「まったくの初心者」が大金をはたいてスクールに通う意味はあるのか

プログラミング教室、作曲教室、語学教室など、世の中にはたくさんのスクールがある。
そしてその多くは「まったくの初心者でも大丈夫!1から教えます!」という売り言葉を含んでいるが、私はその言葉に対して大きな違和感を覚えている。


なぜなら、まったくの初心者が大金をはたいてスクールに通うのはコスパが悪すぎるからだ。

今の時代、わざわざ大金を払ってスクールに通わなくとも学ぶ方法はたくさんある。
マニアックな分野でなければ、ネットで検索すればいくらでも情報は出てくるし、Youtubeにも様々な動画がアップされている。もちろん、これらはすべて無料だ。初心者レベルの知識であれば、無料の情報で十分身に着くだろう。

実は、私は大学時代に某WEBデザインスクールに入り、43万円の学費をドブに捨てた経験がある。
学費は半年で43万円なので、1カ月当たり7万円以上かかることになる。
それだけのお金を無料で学べるレベルの内容を教えてもらうのは、かなりもったいないのではないか。

逆にスクールのメリットは、「分からないことを質問できる」「プロからのフィードバックをもらえる」点だ。
私が通っていたスクールは、映像教材に加えて毎月課題が出され、月に1回課題を発表し、フィードバックをもらう。またスクールに行くとPCが使い放題で、そこに常駐しているデザイナーに質問できるというシステムだった。
独学だと、分からないことがあると調べるのに時間がかかり挫折してしまいがちだが、スクールだとすぐに質問して解決できて、時間を無駄にせずに済む。

スクールに通うとしても、初歩的な知識を身に着けた後だとどうだっただろうか。
中級以上になると、ネットで検索してもヒットしづらいような、より具体的で高度な質問ができるようになる。無料では手に入りづらいレベルの知識を得られれば、スクールを有意義に活用できているといえるだろう。
これまでに作った作品があれば、それも見てもらうのもいいだろう。プロのフィードバックを得ることは、作品をブラッシュアップして技術を向上させるのに大いに役立つ。

また、作りたいものを最初に設定して、それを完成させる過程で色々な学びを得るという方法はかなり効果が高い。目標物があればモチベーションを維持しやすく、知識の吸収もしやすくなる。
私のスクールのカリキュラムでは卒業制作があり、最後に自分の作りたいサイトを作って他の人の前で発表する機会があった。
私は特に目的もなくとりあえず就職活動のためのポートフォリオサイトを作り、1週間もあれば誰でも作れるようなサイトを大勢の前で発表するという恥ずかしい経験をしただけだった。

まずは作りたいものを設定し、独学で取り組んでみて、これ以上は独学で対応できない、もっと深い知識を身につけたいと思うようになったら、お金を出してスクールに通ってみるのもありかもしれない。

まずは独学で取り組んでみることで、ある程度向き不向きが分かってくるのもメリットの1つだと思う。お金を払った後で向いていないと気づくと、かなりもったいないことになってしまう。

何事もまずは独学が第一だ。
スクールに通えば、課題を出されてフィードバックを受ける機会が与えられるなど、学びのレールは敷いてくれるだろうが、それはあくまでも独学をサポートするためのものに過ぎない。

スクールのカリキュラムさえちゃんと修了すれば、それなりにスキルが身に着くだろう、と考えていたのが甘かった。スクールに通おうと、自主性が無ければ大した学びを得ることはできないのだ。

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