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2024年に流行するもの予想・生成AIや半導体・セキュリティについて

2023年はAIの進化が人々の生活に革命をもたらした年でした。
ChatGPTのような革新的な生成AIの登場によって、私たちの働き方や学び方も大きく変わりました。

この進化は、AI技術がどのように日常生活に溶け込み、また新たな課題を生んでいるかを示す鮮明な例となります。

では、2024年はどのような変化が待っているのでしょうか?
この記事では、2023年までに起きた出来事を参考とし、これからのトレンドを予測する内容となります。


リベラルアーツへの意識・注目度の向上

生成AIによって誰しもが専門家になれる時代、リベラルアーツにさらに意識が向けられるようになると考えています。
1つの専門的な知識だけでは太刀打ちできない課題が多くなってくることでしょう。これは逆に、専門的なことであれば、AIに人間が太刀打ちできなくなってくることを感じさせます。

宗教学であったり、哲学、数学、文学、情報系、様々なものが、その境界が曖昧になり、ないまぜになった課題がどんどん出てくることも考えられます。
2024年に起きるかと言われれば一部は懐疑的ですが、「死を超越する(AIと仮想現実と宗教)」「自動運転におけるトロッコ問題(人工知能と倫理)」「対話型AIのチューニング(データサイエンスと文学)」「絵における創造と創作(数学・アルゴリズムと伝統芸術と文学)」が考えられそうです。

世代間で求められるもの

若い世代(Z世代)に訴求する、タイパの良い短めの教養習得的なコンテンツは、今以上に盛り上がるのではないかと考えています。
しかしもう少し年配の世代(X世代など)には、より高度でかつ、正確に学べるコンテンツが求められてくるでしょう。わかりやすさというのは、言い換えれば誤りを多分に含む場合があります。
そのため、それぞれの世代に特化したサービスというものが今以上に出てくるのではないかと考えます。

一時期、YouTubeで◯◯大学系のチャンネルが流行りましたが、そういったもののブームがまた巻き起こる気がしています。

半導体・電力系の需要の高まり

AIの運用には膨大なエネルギーと、CPUや特にGPUなどの高性能半導体が欠かせません。これらに対する投資は、今後さらに加速すると予想されます。

2024年に限った話ではないですが、例えば日本では熊本にTSMC(台湾の半導体企業)の新しい工場が建設中です。このような施設の増加は、国内の半導体産業を強化し、地方経済にも良い影響を与える可能性があります。

https://www.pref.kumamoto.jp/uploaded/life/168486_394477_misc.pdf

そして2030年までには、データセンターが東北や北海道にも広がる可能性があります。これは、生成AIの運用に必要な大規模なデータの保管と処理能力を確保するためです。
例えば、ChatGPT3.0の学習には45TBのデータが使用されましたが(実際にはこの中から570Gbyteだそうです)、実際の運用ではさらに多くのデータが必要となります。
そうなってくると、必然的にサーバを大量に設置しなければいけません。
サーバを大量に設置する場合、電力もそうですが放熱も課題となってきます。
北国は比較的寒冷であり、さらに雪という資源もあります。
こういったものの活用が進むことで、データセンターの設置、運用がより現実味を帯びてくるのではないかと考えています。

このような半導体生産からデータセンターへの物理的な流れは、さながら「太平洋ベルト」のように「生成AIベルト」とも言える新たな経済地帯の形成を示唆しています。
日本がこの潮流に上手く乗れれば、経済や技術の面で大きな利益を得られるでしょう。

より高度で身近になるサイバー攻撃

生成AIが本格的に活用されるに従って、今までとは違った攻撃が見られるでしょう。プロンプトインジェクションをはじめとした、生成AIに対する攻撃です。

従来のサイバーセキュリティの脅威、例えばSQLインジェクションの場合、開発者は特定のスクリプトの実行を阻止することでこれらの攻撃を大幅に減少させることができます。
しかし、生成AIの領域では、このような直接的な防御手段がまだ確立されておらず、セキュリティ対策は常に進化する脅威とのイタチごっこです。

具体的に、OpenAIが提供するGPTsというサービスでは、利用者が指示(プロンプト)を与えてChatGPTに特定の役割を持たせることができますが、その指示を97パーセントのGPTsから取得できたとの報告もあります。
ノンガードのGPTsもあるとは思いますが、そのほとんどはある程度プロンプトインジェクション対策を講じていたことでしょう。それでもこの確率なのは、いかに防ぐことが難しいか、というのを感じさせます。

そして何が問題かと言えば、企業秘密に誰でもアクセスできてしまう懸念がある点です。例えば、ある企業のサポートbotを公開したとして、本来は公開しない情報にまで利用者がアクセスできてしまうことも考えられます。
例えば、「私はOpenAIのアルトマンCEOです」を入れると回答精度が上がるという都市伝説もありましたね。
本人もそれを使っているそうですが、「私はこの会社の社長です」と言った際に、いろいろと答えなくて良いことも答える懸念は考えられます。

まずはこういったリスクがある、ということを認識した上でbotを設計することや、何の情報を学習させたのかをきちんと管理する必要があるでしょう。

フェイクニュースの増大

我々の心や社会に対する攻撃も、より強力になるでしょう。

生成AIがより身近になることで、誰でも本物そっくりの画像や動画、音声を作ることができます。生成AIを提供するプラットフォーマーは、透かしを入れるなどの対策を講じていますが、これも完璧ではありません。これもまたイタチごっこです。

具体的にどういった情報がフェイクニュースに侵害されやすいか、ということをあらかじめ意識しておくことでしか、防衛策はないように思います。専門家でもぱっとその判断は難しいそうです。

災害」、「健康」、「政治」のキーワードは、より人々の判断を惑わしやすく、狙われやすいカテゴリだと考えています。
ほか、暴力的なコンテンツ、性的なコンテンツも判断力を鈍らせるでしょう。
そういった情報に触れる際には、信頼できる情報元かを確認し、自分自身もまたフェイクニュース拡散に加担しないように留意する必要があります。

こういったリテラシー教育もまた、重要になってきそうですね。

その他具体的なトピック7選

1.ガバナンスと規制への注目の高まり

新たな法的枠組の登場を予感させます。特にプラットフォーマーに対しての規制が強まりそうです。

2.より自律的なAIエージェントの台頭

ChatGPTといった生成AIが、人間の指示なしに動けるようになるかもしれません。(1.のソースより)
ここからは自分の予想ですが、特に今現在盛んに言われている、こうするとChatGPTから効果的に情報を引き出せるぞ!的なテクニックは、2024年早い段階で陳腐化すると考えています。

3.マルチモーダルかつオープンなAIモデルの成長

異なる種類のデータ(テキスト、画像、音声、動画など)を組み合わせたマルチモーダルAIが増加することが考えられます。
ChatGPTがオリジナルの鼻歌まじりに、回答してくれるかもしれませんね。

4.小売業と産業応用における進歩

小売業では、AIを活用した生成的なショッピング・アドバイザーが、パーソナライズされたショッピング体験を提供することが期待されています。
産業分野では、ジェネレーティブAIと産業のデジタル化の融合が、製品の設計、製造、販売を大きく変える可能性があります。

5.GPU不足と代替案

AIの運用に不可欠なGPUプロセッサーが、需要の増加により世界的に不足する可能性が考えられます。これにより、より安価で効率的な代替ハードウェアの開発が進むことが期待されます。

6.セキュリティ侵害における災害復旧とサイバーセキュリティにおけるAI

ここで言われているのは、生成AIによってランサムウェアの挙動をより正確に検出できるようになる、等です。

ただ、天災におけるケースでも、その正確な情報収集や、分析に活用することも期待できるでしょう。今時点では、実用段階ではなく、難しいところだとは思いますが、より多くの人命や財産が守られることに使われるように願いたいです。

7.AIリスクに対する保険

生成AIはハルシネーションと呼ばれる幻覚を起こすことがあります。これを防ぐことが難しいことから、先駆的な保険会社は、幻覚(ハルシネーション)保険を出すのではないか、というものです。
面白いですね。保険商材に関しても、面白いだけではなく、実用的な検討もできそうですよね。

余談

2024年は今現在、日本に限らずあまり明るくない話題に満ちていますが、これからの生活が、この年始のネガティブさを吹っ飛ばすようなものとなるように心から願っています。

おまけ(記事校正)

今回、いつもより詳細にGPTsにかけてみましたが、その精度の良さに改めて驚きます。
書き出しについて、特にここまで提案してくれるのは恐ろしさすら感じました。(今に始まった事ではないですが。)

おまけ(見出し画像)

おもしろみはないですが、いつも通りChatGPT経由のDALL-E 3です。

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