すべてをモノにしてなんとかトップをとって欲しいものです。



その際は安心して観戦できるような余裕の圧勝・・・・・も良いのですが、
どちらかというと、白鳥劇場の真骨頂であり、最も面白い、
最後までトップを取れるかどうかまったくわからないシーソーゲームでの競り勝ちを、個人的には期待します。


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