140文字のほっこり。 (5)
140文字で「ほっこりする」物語を書いています。
まとめてみましたのでぜひご覧ください。
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2020/04/30 05:38
ウォーキングをしていると国道に出ました。信号が変わらずイライラしながら待っていると、ようやく車道の信号が赤になったので歩き始めました。振り返ると今までわからなかったのですが押しボタン式の信号だったのです。「えっ、誰が押したの?」……大きなトンボがあいさつしながら渡って行きました。
2020/04/29 05:49
湖で毛づくろいをしている大きな美しい白鳥に、下からやってきた真っ黒い鯉が声をかけた。「どうしてそんなに美しいのですか」「あなただってきれいじゃないの」「いや僕なんて」この黒光りする鯉が「僕なんて」と嘆く瞬間、宇宙から来たニュートリノが鯉の体を一直線に通り抜けたので一瞬波が立った。
2020/04/28 06:16
洗濯物のTシャツが飛行機になって空高く飛んでいく現象が発生した。取材班が出かけていくと子どもが「みんな飛んじゃった!」と泣いている。お母さんが興奮気味に「そうなんです。Tシャツがまるで飛行機の形をして飛んで行ったんです」と言う。その頃、青空にはTシャツの形をした雲が浮かんでいた。
2020/04/27 06:07
ハーブのGPSが人気です。あなたの周りにあるハーブからあなたの現在地を見つけ出します。例えば北200mにミント、東100mにローズマリー、南50mにラベンダーがあれば、その香りの交差する所があなたの現在地。ハーブが3箇所ないと位置が特定されません。あなたには、位置がありますか?
2020/04/26 05:59
白い砂浜が見えます。波打ちぎわで黄色いレモンが波に揺れています……この砂浜から遠い遠い山の病院の、海を見ることなんてできない病室で、ベットに仰向けに寝ている少女の心に浮かぶ光景が、このように爽やかであり、今、私たちの想像が、この少女のように爽やかではないのは、なぜでしょう?
2020/04/25 05:47
黄色いバラが見事に咲くまでに、世の中のどれだけの黄色を集めたのだろう。そういえば私の黄色いTシャツはどこにいった?黄色いバラの黄色になった?小学校の時に履いていた黄色い線のある靴は、もう遠い思い出になり、モノクロになってしまった。黄色いバラが色を吸い取った?あなたの黄色は大丈夫?
2020/04/24 05:28
フェンスが方眼用紙のように見えます。初夏の花が自然に描き出すグラフはきっと人間がまだ解明していない曲線でしょう。名前も知らない花が描き出す、ひそやかな美しさに目をとめる余裕と優しさが、今一番に求められています。人の体も心も自然と共に存在しています。私たちは美しい野の花なのです。
2020/04/24 05:13
noteを書き始めてから1日も休まず、気がつけば90日間連続で投稿したことになるそうです。計画的に書いてきたわけではなく、気がつけばこういうことになっていたのです。たぶんはっきりとした目標や計画があったら、逆に続かなかったのではないでしょうか。私にはこの方法が似合っています。
2020/04/23 06:11
藤の花が咲くと、紫に光る鯉が現れるという池に行ってみた。池の奥の藤棚には大きな藤の花が見事に垂れ下がっている。私が紫の鯉を探していると「藤の紫の花房が池に映って、まるで大きな紫の鯉が泳いでいるように見えるのですよ」と、声がするので顔を上げてみると、見事な藤の花が私を見ていた。
2020/04/22 05:34
何が難しいと言っても「亀のツナ渡り」ほど難しいものはない。あの体形でどうやってツナ渡りをする?亀のゴン太がナイアガラの滝でツナ渡りをした。2センチも行かないうちにフラフラして、滝の底に落ちてしまった。1週間くらいして、20km下流を、再挑戦のために、ツナに向かって歩く亀のゴン太。
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