奨学金がローンで、返済が延滞するとブラックリストにぶち込まれて信用情報に傷がついてしまうリスクについて、国の制度でどうにかならないのかなと思うところがあります。
実際、ほとんどの人が返済をしているとはいえ、卒業後から多額のローンを一括返済できる人は少ないと思われるので、数年から数十年に渡ってローンを返済していくことになるというのは、人生のレールから転落した際への不安材料になっているのではないでしょうか。
大学とうへの進学は今の世の中では必須であり、親が学費を工面できなければ、奨学金制度を活用して高等教育課程へ進んでいく人が多い現実があります。
2022年4月1日から18歳が成年年齢となり、一人の大人として奨学金を自身の意思で活用しているのだから、ローンを返済していくのは当然の責務であるといえばそれまでですが、18歳という年齢でローンへのリスクを認識できるのかどうか疑問を感じます。
一定の年齢までは奨学金返済の延滞によって、信用情報へ傷がつかないような制度設計にすることで、社会へ出てからのリスクを軽減できるのではないでしょうか。
卒業後に出世払いとして現行制度と同じく、一定の収入以下であれば月額2000円の返済にするというのは、制度を理解していれば問題がないように思いますが、制度を理解していないからこそ延滞が起きるので金額の問題ではありません。
10代~20代を謳歌する若者が、怪しげな勧誘にひっかかって残念なことになってしまうように、自信が背負っている借金がどういったリスクを内包しているか認識しないまま社会へ出るケースがあります。
住民税や健康保険料などの税金や、電気代や水道代といった公共料金に係わる延滞は信用情報に傷がつかないように、奨学金に関しても一定の年齢までは傷がつかないようにしたほうがよいでのはないでしょうか。
2009年3月までは、JASSO(日本学生支援機構)が信用情報機関に加盟していなかったため、延滞があっても信用情報に傷がつくことはありませんでした。
文部下科学省の検討会議でも手続き上の延滞可能性について言及があり、原資を確保するための制度的課題がある部分は理解できますが、奨学金制度を見直すのに合わせてこの辺りも検討してほしく感じます。
参考資料
日本信用情報機構(JICC)指定信用情報機関
https://www.jicc.co.jp