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小学一年生の4月5月。

5月の連休が終わり、新一年生もぼちぼち学校にも馴染んできたようだ。

入学式の翌日から続けていた登校の見守りも今日で一旦区切りをつけることになった。

本当は4月末までの予定だった朝の見守り。

ひとりの一年生が毎日ぐずる様になり、集合場所手前で引き返してしまったり、時には泣き叫び動かなくなることも。
諦めた母親が「迷惑になってると思うから先に行ってください」と言う日が続き、ついには母も諦めてしまい集合場所にも来れなくなり一緒に登校できなくなってしまっていた。

どうにか集合場所までは来て欲しいと思い毎朝頑張ってもらったが、手前で引き返したり足が止まってしまい合流出来ずになかなか一緒に歩いてくれなかった。
次第に「なんでいつも嫌がってるんだろう」と思っていた子どもたちの中から、自分も学校行きたくない…と言い出す子も現れたりして、色々と打開策を考えて母たちは話し合う日々…。

登校班とクラスに慣れたら…
小学生の生活リズムに慣れたら…
仲良しのお友達ができたら…
学校が楽しいところだとわかったら…
こうすれば行ってくれるかな…
でも言いすぎるとその親子のプレッシャーになって来れなくなっちゃうかな…
何も言わずに見守るだけの方が良いかな…と悩んでいた。

そんな日々が続いていたが、みんなが楽しみにしている遠足の日がやってきた。

普段子どもたちは朝が早くて眠さが残ってるからかテンションが低いことが多いけど、「遠足の日はみんな楽しみにしてるから朝からテンション高いし、ランドセルじゃなくてリュックで雰囲気も違うし、明るく一緒に行けるのでは…⁉︎」と他の母たちと話していたので、鼻息荒くその子の母に「遠足の日だけでも頑張ってみませんか!」と提案してみたら、「遠足の日だけでも一緒に行けるように頑張ってみます!」と気合十分な様子。

遠足当日、朝からお弁当とお菓子が入っているリュックを背負い水筒を肩からかけて興奮気味に集まる子どもたち。予想通りみんなテンション高い!笑
そこへひょっこりやってきた1年生。意外にもすんなり一緒に行けたやん…!
小さく拍手&ガッツポーズ!

この遠足の日を境に少しずつ距離を詰めていき、あと一息だ!と言う頃に問題発生。
集合場所には来たものの、その子が何かをしていて出発出来ない…。母親はある理由で不在。班長さんが声をかけても動かない。困った…。
しばらく離れたところから口を出さずに見てたけど、出発時刻はとっくに過ぎてる…。
いつも1番遅いの班がこちらに向かって歩いてきているのが見えて、タイムリミットだと思い動くことにした私。

説得には応じず動いてくれない。
最後は強硬手段でよその子だけど関係ねぇ!と軽くランドセル掴んで誘導して無理矢理登校させたorz
母親ではなく他の子の母である他人の私には甘えることも出来ないし渋々でも従ってくれるかな…と期待しての事だけど、この少し手荒な対応が功を奏したようで、打開策になりそうな対処方法が見つかると言う事態に!

ランドセルを私に掴まれているので逃げることも止まることも出来ない一年生。小さい声で何か言う。
「……が……い」
ん?声が小さくて聞こえなかった。もう一回言って!
「……がほしい」
ん?何が欲しいの?
「…いしがほしい」
…⁉︎いしがほしい…?石が欲しい⁉︎
そっか!さっきも石を探してたんだね!
ここには石がないから学校行ってから探そう!
と言いながら止まりそうな足取りの一年生を歩かせた。

班長さんがそのやりとりを聞いていたらしく、笑いながら「石探してたん?学校にいっぱいあるから学校で探そう!」と声をかけてくれた。
赤信号で班が途切れてしまい待っている間に班長さんが付き合ってくれて石探しをしている一年生。
青になり合流すると嬉しそうに石を持っていた。笑
そこからはぐずることなく登校できて一安心。

その子の母に「石が欲しい」って言ってたけど…?と聞いてみると、石集めが大好きで毎日一個持ち帰ってくると言うことを聞き、それだー!石探そうって誘えば絶対一緒に行く様になるよ!と打開策を発見して歓喜する母たち。
対処方法を子どもたちとも共有し「困ったら石探そうって言いなよ!」とそれぞれの家で言い聞かせられた子どもたちは今週なんだかんだで全員一緒に登校できた。笑

ずっと困り顔だった班長さんも「石探そうって言うから大丈夫!」と笑ってた。もう大丈夫そうだ。来週からは子どもたちだけで何とかしてもらおう。
って事でその一年生が心配でなかなか見守りの区切りがつけられなかった母たちはここでお役御免。


子どもの行動には理由があるけど、それが何なのか分からず長い事気を揉んでいたけど、石を探すと言う何でもないことが打開策だったとは思いも寄らなかった。笑

この2ヶ月、その一年生が心配でちょっと過保護かもってぐらい見守りを続けてきたけれど、つい最近まで親にべったりの園児だったのに、生活リズムがガラッと変わって慣れるのに必死で混乱してるだろう園児に産毛が生えた4月5月の1年生に対して一気に小学生らしくなれ!と言うのは無理な話で…。

そこで躓いてしまうと結構大変になるのは分かってたからフォローしようと思ったけど頑固レベルMAXの児童に対しては私もまだまだ修行が足りなかった…orz

小児科の看護師時代、嫌がっても採血検査しなきゃいけないから、何度説明しても拒否する子を「体の中にばい菌がいないか見るのにあなたの血が少し必要だから採血させてね」と無理矢理寝かせて身体固定して、半ば強引に採血していた。
その経験が少し役に立ったようだ。

説明しても説得してもどうしようもない時は少し手荒な強硬手段を取ることも必要だと考えている。
それが正解かはわからないけど、ビシッと言ったり行動する人がいても良いのではないかと思う。
もちろん必要だと思う時にしか手は出さないけど、〇〇の母ちゃんが来ると無理矢理連れて行かれるーって思われてもいい。それで子どもたちがスムーズに事を運べるなら。笑

今回は「石を探したい」と言う希望は登校時間の関係で叶えてあげられないから、学校へ行ってから探そう!と対処ができた。
不服そうだったけど途中でできた思いがけない数分の待ち時間で「石を探す」と言う目的が達成できた一年生は満足そうに登校して行ったし、その様子を班のみんなが見てた。
これまでどうして良いかわからず困惑気味だった班のみんなが次の日から「石探すから大丈夫!」と口を揃えて言い出したのが面白かったし、来週からは困ったらみんなでその子が気に入るような石を探しながら登校するんだろう。
その姿を想像するとなんだかおかしいけど、そうやって人を思いやりながら少しずつ成長していって欲しい。

この4月5月。本当にいろんなことがあったし、心配ばかりしてたけど、全員で登校させる!と言う目標に向かって母たちが一致団結していたし、違う方向を向いている人がいなかったのが幸いだったと思う。
このまま何の問題もなく今年度が終わりますよう。

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