140文字のほっこり。 (4)
140文字で「ほっこりする」物語を書いています。
まとめてみましたのでぜひご覧ください。
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2020/04/21 06:32
ゆっくりと流れる川をながめながら、今日のこと明日のことに思いを巡らす。夕日が川面に映え、ちょっと赤みを帯びた雲が立ち止まってこちらを見ている。後ろの草むらが柔らかく動いて、茶色いウサギが顔を出した。もうすぐ田植えだなあ、とそれから3000年後に「弥生人」と呼ばれる青年は、思った。
2020/04/20 05:52
ウォーキングの途中でたくさんの花に出会います。庭の奥の方からお父さん花が笑顔で「こんにちは」ってあいさつしました。隅の方でいじけていそうな花に声をかけると「蟻を見てるんだ!」と強がってまるで子どもみたいです。お母さん花がこんがらがったツタから笑顔を見せました。お花の家族たちです。
2020/04/19 06:08
神様たちのバスケットのボールは「星」なので、まったくどこに跳ね返るか、神様だってわからない。星のボールをドリブルしていた神様がこけちゃったとか、リバウンドの星をつかんだ神様がヤケドしたとか、もう大変!星のボールをシュートしたら、はね返って地球の上の君に当たることだってあるんだ。
2020/04/18 05:38
みなさんはとっくにご存知なのでしょうが、私は初めて知りました。なんと!ピーナッツは、まだ土の中にいる時、あの殻の中で二人で会話をしているとのことです。どうしてこんな常識的なことを私が知らなかったのか。それは会話する声が聞こえなかったからです。みなさんには聞こえているのですよね。
2020/04/17 05:25
小さな地味な花だってすごい能力を持っている。一般にはワノワと呼ばれている小さな地味な花がビッグデータで調べてみると、なんと「世界中のこの花の数を合計すると地球上の人類の数と同じ」だそうだ。花が枯れてもどこかで新しい花が生まれる。小さな地味な花を見つけたらワノワかもしれませんね。
2020/04/16 06:06
初夏になると小川に入って小魚と遊んでみたくなります。裸足になってくるぶしよりちょっと深いところまで水に入っていくと、メダカがやって来て私を見上げました。メダカから見た私はきっと真下から見た「東京スカイツリー」のようだろうなあ。大きくて高いんだろうな。初夏には人がタワーになります。
2020/04/15 05:24
緻密な布を幾重にも重ねてていねいに手縫いされたマスクが人気です。作っているのは85歳のお爺さん。もと大工のこのお爺さんは「そんなに難しいものじゃないよ。カナヅチを針に持ち替えただけだから」と語る。大工さんが作ったマスクは子どもたちに人気で「将来の夢は大工さん」とはしゃぐ子もいる。
2020/04/14 05:45
久しぶりに明るいニュース。新種のタンポポが発見されました。名前はポポタン。専門家でも区別が難しい。唯一の違いは葉っぱの形。タンポポは葉っぱがギザギザだが、新種のポポタンは葉っぱがノコギリの歯のようになっている。ひょっとするとあなたが道端で見かけるタンポポはポポタンかもしれません。
2020/04/13 05:56
もう早場米の田んぼには水が張ってある。生まれたばかりのアマガエルが水面に目だけ出して浮かんでいる。見えるものは、希望の水、希望の泥、希望の草、希望の土手、希望の空……小さなアマガエルにとってはこの田んぼが一生を過ごす場所。雲が流れても、希望に見える。風が吹いても、希望を感じる。
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