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非行に走る走らないの境目は?

育児をしていると、自分の育児は合っているのだろうか?と思うときは無いだろうか?育児に正解はないとよく聞くが、もし間違っていて非行に走り、逮捕などされてしまってから気づくのでは遅いときがある。

そのために、放送大学「現代の家庭教育」の第14章「親子関係と子供の問題行動」から印象に残った参考になることを紹介したい。

ハーシー(Hirschi,T)は、「なぜ非行に走らないのか」「なぜ暴力を振るわないのか」という、非行を行わない逆説を立てて調査研究をした。

そして、5歳までに両親と生活した子と、ひとり親、もしくは両親と離れて暮らした子供の非行率に差は見られず、「親とともに過ごす時間は非行防止という点からすると、取るに足らない要因に過ぎない」と結論づけた。

では、他にどのような点が抑止力になっているのか?それは

「子供が親からどのように思われているかを考慮にいれること」

「さらに親に対して愛情や尊敬の念、あるいは親密な絆を感じていること」

が重要であるのだ。子供が親に対して「自分を愛してくれている」と感じているか、また、「親のようになりたい」など愛情を伴う同一化を期待するか。ということだった。

ここで、さらにあげられているのが「承認」である。

法務総合研究所(2006)の調査では非行少年の不満についても調べていて、家族への不満としては「親が自分を理解してくれない」(43.8%)が最も多く友人に対する不満は「お互いに心を打ち明けあうことができない」(52.5%)となった。

人間は自己に対する他者の評価を取り込んで社会化されるのであって、特に個人にとって重要な人物の「親」や「友人」に承認されることは大切な事なのである。こどもにとって親は社会化エージェントといえるのである。

重要な他者から承認を得られないということは、子供にとって不安定な状況に置かれることになる。

ここまでで、学んだことは、親の承認は子供の人生を大きく変化させるのだ。逆を言えば、子供の承認欲求を上手く扱えれば、育児も少し楽になるということである。しかし、そこに至るまでの、親自身もまた承認欲求と上手く付き合う必要が生まれてくるのだ。

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