ありがとう、ヒープリ。はじめてのプリキュアがヒープリでよかった!


プリキュア最終回を明日に控えた土曜日。
公園から帰ってきた夕暮れに、懐かしの第1話と好きな回、終盤の数本を見返しました。

私と娘のプリキュアデビューとなった「ヒーリングっど♥プリキュア」。

2020年のプリキュアが、ヒープリでよかった。
はじめてのプリキュアが、ヒープリでよかった!


はじめてのプリキュア

来週から始まる新シリーズのテレビCMやビジュアルを見かける機会も増え、ヒープリの3人が早くも少しずつ過去の3人になりつつあります。

正直、プリキュア育ちではない私にとってプリキュアは、キラキラど派手な色使い、ハートや星に…とやり過ぎなほど盛られたブリブリぶりっ子デザインのイメージ。

娘に、いかにもなアニメ人物キャラの描かれた服を着せるのも、ゴッテゴテな持ち物はちょっと…と、できれば敬遠したいと思っていました。

なんだけど。

プリキュア、とってもよかった!ヒープリ、終わらないで!
短縮になっちゃったストーリー、放送して欲しいよ!!

一作前の「スター トゥインクルプリキュア」の終盤から娘が興味を持ち出し、初めて映画を観に行ったときに、うすうす感じてはいたんです。

あれ…プリキュアって、もしかして最高の女児向けアニメかも…

映画の中で、いっつもテンション高めの主人公が、かすれ声で「キラやば…っ」てつぶやいたラストシーンで、私は不覚にも泣いていました。

そして新しいプリキュアが始まるというので録画予約を繰り返しで設定して、晴れてプリキュアデビューとなったのです。

やさしいだけじゃない、かわいいだけじゃない

人物の作画もアニマルたちのキャラクター設定も音楽も。それまで私が抱いていたプリキュアの元気ハツラツな主人公のイメージを覆したヒープリの主人公のどか。のどかも、のどかが出会う人たち全員の気持ちも。

どこをとっても、やさしい世界。やさしい世界の中で編まれていく物語。

ヒーリングアニマルの個性豊かなキャラクターも、ただのマスコット的存在なんかじゃなかった。時に大人の方がハッとさせられてしまうようなセリフをさらりと喋り、心の機微を絶妙に表現するアクション。3人3様の、日々揺れ動く心境を浮かび上がらせるキーパーソンだったアニマルたち。

そのあまりの真正面からの直球勝負に、大人の方がグザグザ刺さってたんじゃないでしょうか。

真面目で正義感あふれる責任感いっぱいのラビリンも、繊細で臆病で、でも勇敢なペギタン。でも私はやっぱり、ひなたとニャトランが大好きでした。

ニャトランが理想の恋人すぎる

ひなたとニャトランがパートナーになった第4話。ニャトランが「心の肉球にキュンときたぜ」と太陽の光がいっぱいに差し込む倉庫のシーン、あれって究極の心象風景だと思ってます。

第40話。全話を通して最も窮地に陥ったシーンで「取り返しのつかないことをしちゃった」「何やったって、あたしは失敗する。何もしなきゃよかった」と自分を責めるひなたに、いつものテンションでひょこっと顔を出したと思ったら。

「おいおい。何泣いてるんだよ」「お前に振り回されるの、俺は好きだぜ」「お前、失敗ばっか覚えてるからへこむんだよ」「最初に心の肉球がキュンときたときより、今の方が大好きだぜ」
(『ヒーリングっど♥プリキュア』第40話「ひなたの後悔… 誕生!キンググアイワル」より)

なにこれ。イケメンすぎて、やばい。ニャトランと出会いたい。ニャトランみたいなパートナーが欲しい、欲しすぎる!

ヒープリは、パートナーとの絆や相性がそれぞれに描かれているのも素敵でした。

のどかとラビリンのコンビ。

ラビリン、体が丈夫じゃないのどかをパートナーにしたこと、やっぱりずっとずっと気に掛かけていたんだね。でもラビリンのおかげで、のどかは随分と逞しくなったんだよ。

ちゆとペギタン。

繊細で臆病で、でも誰よりやさしいペギタンに寄り添って「もし、勇気が足りないなら、わたしのを分けてあげる」と言ったちゆだけど、友だちや家族には見せない、ちゆの葛藤を癒していたのはペギタンでした。

自分にとってはベストな相手が、他の人にとっても最高の相手になるとは限らないということがナチュラルに描かれていて、先週のお別れシーンもあたたかかった…!

プリキュアを見て、パートナーっていいなって感じるなんて思わなかった。


2020年を癒し続けたヒープリの世界

「生きてる~って感じ」

長い入院生活を終えて、家族で緑あふれるすこやか市に引っ越してくるシーンで始まった第一話。

開始数分後には芝生の上で大の字になって、流れる雲を見上げてそんなことを言う主人公に、幼児向けアニメらしからぬ随分と渋いスタートだなと思いました。

でも、ヒープリはこの温度感を、やわらかく形にしながら最後までずっと守ってくれた。

2020年という未曽有の一年の中で、澄んだ青空、きらきらに輝く海、風にそよぐ新緑…という、当たり前にそこにある風景がきれいに描写されていて、アニメの世界はオアシスのようでした。

「地球をお手当て」というコピーのためか、自然風景や景色に丁寧さを感じていました。


ヒーリングっど! 愛で癒やしたい キミとヒーリングっど プリキュア
(中略)
感じる、でしょ!? わたし達の今日に 生命(いのち)があふれてる
(オープニング主題歌「ヒーリングっど♥プリキュア Touch!!」より)

オープニングソングが流れるたびに、一週間が前向きにリセットされていった日曜日の朝。

…明日、終わってしまうのねヒープリ。でもなんだかヒープリらしい、楽しくて穏やかな最終回になりそうで、楽しみ!


ヒープリは終わってしまうけれど、一年後もまた同じようなことを言っているのかな。娘が夢中になっていてくれるのは、きっとあと数年。その間は、私も一緒にプリキュアの思い出を重ねていきたいと思います。


2021.2.20 土曜日



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