大切な場所が無くなる。 それに対して自分にできることがあるか。
毎週水曜日のフリーコーヒーについて(あるいは、場を作る実験について)
鹿児島市名山町のバカンスというところで、毎週水曜日の11:00~13:00に「たにかつフリーコーヒー」というイベントをやっています。無料のイベントが多すぎないか、自分。
バカンスという場所について
https://sotokoto-online.jp/1032
バカンスという場所は、鹿児島市役所近くの名山町という古い街並みの中にある。道路が狭くて「再建築不可」なので、昭和20年代の建物を改修しながらだましだまし使っている。そんな街並みの中、使われていない建物を借りて、改修(リノベーション)し、新しい人たちが使うという実験が(今も)行われている。現在は3年目に入り、10人ほどの共同オーナー(借主)により運営されている。
そんなバカンスで、毎週水曜日の昼だけオープンしているカフェがあった。
「フリーコーヒー」というその実験は、バカンスの共同オーナーであったM氏によって始められていた。バカンスの近くで勤めるM氏が、お昼休みにお弁当を買って食べる。その時にコーヒーを淹れる。1人分を淹れるのも、3人分を淹れるのも手間は変わらないので、通りがかった人にコーヒーを振舞おうというものだ。振舞いなのでコーヒーは無料。知っている人しか来ないので、参加するのは毎回3~5人くらい。
最初は私も通りかかる人の1人として、
参加していた。毎週水曜日は、バカンス近くのかごしま市民福祉プラザで14:00から講座をしており、お昼時に誰かと話をしながらコーヒーをいただくのが常となった。
そんなおり、2019年の12月をもって、M氏がフリーコーヒーをやめるという話を聴いた。これからは、自分が住む町でこういうことをしたい、住む町に貢献したい、そのための決断だった。前向きな決断に、私が異を挟むことはできない。水曜日のフリーコーヒーを楽しみにしていた1人としてとても残念なことではあるけれども。
大切な場所が無くなる。
それに対して自分にできることがあるか。
考えた時には決めていた。私が跡を継いでやろうと。
2020年1月からのバカンス共同オーナーになることを了承していただき、M氏からはコーヒーの淹れ方を習い、コーヒーミルやドリッパーを購入。なんと、決めるまでドリッパーでコーヒーを淹れたことが無かったのだ。
これまでとは違う人も来てくれるようになった。
自分がイベント主催者となって、これまでバカンスのことを知らなかった人や、名山町に来たことが無かった人も来てくれるようになった。もちろん、そんなに多いわけではない。3人くらいのこともある(というか、それぐらいのことが多い)。それでも、まちのことを考えたり、そうでもなかったりする人が、コーヒーを介して、バカンスを介してつながる、その光景を見ることができて、やっていてよかったなあと思っている。
いつまでできるかはわからない。
フリーコーヒーなので、一切の費用を来る方からはいただいていない。毎月の費用は5000円くらいかかる。時間は、どうせその時間はそこにいるので構わない。「小さく始め」ているから、それはそんなに負担ではない。とはいえ、最近とみに忙しくなってきているので、いつまでできるかはわからない。だけど、場を求める人がいて、そして、自分でもやってみたいという人が現れれば、誰かに継いでもらいたいと思っている。その時が来るまで、私は毎週コーヒーを誰かのために淹れるんだと思う。
「たにかつフリーコーヒー」
鹿児島市名山町バカンス
毎週水曜日11:00~13:00
無料でコーヒーが飲めます
https://www.facebook.com/events/905379266610870/
バカンスでは水曜日のフリーコーヒー以外にも、金曜日の「朝カフェ」や、水曜日の朝の「お茶と新聞」、不定期のイベントなども行っています。
https://hbol.jp/206150/2
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