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ChatGPTと共に執筆:2つの書き出しで見る実用的な活用方法を模索する

最近またChatGPTでずっと小説の書き出しだけをひたすら書いて遊んでいたので、その過程で気付いたことや、可能性を考察する記事となります。
実際に作成に至る過程をベースとした記事となります。

サンプルとして書き出し全量2つ分はこの記事の下部に掲載します。
また、一太郎2023にも校正機能等があるため、簡単な紹介も記事内で行います。


ChatGPTでできること

以下にポイントを簡単にまとめます。
「◎」がかなり使える!で、「△」は使えないな、「○」は普通に使える、といった判断となります。

1.プロットジェネレーション・・・◎
2.キャラクターデザイン・・・◎
3.ダイアログ作成・・・△
4.世界観の構築・・・◎
5.校正と校閲・・・○

1.プロットジェネレーション

小説を作る上でプロットはいわば地図のような役割を示します。
予めプロットをしっかり作っておくと、話の内容があらぬ方向へ行くことを防ぐことができるでしょう。

しかしながら、これが思いつかない場合、まとまりが付かない場合ChatGPTは強力に効果を発揮します。
個人的に面白かったのは、自分が思いもしないテーマでサクサク執筆できるという点です。
グルメものについては、私はあまり興味が無い人ですが、そういった場合でも物語の骨格を示してくれるため、書き出しやすいと感じました。

「ディストピア飯」の知識を入れた後に、
それでグルメ系とした場合どのような物語になるかを考えてもらったもの

勿論、この段階ではかなり詳細な設定などは詰められておらず、この状態から書き始めるのは難しいと思います。
このままやりとりを継続することで、必要な要素を詰めていくことができます。

2.キャラクターデザイン

キャラクターの背景、性格、外見などの詳細の作成もChatGPTならお手の物です。
自分が必要だと思う項目を並べ、作成してもらったものが以下になります。

あえて「その他」を入れておくことで、
こういった情報があった方が良いというのをChatGPT側で入れてくれます。
今回はバックストーリーが入力されましたね。

また、物語が進むに従いモブキャラも必要になることでしょう。
それこそChatGPTの出番です。どんどん作ってもらいましょう。

やりとりの中であった方がいいだろうキャラクターを先に作ってもらう。

3.ダイアログ作成

登場人物の会話をChatGPTに執筆してもらうこともできます。
しかし、個人的には微妙な結果となりました。
勿論、指示の与え方というのはもっと工夫、具体化すべきかと思いますが、かなり機械的な会話形態を取りやすく、そのままでは使えない印象を受けました。

上記に示したシナリオの例とはまた違うシナリオの、会話パートの作成を依頼したもの。

4.世界観の構築

ChatGPTが想像力豊かな世界設定や背景ストーリーを生成してくれます。
個人的にはこれがかなり使えるもので驚きました。
使い方としては、やはりやりとりの中で具体的に意見を提示することが、特に性能を活かすことができるテクニックだと思います。

一部抜粋。やりとりは、この前も後もありますが、どんどん深めていけるのは大変楽しいです。

5.校正と校閲

一番よく使うのはこれだと思います。
特に自分は、感想も都度聞くようにしています。

書き出し部分の抜粋。
それを受けての感想など。

ただ、問題があって恐らく創作においては書き手のやる気を削がないように調整されているのか、基本褒めることしかしません。
同人作品をつくるならば、大変役立つお供になるでしょう。何よりモチベーションが最大の敵なので。
しかし、商業作品としてつくりたいとなれば、あまり役に立たないように感じます。
その辺はやはり優秀な鬼のような編集者が欲しいところですね。

一応ChatGPTにその辺の文句を言ったところ、以下のようなポイントで具体的に指示を出すように返答されました。

とはいえ、これで聞いても大して変わらなかったので、限界はありそうですね。

一太郎2023を使った校正など

一太郎はJustSystemsから販売されている、日本語に特化したワードプロセッサソフトウェアです。
発売は古く1985年から続き、今時点で2023年版が最新版となります。

一太郎の主な特徴は、高度な日本語処理能力です。
和文校正支援機能や、細かな文字組みに対応する機能が充実しているため、美しい日本語の文書作成を求めるユーザーに支持されています。
また、官公庁での導入も有名でしたが、今はどうなんでしょうね。

さて、個人的には一太郎の校正機能は使えなくは無いですが、見劣りする印象です。特定のルールに則って、一気に処理を行うため、ChatGPTより機械的にかつ、一貫した校正をお願いできますが、ChatGPTの返答のように「ここはこうした方がよくない?」と提案するようなことは当然できません。

文章校正:小説、を選んで一気にチェックしてもらったもの。
また表記ゆれチェックも行えますが、文脈を正確に捉えられないのでこれはあまりに微妙ですね。

ただ、今時点で一太郎は買い切り型です。
サブスクが主流の時代においては、かなりのメリットではないでしょうか。
自分は、一太郎2013→2017→2023と買ってきた人なので、こういう運用もできることはかなりのメリットでしょう。
例えば単純に購入して5年は使うとしたときに、通常版であれば27,500円(税込み)なので5年使うとした場合、1ヶ月460円弱なのでコスパは良いでしょう。
加えて、ATOKもサブスク版ですがついてきますし、お得感はあると思います。
しかしここが肝で、今時点でATOKが買い切り型の提供をしなくなったので、一太郎もそうなるのではという危惧があります。
価格がどうなるかによりますが、ChatGPT等のAIが普及している状況で、仮に500円で一太郎&ATOKを提供します、としたところで契約するかと言われれば悩みますね。
ただし、ポテンシャルはかなり秘めているので、おそらく何らかのAIを実装するであろう、一太郎2024や2025に期待できそうですね。

不満点を多く挙げてしまいましたが、普通に日本語の編集ソフトとしてみれば、Wordなんかよりもめちゃくちゃ優秀です。
綺麗なフォントも多く搭載されていますし、装丁をこだわって何か作る際には、かなり役立つでしょう。

余談ですが、結構軽量です。
メモリドカ食いchromeやEvernoteよりも、はるかに少ない使用率で動作します。
(使い方次第だとも思いますが。)

ChatGPTを使った執筆で使えそうなテクニック

ChatGPTはGPT-4であっても使えるトークンが限定されているため、長くやりとりをするとさながらボケてきます。
そこで、途中までのやりとりを共有リンク化したり、要約をお願いすることで新たにやりとりの継続が行えるのかを検証しました。

結果的には、執筆中のものを「テキスト化」してアップロードするのが一番良いように思いました。

共有リンク化

今時点でWeb Browsingがまだ提供再開されていないため、拡張機能を用いて取得します。
プラグインを使った場合は微妙でしたが、今後再開するにあたり、可能性はありそうです。

共有リンクを発行して、見に行ってもらいます。
ただし、やりとりの最後しか取得できないため、さらなる工夫が必要そうです。

Code Interpreterを使用する

やりとりをHTMLファイルに保存し、「Code Interpreter」でアップロードすることで、段階的に取得して展開させることができます。
ただし、こちらも微妙でした。結局の所具体的に指示をしないと正確に取得できないため、実用的ではありませんでした。

そこで、テキスト形式にして執筆中のものをアップロードするのが現実的な使い方だと感じました。

テキスト形式にしてアップロードしたもの

トークン数についてですが、意識せずに使うことができそうです。
以下に芥川龍之介の小説の「河童(青空文庫)」を例にしたやりとりの一部を抜粋します。

Pythonのコードと結果を見ると面白いですね。
引用したうえで、解釈を行えるのがやっぱり凄いなって思いますね。
面白いですね。確かにテキスト化した際に、最後が「図書カード」となっています。
import re

# Split the text into lines
lines = text.split("\n")

# Extract lines where マツグ is speaking
matsugu_lines = [line for line in lines if "マツグ" in line and re.match(r".*「.*」.*", line)]

matsugu_lines
取得したもの。これをベースにChatGPTが解釈して出力していますね。

まとめ

やってて思ったこととして、何と言っても、その楽しさは格別ですね。
いろいろ相談しつつサクサク作れるのはかなり新鮮です。
通常、小説を書くというと一人で黙々と取り組むイメージがありますが、ChatGPTとのやりとりを通じて、賑やかで満足のいく作品を創り出せるのは非常に興味深く、面白いです。

小説の書き出し①

それは人類史の新たな発見であった。
2030年、エジプトのピラミッド下、深さ13,000メートルに超古代文明の痕跡が見つかったのだ。今から約30年前の出来事である。
その時の科学者はこうインタビューに応じている。

「これまで人類が到達できた深さは、旧ソ連が採掘した12,262メートルである。しかし、そのほんの先にこのような古代文明の痕跡があったのは興味深い。」
そう言い終わると科学者は辺りを一度見回した。
その時私はまだ7、8歳の子どもだった。その科学者の助手をしている親に連れられて、はるばる日本からエジプトまで来ていたので。
からっと晴れ渡る青空が印象的だった。

科学者は一呼吸おいて続けた。
「私はモノリスを思い出した。モノリスは2001年宇宙の旅という作品の、創作上のものではあるが、人類の進化の分岐点で度々あらわれている。一つは猿人に、一つは月面に、一つは木星に。私はこの発見が何か啓示的な意味を為しているように感じている。」

その時だっただろうか。まるで待っていましたと言わんばかりに空一面に銀色の円盤が飛来したのだ。いや、もとから居たのかも知れない。
私は手元のコーヒーカップを机の端によせ、再び思いを巡らせた。
突如として青空を埋め尽くす大小の円盤に、さぞ現場はパニックになっただろうと言う人も居るが、記憶を手繰るとそんなことは無かったように思う。

しかし今、改めて写真で見るとゾッとする光景だが、誰もが「あぁ、来たか」といった感情になっていた気がする。
これもまた彼らの技術力の賜なのだろうか。後で聞いてみなければ。

そこからはまるで図られたかのようにトントン拍子だった。
実は秘密裏に段取りが組まれていたとする陰謀論もあるが定かでは無い。
彼ら、自分にとってはよく会う彼女らになるが、特徴的な外見をした異星人である。
基本的に人間と大きな差異は無い。しかし、耳が顔の上部についている。ちょうどネコ耳と呼ぶにふさわしい。

しかし異星人とはいえ、古代文明の痕跡より、もともとは地球で暮らしていたことも分かっている。
そして最たるものが異常なほど高度な科学技術を有していることにある。
それと同じく、高度な哲学的思考も持っていることが分かっており、科学技術を運用する完璧な術を持っていた。
また、「現人類と共に争うこと無く歩むこと」を望んでいたことも注目すべき点だ。
実際、もしも現人類を滅ぼすとすれば、それは1時間もかからないのでは無いだろうか。
それでも尚、それをしなかったのはなぜなのだろうか。というのが最近の私の疑問である。

「人類を滅ぼさなかった理由?」
「デジラキューブ(水晶記録装置)」を水晶投影装置から外して見上げると、そこには「ネコミミアン(異星人)」のユリが居た。
夕暮れを背景に佇む彼女に私はあきれながら言った。
「また心を読んだのか」
心を読むというよりは、厳密には高度な「共鳴」能力を有している。他の生命体の感情や記憶、意識を共有し、理解する能力があるのだ。
しかし、これは現人類側と、ネコミミアン側との取り決めで「してはならないこと」と条約が定められている。
「だってはっきりと聞こえたから」
時折強い「共鳴」能力を有する個体があると聞くが、ユリがそれにあたりそうだ。
それ以前に共通的な倫理、道徳を重んじる文化の筈だが、この子はどうにもそういうのは我を行く性格らしい。
まあ、良いだろう。さて、30年前に始まったこの物語をまた紡いでいくとしよう。

小説の書き出し②

立方体の食事「V.S.(VitaSquare)」が、今日も僕の前に置かれた。
それが「F.N.S.(完全栄養食)」と呼ばれる理由は理解できても、「食事」と呼ぶことはなかなか受け入れがたかった。
微かな月明かりが照らす薄暗い室内で、辛うじてその輪郭を捉えている。
男は無表情のまま、フォークでその物体を刺し、口の中に押し込んだ。

ふと昔の会話を思い出した。暗闇の中食べる食事ほどまずいものは無い、といった会話だ。
しかし、男は別に食事をしているつもりは無い。単なる燃料補給だ。
ものの1分で燃料補給は終わる。この点は非常に便利なのかもしれない。
料理人の下積み時代に培った皿洗いの技術は過去のものとなった。

2035年、政府は「F.N.S(完全栄養食)」を各家庭に配布することを決定した。
これは2025年から続く大規模な気候変動による食糧難に対処するためだった。
世界規模での取り組みが功を奏し、暫定対応としていたこの取り組みは普遍のものとなった。

パッケージとしての「F.N.S.(完全栄養食)」――これは主に次のような内容で各家庭に配られる。
「V.S.(VitaSquare)」と呼ばれる正方形の人口肉キューブである。実際に使用されているのは肉ではないそうだが、では何なのだろうか。
「E.(Energeon)」と呼ばれる錠剤も捨てがたい。いや、捨ててしまいたいが、各個人に必要とされる栄養素を詰め込んだカプセルである。
「L.B.(LifeBrick)」はバリエーションがあってまだマシだ。見た目は指2本分程度のレンガである。
配布され始めた当時は味にバリエーションがあった。しかし今はココア味のみ配布されている。最近気付いたのだが、本当にココア味なのだろうか。もはやあまり気にもしなくなった。

人々は食から得られる喜びを失った代わりに、健康を取り戻していた。
これは喜ばしいことだと識者は口をそろえていたが、本当にそうなのだろうか。
男は食べ残した「E.」を引き出しにしまった。
「こんなことがバレたら重罪、ね」
そう呟きながら男はベッドに倒れ込んだ。

食事に関する取り決めは他に類を見ない程に厳罰化された法に縛られていた。
そこには個人の自由意志というものは一切認められていなかった。
なぜそのような法律が通ったのかははっきりとは覚えていない。
しかし、人々がなぜかそれを抵抗なく受け入れたのは事実だった。
もしかしたら、既にその頃には広がっていた「F.N.S.」が影響していたのかもしれない。
しかし、今となっては確かめる術は無い。いや、気力だろうか。

男は薄目をあけて、壁に貼られた写真に目を向けた。
写真は色あせている。月明かりに照らされた写真には、「ジョナサン、料理長就任!」の手書き文字がうっすら浮かび上がっていた。
それを数秒見つめた後、目を瞑り、夢の世界へと誘われていった。

余談

半年くらい前から完全栄養食とされるある商品を主食として食べています。
粉を水で溶かしてシェイクすると、どろっとした何かが出来上がります。
いろいろな味がありますが、試した感じチョコレード味が無難です。
さて、果たしてこれはチョコレート味なのだろうか、と都度400キロカロリーを摂取していますが、そういった経験も中身に影響していますね。
こんな悲しい気持ちになる食生活、誰が続けるのだろうと最初は思っていましたが、人は慣れるものです。不思議と消化もいいのか、体調も良くなった気がします。

おまけ(ChatGPTとのやりとり)

ちなみに、やりとりは「Custom instructions」が実装される前のものです。
今やるとすれば、「私は小説家であり、特にSFやファンタジーを好みます。」等設定しておくのが良いように思います。

おまけ(サムネイルの素材)

Bing Chat
Adobe Photoshop ベータ版


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