見出し画像

今日の朗読

私は生まれて初めて、毎日1日の終わりには大切な人に詩を朗読している。

その日の気分で選んでいる。

谷川俊太郎さんの詩を詠むこともあれば、谷川さん他さまざまな詩人の詩を朗読する事もある。

お気に入りは工藤直子さんの「のはらうた」だ。

この詩集は描かれている主人公が、動物か虫なんだろうな、そんな風に思わせるような描き方をしていて、ほのぼのとしていてかわいい。

かまきりが主人公なんだろうなという詩は

「かまをふりかざす」

と言うし

犬が主人公なんだろうなという詩は

「しっぽによびかける」

と言う。

短くてシンプルな表現なんだけど、動物たちのかわいらしい姿が目に浮かぶくらい、自然体で気取ってなくて、小難しいことも書いてなくて大好きな詩集だ。

今日は安倍元首相の突然の訃報を耳にしたので、なんとも言えない気分になった。そして、半日くらい、すごく命について考えさせられた日で、もどかしい気持ちで過ごした。

それで、わたしは「のはらうた」から「いのち」という詩を朗読した。

この詩の素敵だなあと思うところは心臓の事を

「わたしのしんぞうはたくさんこことりたちである」

として、そして

「ふところにだいてとてもあたたかいのである」

と言っているところだ。

あたたかいのだ、私たちのふところは。
ことりのようにふわふわと、

休むことなく動いている心臓があたたかい。

永遠に生きることは出来ないけど、何人たりとも心臓はあたたかい。

だけどこれは当たり前ではないことを思い、毎日1日を終えたことを感謝しなければない。

そう思った。

(MacBook)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?