「ポン」が「ロン」に聞こえて問題があるのか?【麻雀】

こんばんは。
場末フリー雀荘出身の田ノ倉です。

いま、ポンやらロンやらの発声の件が色々話題になっていますが、
リアル麻雀だととにかく発声は大事です。

カッコつけて
「・・・・(ポン)」
とかシブく言ってみたところで、
結局わけわかんねー雀荘で麻雀してるいちオッサンでしかないんだから無駄なカッコつけはやめていただきたい。

そういうのは劇画の中だけにしてほしいです。

場末だといまだに無発声でポンしたりする古代人がいて、
気付かずに次の人がツモってしまって
「おい、ポンだろ」
とかキレてたりする。

せめて無発声でも副露牌をさらしてくれればまだ気付く余地もありますが、
こういう人に限って先に牌を取ってきて、
晒すと同時に右に移動したりします。

これはもう気付かない。
気付きようがない。


発声のとくに重要なところでいうと、
あとはリーチでしょう。

普通は発声とともにリーチ棒出して横向きに打牌して、
みたいな動作も加わるので発声がなくても気付くことは気付くのですが、
状況次第ではモメます。

そもそも明確なリーチ発声は義務なので、
「リーチ発声が聞こえなかった。
リーチじゃなければこの牌は切らなかった。」
と放銃者に言われ、
他の同卓者もリーチ発声が聞こえなかったと認めれば、
他に役がない場合はチョンボになります。

リーチ棒がちゃんと出ていて、捨て牌が横向いていても、
です。

裁定の方法がきわめて前時代的という問題はありますが、
リーチという発声の有無はその後の打牌に大きく影響を与えるため、
対局においてリーチ発声というのは非常に大事に要素となります。


チー発声の明確さもときに問題になります。

Mリーグルールのような場や競技麻雀のような場では、
ポンする人はチーが入らないことを確認するため、
数牌なら打牌されたあと一拍おいてからポンする、
というのがマナーとなっています。

なので、本来チーとポンはかぶらないようにという配慮がなされているのですが、
チーの発声が聞こえなかった場合、
ポンとチーが重複してしまう可能性があります。

このとき、ポンの人は一拍おいているので、
おそらくチーのほうが早く発声している「つもり」なはずで、
副露部分の晒し動作なども流れで行われてしまう可能性が高まります。

こうなると、
結局どちらが優先されるかという裁定の問題以前に、
チーした人はこういうターツを持っていて、
ポンした人はこの牌を二枚持っている
という、本来どちらかしか公開されることのなかった情報が両方公開されてしまいます。

これはその後の打牌に大きく影響を与えますので、
特にチーの発声は素早く明確にハッキリと行うことが求められます。

ただ、ここについても
「明確に発声したつもりだった」
「発声したのかもしれないが聞こえなかった」
などというきわめて各選手の主観的なところでしか裁定が行われず、
その主観的判断の多数決で裁定結果が決まることが多いので、
競技としてみると非常に不備があるところだと言えます。



・・・さて、前置きが長くなりましたが、
今回、某団体のリーグ戦で「ポン」といったはずが「ロン」と聞こえたということになってチョンボを取られたと。
そんな話が話題です。

ここまでの話で、リーチ発声が不明瞭だったり、
チーが聞こえない、みたいなことで起こる問題というのは考えてみました。

ただ、「ポン」が「ロン」に聞こえたことで起こるゲーム上重大な問題とは何か?
という話です。


フリーで打っていると、とくに明け方なんかは誤発声をする人がちょくちょくいるんですが、
個人的には
「なんで誤発声なんかするんだろ?あんなもん普通しねーだろ」
くらいに思っていました。

しかし僕もオッサンになり、
1年ほど前、フリーで10半荘目くらいのタイミングで、
3巡目に親番でドラ3かドラ4のタンヤオイーシャンテン、
確か待ちになったらつらいど真ん中のシャボ受けと両面かなんかが残っている状態でした。

そこでシャンポン片割れの6m(今でもこれは覚えてます)が下家から出て、
嬉々として「ロン!」と言ってしまいました。

瞬間、「やっちまった!」と思いました。
下家は「マジかよ早えな」みたいな顔をし、
対面は自分の手牌を伏せました。
上家は携帯をいじっていました。

しかし僕はそのまま6mを晒して下家の6mを持ってきて打牌、
何食わぬ顔をして「ポン」と同様の動作を行いました。

対面と下家は「???」となっていましたが、
あまりにも当然のように僕が打牌を終えたので、
ふたりとも
「あれ?ロンじゃなくてポンだったのかな?」
みたいな顔をしつつも普通に対局は続いたのです。


これってどう見てもぼくに120%非があるわけですが、
これによって対局が歪められたかというと、否、だと思います。

おそらくこれが普通にポンと言っていても、
その後の打牌内容はみんな変わらなかったと思います。

可能性があるとすれば、下家や対面が一度親の「ロン」を聞いてしまっているので、
放銃の恐怖をおぼえ、精神的にダメージを受け守備的な選択をする可能性が高まる、くらいでしょうか。
あるいは、ポンとロンを間違えるくらいだからイーシャンテンだったのかも、これでテンパイしたかも?と思われるとか。

でもこれはメンタルや思考に関わる不確定事項であり、
「ポン」を「ロン」と言い間違えたときだけに起こる問題ではありません。
しかもイーシャンテンであると明確に開示されたわけではありませんので、
先ほどのチーとポンがかぶってしまったときのように、
本来見えない確定事項が情報として開示されてしまったということにはなりません。

また仮に、普段は普通のテンションでポンチーロン言っている親が、
6mをいつものテンションの3倍で
「ポンッッッッっっ!!!!」
といえば、
「これは相当な手が入っているかも・・・・」
と同卓者に思わせることができるかもしれません。

それにより放銃の恐怖をおぼえた他家が守備的な選択を・・・・・
と、結局これでもポンをロンと言い間違えたのと同じ結果です。

ポンをロンと言い間違えるのがダメなら、
その他各種発声もすべて同一のテンションで行うものとし、
打牌強度も常に一定のものとしなければならない、
みたいなルールも必要になってきます。


というわけで、個人的には、
「ポンがロンと聞こえたとして。仮に間違ってロンと言ってたとして。それの何が問題なの?」
ということです。

チョンボとるほどのもんでもないだろうと。


競技麻雀以外だと、
「ロン」
の声が聞こえたときに
「うわー!国士テンパってたのに!」
とかいって音速で手牌を公開する人がいるので、
そういう人が出てきてしまうと問題ですが、
プロ団体のリーグ戦でそんな人はいないでしょう。
その心配は無用です。


あと、そもそもポンとロンは結局どちらも
「オン!」
と聞こえるので、分かりづらすぎます。

ポンがロンと聞こえてチョンボ、
とかいうルールがあるのなら、
ポンを昔みたいに「ポイ」とか「トイ」に変えたらどうでしょうか?

あと、裁定の方法があやふやすぎます。

ポンとロンだと、仮に録音してあったとしても、
Mリーグスタジオくらいのマイク性能がないと、
かなり微妙です。

やはり聞こえるのは「オン」だけです。

最初にくる子音がpだったのかrだったのか、みたいなことは、
録音があったとしてもわかりづらいでしょう。

まさか同卓者の意見が採用される、といったことはないとは思いますが、
仮にそうなら、派閥を作って派閥外の人間を意図的に潰すことが可能になりますね。
そもそもが微妙な違いしかない発声なので。


あとは卓の手元にボタンをつくって、それを押すスタイルにするとか。
ネット麻雀みたいに。
「ポン」のボタンを押すとその人の卓のどこかが緑色に光って、
「ポン!!」という元気の良い音声が流れる。とか。
もうネット麻雀でいいじゃん、ってなりそうですが。


というわけで、ポンがロンに聞こえて何がそんなに問題なのか?
という話でした。



もはや鳴くのも「ロンに聞こえた」と言われそうで怖い、
牌をこぼしたら罰則があるのでツモるのすら怖い。

副露したら取牌やら晒しやらその後の打牌やら、
牌を扱うシーンが増えてしまう、
牌をこぼして罰則を受けるリスクが高まる、
しかも発声時に油断すると「ロンって言ったろ!」と言われるリスクがある。

こうなってしまうと、牌理上は6:4くらいの優位性で鳴きだと判断したとしても、
上記のようなリスクを抑えるため鳴かずという選択をとる、
という選手が出てきてしまうかもしれません。

これだともう一体何がなんだか、という気がしますが・・・・・

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