たのしぃの断罪室2ネタバレあり考察〜「判断」のフロア編〜【オタク長文感想文】

断罪室2「判断」のフロア考察

アネモネの部屋

山口が本当に訴えたいのは、いじめの助長ではなく、助けを求めたときに何も動いてくれなかった大人への絶望だと感じました。
中学時代の山口は、大人を神聖視していて、それが裏切られた経験の方に加害性を感じていて、山口の中で、助けを求める声に応えてもらえなかったことが、いじめを受けたこと以上に傷つけられたエピソードになっているのだと思います。
対する石塚は、あんまり良くない先生・大人を煮詰めたような人だなという印象です。子供が見ている世界を軽視して当人の苦しみに寄り添えなかったり、被害者にも加害されうる原因がある理論をかざしたり、男だったらとか言ったり。嫌な中年のテンプレですね。
なにより、今こうして成長してるんだから過去のいじめは気にするなという結果論が、更に山口の気持ちとの解離を強めています。大人として笑い話にできることが増えたり、先生としてなんだかんだあっても大人になって上手くやってる人達を見てきたという成功体験もあるんだろうなと感じます。凝り固まった大人は、自分の成功体験を相手にも当てはめがちです。
しかし、それを中学時代から苦しみ続けていると訴えている山口本人にどんどん投げかけている様子が、完全に加害者のそれでした。中学時代は、生徒同士のいざこざに関与せずにいられた石塚も、断罪室のあの場では山口にとっての敵としての振る舞いが完璧でした。断罪。

スイセンの部屋

まずは、のんちゃん。
この子は、典型的な人のもの欲しくなるタイプの子ですね。これは考察ではなく偏見なのですが、一人称が「のん」な点と育ちの良さそうな服装から、欲しいものを不自由なく与えられて育ってきたような雰囲気を感じます。だからこそ悪気なく人のものでも欲しいと思ったら手に入れにいけるんじゃないかと感じてしまいます。勝ち誇ってやろうというのが目的ではなく、単に欲しくなったからアプローチをかけたら手に入った。やったね。っていうタイプの子なのかなと思います。
冬泉ちゃんはそれを宣戦布告と受け取っているようなのが拗れてて好きです。あと、人の好きな人をなんで盗るの?という問いに、付き合うって、のん1人で決めることじゃないんだけど?って返せるメンタリティと自我の強さは極まってて逆に好感持てました。
対して、冬泉ちゃんは拗らせていそうで考察しがいのある女です。
まず、配信時は好きな人盗られるのが嫌なら2回目で相談するのやめればいいのにと思いましたが、そのあと3回目の相談は確認だったのかなとも思いました。2人も好きな男盗られたから縁切る。ではなく、それでも偶然だと思いたいから3回目が無いことを期待するくらいには執着する相手だったのかもなとも感じました。もしくは、冬泉だけが会話の中で勝ち負けの概念を持ち出していることから、勝ち負けに固執しはじめたから3回目の挑戦状を叩きつけたという解釈も出来ると思います。個人的にはそっちのような気がします。
また、冬泉の発言には、断罪室特有の自称被害者の歪んだ主張が沢山含まれていそうでヨダレが出ました。
まず、のんは勝って気持ちよくなりたいだけなんだよ!という断言が結構飛躍して聞こえてしまったのが印象的でした。第三者目線で聞くと、悪気がない可能性も捨てきれない状況でこれを持ち出すのは、逆に冬泉ちゃん自身が勝負の舞台に立っているのでは?と印象づけられました。
他にも、自分が傷ついたという主張をわざわざ、のんが軽い気持ちでやってる事も、誰かにとっては深い傷になる。と主語を広げて話しているのも、のんちゃんに何としても勝ちたいという意図が見えるような気がしてしまいます。というか、断罪室をのんちゃんに勝つための手段に使おうとしているのかな?という印象です。
エンディングも印象的で、断罪を許そうが許すまいが、冬泉ちゃんは痩せて髪に艶もなくなります。
配信時は、のんちゃんを断罪できなかった後のエンディングとして見ていたので、のんちゃんに勝てないしやり返せないことを気に病んでしまったのかと思いましたが、他の方の配信で断罪が許されても同じ結末になっていたので考え直しました。
そこで立てた仮説は、冬泉ちゃんが3回目の挑戦状として叩きつけた、好きな人の誠くんは、冬泉ちゃんの中では結構脈アリで今度こそ勝てる見込みがあった。それでものんちゃんに盗られた。断罪室でのんちゃんを断罪することで勝とうとした。しかし、断罪が許されないという敗北と、のんちゃんを消そうが消すまいが誠くんは別に冬泉ちゃんのこと好きじゃなかったから付き合えなかったという敗北、2つの敗北しか待っていなかった。という説です。個人的にはこれがしっくりきました。断罪室の私的利用、やめてください。お帰り願いましょう。

ホウセンカの部屋

配信ではあまりバックグラウンドに対する考察をしてなかったなというのがこの部屋でした。
まずは、透の言動に関する考察をしていきます。
こんな部屋は落ち着かない、人様を兄妹のいざこざに巻き込んでいる。という発言でこの場所から早く出させるよう誘導をしているような印象を受けました。
ごめんごめん、謝ったからいいだろう?とその場しのぎの謝罪で話を終わらせようとしている点からも、話を早く切り上げたい意図を感じます。妹が余計なことを言う前に第三者の目から退散したいのではないかと考えました。
澪の主張が核心に近づくにつれ何がや?と圧をかけたり苛立ちを見せて、最後にはそんな格好している方が悪いと口を滑らせたような印象があります。
澪の方はというと、終始おびえているような言い淀んでいるような雰囲気で主張をしています。
序盤から終盤にかけて被害の内容が強いものになっているので決意を固めながら話しているような印象を受けます。最初は触るという表現が精一杯だったが、議論が進むにつれ触るというレベルではなかったと主張できるようになっている点からも、後半にかけて被害を訴える決心が伴ってきているのではないかと考えられました。
透からいつもよりしおらしいと指摘されている点に関しては、透を相対的に悪者に見せるための演出としてのしおらしさなのか、自分が受けた被害を口にすることが辛く覇気がないかの2択かなと思います。個人的には後者の方がしっくりきます。まぁ、透が最後に口を滑らせた時点で断罪です。

菊の部屋

なにもわからん。
利用された。悔しい。少女レイ。最高の百合。
よく考えたら虐められてた復讐したい相手のこといっちゃんなんて呼ばんか…。
桃ちゃんはいっちゃんに殺されたい理由があって、いっちゃんは桃ちゃんを殺してあげたかったことしか分からない。
それでたぶん、断罪させないエンドで2人心中して生き残った方は桃ちゃんだと思う。生きるのは殺されたかった方でしょ、それは分かる。

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