いまさらセレステ山を登りました。
リアル山登りの経験は高尾山程度しかない僕ですが、先週末から2018年に発売されたアクションゲーム「CELESTE」で雪山登頂にチャレンジしてました。
Switchの「いっせいトライアル」で見つけてジャケ買いしたので、可愛い主人公に反したシリアスなストーリー・シビアなアクション要素にはかなり驚かされました。ぶっちゃけヒーコラ言いながら遊びました。
そんな「CELESTE」のセレステ山踏破報告&プレイレビューです。
ちなみにB面はチャプター8解放のためにちょっとだけプレイ、チャプター9はプレイ途中です。C面あるってマジっすか?
心折で親切なレベルデザイン
前知識なしでこの記事を読んでいる方に説明すると、「CELESTE」は横スクロールの激ムズアクションゲーム。「死んで覚える」系の類に入ります。
こんな感じで「操作精度」や「咄嗟の判断」が要求される難所が連続するゲームです。2時間ぐらいやるとデトックスできるんじゃないかってくらい手汗が出ます。
この手のゲームでよくあるのが、「悟って諦める」という展開。あまりの難易度に自分ではこのギミックをクリアできないと悟り、そこでゲームに対するモチベーションが尽きてしまう。
ですが、「CELESTE」のレベルデザインは「悟りかけるけど諦めきれない」という絶妙な難易度に収まっています(A面とチャプター8までは)。「悟ってしまう」ような理不尽な難しさは抑えつつも、初見では突破できない絶妙な難易度になっており、「あ゛~次はイケるわ!!!!!」という気持ちにさせてくれます。
クリアする快感を得るためにプレイする「挑む」という気持ち。
楽しさを感じるためにプレイする「遊ぶ」という気持ち。
プレイ中、2つの気持ちが絶妙なバランスで同居できるゲームでした。絶妙な難易度(A面)に加えて、レスポンスに優れた快適な操作性、死亡即リスポーンという親切なリトライシステムなども快適で楽しい苦行体験を応援してくれます。
マデリンと一緒に山を登るのが楽しい
「CELESTE」は、主人公のマデリンが山を登る過程を通して成長するゲームなんですよね。だから、そうしたストーリーを追うなかでプレーヤーも「セレステ山、登り切ろうな……!」って気持ちになるゲームなんですよね。だから激ヤバポイントも乗り越えたくなるんですよね。
主人公であるマデリンは、オープニングから「セレステ山を絶対に登ってみせる」とやる気満々に穴やギミック満載の廃墟を進んでいきます。
しかし、「彼女はなぜセレステ山を登るのか」「セレステ山は何故こんなにも険しいのか」という点は、物語の序盤では明らかにされません。こうしたストーリーに仕込まれた疑問点が、山を登るにつれて解き明かされていきます。そういうところを「ゲームだから」で終わらせないタイプの脚本、好きです。
作中屈指の聖人かつフォロワー数4.9万人を誇るスーパーインスタグラマーであるテオとのやり取りは、厳しい登山(ステージ攻略)を続けるなかでの数少ない癒しポイント。テオに会いてぇ……って思いながらプレイしてる時あった。
ことある毎に現れては、ステージの難易度を激化させてくる「もうひとりのマデリン」。どうして彼女は邪魔をしてくるのか、彼女とマデリンがどんな結末を迎えるかが、ストーリーの核を担っています。
また、「マデリンの成長というストーリー」をステージデザインに溶け込ませているのも面白いな~と感じたポイントのひとつです。
上の動画で蠢いている根っこのようなモノは「マデリンのおびえる心」みたいなモノで、ステージの一部を隠しています。根にある程度近づくと、サッと下へ引いていき隠れていたトゲや足場がパッと出てくる……。心象描写がステージギミックになっているタイプのゲーム、好きです。
登山という行為がさまざまな面に働きかけるゲーム
「死にゲー」は中毒的なプレイフィールとクリア時の達成感で楽しくなる傾向がありますが、「CELESTE」はそこに甘えることなくストーリーやステージデザイン、ドット絵での表現などにも力を入れています。
そうした丁寧な取り組みをセレステ山という超絶険しい山にまとめることで、ゲームのデザインやストーリーがキレイにまとまり、スッと伝わってくる点が秀逸。
難易度の高いアクションを根底にしつつも、ゲームが進行するにつれてストーリー展開もキチンと高まっていく。楽しさがどんどん深まる名作でした。
たまにはちょいちょい訪れて、また登りたくなる山でした。B面クリアしてないしね。TanoCでした。
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