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原作者の内心と実写化の難しさを調整する重要性と、日本ドラマの質が低い問題について

 原作者さんがブログでテレビドラマ化までの経緯を自身の思いを交えつつ詳細に綴っていたのと、ドラマ化を担当した脚本家さんのSNS発信が合わさり、ネットで炎上していましたが、このような形になってしまい残念でなりません。

 漫画家にとってテレビドラマなどの実写化は原作改編のリスクをとってでもやり遂げたい夢の一つということなのか、実写化を断りきれない契約上の理由か、のっぴきならぬ事情があるんでしょうか?

 テレビドラマを見ていない私としては、そこまでしてドラマ化されることがお金以外の理由に何があるのかが分からないんですよね。

 私は、創作物は世に出した瞬間からある側面では自分の物ではなくなり、それを見る人々の物になると考えているのですが、自分の作品として強いこだわりがあるタイプの人だと改編されることは自分の子供が切り刻まれる思いになるのかもしれません。

 このタイプですと、どのような事情があったとしても内心では割り切れず、心身への負担は容易に想像できるのではないでしょうか。

 原作改編対応で心労がピークに達した後に、関係者が強めの言葉をSNSで自分に向けて発信しているのを見ると同時にネットで炎上し、罵詈雑言飛び交うなかで関係者から何かしら直接ネットでの発言について指摘されれば、一時的な心神喪失状態に陥っていたとしてもおかしくないように感じます。

 原作漫画家の自殺という最悪の出来事が起きてしまった一連の出来事を慣習に適応出来なかった稀有な例として例外扱いせず、テレビドラマ全体の質向上によって、たとえ原作改編があったとしても原作者が納得できる物作りをしていくという方向へエネルギーが向かって欲しく思っています。

 日本のテレビドラマや映画が当たるのは極めて例外的かつ稀有な存在になってしまい、日常的に提供されるのは娯楽コンテンツとしてB級かC級のクオリティで長年停滞していることを直視する時期がきているのではないでしょうか。

 ゴジラ-1.0が世界で通用などと言われてますが、ハリウッドやディズニーがポリコレ汚染でゴミを量産している時期なので、相対的に評価されているだけです。

 ゴジラという怪獣が海外で人気があるという二つの要素で評価されていますが、今の時期に海外で人気の日本キャラ使ってポリコレに媚びない金かけた作品作れば注目が集まるのは間違いありませんので、この路線で行くのはありだと思います。

 韓国というだけで拒絶反応を示す人が一定数おり、あまりSNS老人界隈では話題に上がらないですが、韓国ドラマは普通に面白いんですよ。

 演技の質も日本に比べると格段に高く、シナリオ構成もシーズン1や一作目なら当たりがそこそこあります。

 元々日本の路線に近かった韓国ドラマが、アメリカに路線変更しつつありクオリティを重視しているのは大変素晴らしく学ぶべきことが多いように感じます。

 酷な話ですが、日本ドラマはアイドルと芸人を起用し続けてきた結果、「話題として内容を把握しておきたい」、「出演者をただ見たいだけ」という視聴者層を育ててしまい、今では演技やシナリオなんてドラマを日常的に見てる層にとっては優先度がかなり低く、破綻してなければええやろくらいなんじゃないかなと思ってます。

 結果として、ユーチューバーなどというテレビの劣化版が人気を得ることになったのですが、自然の流れと言わざるおえないでしょう。

 10年以上前ですが、周りの友人知人でドラマを見てる人たちは倍速で内容を把握するためだけのために見ていたり、内容とかどうでも良く出演者を見ているなど、ドラマそのものはどうでも良さそうな人ばかりでした。

 こういった視聴者に併合したドラマ制作を続けているうちは原作悪編とも言える出来事は今後も続く気がしています。

 ここ数年、漫画アニメの映画化で謎に原作に寄せ過ぎてクオリティの高いコスプレ集団が真面目な顔して何かしている映像作品が量産され、後世に語られることなく出ては消えを繰り返していますが、映画に関しては海外だからといって成功するわけでもなくむしろゴミになる事例の方が目立つため、いかにハードルが高いかが分かります。

 漫画の実写化は国内外問わず相応の劣化を視野に承諾しなければ、今回のような原作者の思いとは異なる作品へと改編されてしまう慣習については、原作者には広く共有されていく必要があるんじゃないかと思うところです。

 また、日本では特に感じる部分で目や表情で演技できる人が本当に少ないのでなんとかしないと有能な俳優さんや女優さんが出てきてもすぐに海外へ流出していくケースが今後増えて行くと思います。

 日本の役者全体の演技クオリティを向上させるには相応の時間が必要になると考えられるので、まずは入り口として筋肉を重要視する方針へシフトするのがよいんじゃないでしょうか。

 細い体が悪いとは言いませんが、役柄上筋肉が隆起したマッチョが適役なケースで、やせ型や細マッチョ()のアイドルや役者が起用されるあたり、単に人材がいないのか、役者の体系に関する原作との整合性すらどうでもいいと考えているのか、どこかからプッシュがありそちらを優先しているのかは分かりませんが、マッチョ系が少ないのは確かです。

 ドラマでも映画でも、マッチョには需要があります。マッチョがいないだけで大損失です。ジャニーズが下火になっている今、筋肉に投資し筋肉でとりあえずゴリ押せばとりあえず面白くなるという王道パターンを日本でも実践していくタイミングです。

 改めてになりますが、原作をそのまま映像化しても面白くなるとは限らず、安直に原作通り映像化すると残念な仕上がりになってしまいます。実写化はそれほどまでに難しい事柄なだけに、原作者へ事前にこういった難しさを伝えて納得してもらうことを大切にし、納得していただけないようなら話を白紙に戻すまでした方が良いように思います。

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芦原妃名子 ブログ
漫画家*芦原妃名子のお仕事日記
ドラマ『セクシー田中さん』について 2024.01.26 Friday 14:31



AIが生成した「思いを込めて作った漫画が実写化で別作品になりそうなのを食い止める為に、ストレスを抱えながら関係者と交渉を続けるも、心身が弱っていく女性原作者」


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