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覚悟を、わたしに。

わたしの相方は、8年生きているおじいちゃんうさぎだ。5歳でシニア入りと言われていてある程度覚悟していたから、まさかここまで長く生きてくれると思っていなかった。うっ滞になって一時危ないときもあったけど概ね健康に生きてくれているわたしの相方です。

おじいちゃんなんだけど、見た目はあまり変化がなくて若く見えるかもしれない。単なる親バカなのかもしれないが、おじいちゃんであり赤ちゃんにも見えているくらいにかわいい。多分毛質が見た目の若さに比例していると思う。ポソポソにはならず、ふわっとした質感が昔から変わらず健在だからだ。


ただ、目に見えて衰えている部分がある。消化能力の低下だ。以前ペレットはカップ半量ほど食べていたが、盲腸糞が著しく増えお尻が汚れることも増えた。栄養過多と判断し半量の半量にしたのが半年前くらいの話。一定期間は盲腸糞も収まっていたが、再度お尻が汚れるようになり、またペレットを減らして…と対応していく。そうしていくうちにここ二週間くらいで半量の半量の半量の半量になった。毎回一桁の粒をちまちまと掬っている。

身体が栄養分を消化しきれない。ゆっくり、だけど想定よりも早く、そして着実に老いていっている。


わたしは本腰をいれて、覚悟しなければならない時期を迎えたんだと思う。老いていく相方を支えることと相方を失う辛さを、覚悟しなければならない。

飼っていたハムスターが亡くなったとき、3年という短い生であることを理解していながら、「短すぎる」と泣き、勝手に被害者面をした。「ああしてあげればよかった」がたくさん残った。もう二度と、ハムスターは飼わないと心に誓った。

以前は「いつかスタンダードレッキスを飼いたい」と強く願っていたが、今の相方を失う悲しみ、自分の経済力と体力ともしものことを想像したら、『もう動物は飼わない。この子が最後の相方だ』と考え方が変わった。懸命な判断だと、自分で思う。

だからこそ、今を大切に、一緒に生きたい。

「もう少し、相方でいてくれ。もし死ぬなら、病気でなく老衰で死んでくれ」。そう言いながら頭や体を撫でる。予兆なく突然失う辛さは、どうにも覚悟ができない。


ももたろう、だいすきだよ。今を一緒に生きよう。


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