父が脳出血して入院したらしいので呟いとく日記
父は9月13日に検査入院して、心臓にカテーテルを入れる予定だった。
なんせ、心筋梗塞が5か所だったか6か所だったか。一応命は取り留めたけどまあ危ない状態だったのは間違い無いわけで。その経過観察ということらしかった。
検査とはいえ、心臓までカテーテルを通すわけだから、下手すると死ぬらしい。本人もやだなあと言っていたから、私もそこそこ嫌だった。今生の別れになるかもしれないなあ、と近頃父がいなくなる度に思うようになり、9月9日、入院のために家を出る父を見送った。
私の実家は山の中に有って、大変不便な場所だ。救急車を呼んでも最寄りの病院まで45分かかるような所だ。入院するはずの病院は車で2時間ほどの所にあり、手続きやら準備やらも有るので、父は麓の街にある別宅で、お嫁さんと共に過ごしていた。
9月10日。何の変哲も無い1日を終えて、私は22時にベッドに潜っていた。眠りにつくまでの間、ゴソゴソしていると急にスマホに着信が入った。お父さんの嫁さんからだ(なんとも複雑な呼び名だ)
16時頃、父は急に左半身の麻痺を感じたらしい。救急車を呼ぶでもなく、入院する予定だった病院に連絡を入れているのだから、もしかしたらそこまで深刻なことにはなっていないのかもしれないし、そうではないのかもしれない。なんにせよ、父は病院に受け入れてもらえることができた。
検査の結果は右視床に少量の出血が有るとのことだった。命に関わるような量ではなく、手術は行わない。血圧が高いので高圧剤と、血液をサラサラにする薬を中止することになったらしい。
この血液をサラサラにする薬は、前にも父を殺しにかかった。5mの崖から落ちた時である。
父は崖を滑り降りた勢いで、最後に幅1m深さ1.5mほどの側溝というかなんというか、簡単に言ってしまえばドブに落ちてしまった。これで頭を切って、背骨3本と首2本が圧迫骨折しただけなのだから、運はいいのかもしれない。問題は、頭を切った時に動脈が傷ついたことだった。
後にわかったことだが、1時間で500mlぐらいの出血だったらしい。たまたま祖母が落下するのを見ていたし、父に意識が有ったからすぐ救急車を呼べたものの、もし誰にも気付かれなければ数時間で死んでいたことだろう。おまけに血液をサラサラにする薬を飲んでいるものだから、この動脈は結局1ヶ月近く完全に塞がることは無かった。
その薬を飲んでいるのはなぜか? 心筋梗塞だからだ。
薬を止めなければ血が止まらない。薬をやめると心臓の血管がやられるかもしれない。どっちみち詰み。
また、その状況だ。
後遺症が残るかもしれない、と医者に説明されたと聞いて、ググったら涙が止まらなくなってひとしきり泣いた。というか今も油断していると泣きそうだ。脳みそは自分を守るためかボンヤリすることを決め込んだらしい。こんな日は古戦場がよくはかどる。
念の為にICUに入っているから連絡も取れない。コロナが有るからどの道お見舞いにも行けない。入院は最短でも2週間、その間無理はさせられないから、心臓の検査は中止だそうだ。
ああ、なんというか、ものすごい、不安。
そういうただの愚痴になってしまうけれど、こればっかりはセンセーショナルな記事になんてなってほしくない。何事も無く帰って来て欲しい。そう願うばかりだ。
なお、このご時世にその段階で緊急入院できたこと自体は幸運で最前手だったそうだ。いつもそう。事故も病気もするけれど、基本的には幸運らしい。いつも通り、全ての幸運を引いて帰って来て欲しい。
月末に釣りに行く約束なんかしたからかもしれない。未来の約束なんてしないに限る。
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