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4年間お世話になった車さんへの弔辞。

車を買い替えることにした。


今年に入ってから、ちょっとしたことでバッテリーが上がってしまったり、オイルを換えずに長く走っていたものだから、時々異音がしたり、黄色いランプが点きっぱなしだったりして(点検はしてもらいました。排気に異変があるとのこと。通常走行は問題ないが、燃費は悪くなっている、とのこと。)、7月6日が車検の期限だったのですが、車検を通すのには20万円くらいはかかってしまうだろうということで買い替えを決意した。

もともとは4年前。

4月14日、16日に熊本を中心とした大きな地震が起こり、鹿児島の、私たちのNPOでもなにかできないかということで、被害も避難者も多かった益城町に行った。最初に行ったときはレンタカーだった。

避難所を運営する方々とお話をする中で、徐々に人々の意識が、通常の日常の生活を取り戻していく中で、被害にあったり、苦しい思いをした子どもさんたちのお話を聴いたり、一緒に勉強をしたりすることが、私たちにできることなのではないかと思い、レンタカーや電車では時間的に厳しいこともあり、車を買うことにした。

「一番安い車をください」

私はそれまで、自分で車を買ったことがなかった。だから、今でも車のことはよくわかっていないのですが、その時もさっぱりわからない私は、とりあえず、中古車屋さんが何軒か集まっているところに行って、そう言った。

「予算は?」と聞かれたのに、「えーっと、どのくらいが安いもんなんですか」と聞き返す始末。

「それならこのお店ならなんとかなるかもよ」ということで教えていただいたのがチャレンジオートさん。

この総合中古車展示場はMBCグラウンドという、地元のテレビ会社が持っている土地で、毎年7月には「MBC夏祭り」があるので車を移動せねばならず、在庫を持っているよりも売ってしまった方がいいという事情もあったらしい。

ダイハツのMAX。
その中途半端な立ち位置と価格設定により不人気で、わずか1代限りのモデルとなってしまった「かわいそうないきもの」。さらに、中古車市場では不人気のピンク。

2年先まで車検があるにもかかわらず「これだったら、全部コミコミで20万でいいよ」ということで、即決。

それからの4年間は本当に一緒にいろんなところに行った。

熊本へは、2016年は月に2回行き、高速を走り、熊本ラーメンを食べた。鹿児島県内をあちこち行き、いろんな人を乗せた。乗せた人とけんかをして微妙な車内を過ごしたり、「これから死にます」と言う人を迎えに行ったり。

新しい車(中古だけど)は、知り合いに紹介していただいた車屋さんから購入した。今回もやっぱりコミコミで25万円。

受け渡しをするときに「これまでの車なんですが、なんとか残したいと思ったんだけど、廃車にさせていただきます」と言ってくださって、「ああ、この人は(自分が乗っていた車でもないのに)本当に車が好きな人なんだなあ」と思った。

こちらの都合で勝手に処分することになって(乗ろうと思えばまだ乗ることはできるのに)、車として生まれた命を、絶ってしまうことになるのだけれど、最後にこの人に処分していただけるのであれば、少しは良かったのかもしれないなあと、これも人間が勝手に思うことなんだけど、思った。

これまで、本当にありがとう。

そして、あたらしいタントさん、これから、よろしくお願いします。

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