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岡山県西粟倉村視察研修
2024年2月29日~3月2日の3日間にかけて、ローカルベンチャー発祥の地と言われている岡山県西粟倉村に視察に行ってきました。
視察には丹後リビングラボ事務局の他、行政、農業、サウナ事業者、移住相談員、地域おこし協力隊など他業種の方々に参加していただきました。
西粟倉村とは?
岡山県の北東部、中国山脈の谷あいにある人口約1400人の村。
村の面積の93%が山林であるこの地の人口の約15%は移住者です。
そして、これまでに50社を超えるスタートアップが誕生しており、“ローカルベンチャー”の発祥の地として注目されています。
官民協働のモデルケースとしても例に挙げられることが多い村です。
【参考:西粟倉村HP】
https://www.vill.nishiawakura.okayama.jp/
WHY 西粟倉村?
今回の視察は、現在丹後リビングラボにも関わっていただいているEdieee LLCの森本さんを中心に企画をさせていただきました。
もともと森本さんが西粟倉村との繋がりがあったということがきっかけとなり、その上で今地域やコミュニティ、地域事業者の中で直面している課題において、西粟倉村でそれらの解決の糸口になりそうな動きが沢山生まれているという点と、丹後リビングラボの事業にとっても参考になる部分が多いのではという点から視察先として提案をしていただきました。
この視察には参加者の皆さん、また丹後リビングラボ事務局の私たちにとって、地方における新規創業や新規事業の立ち上げのポイント、様々な障壁の超え方や官民や地域を超えた協働について体感し、自らの取り組み(事業)に活かすことが出来ればという願いが込められています。
★視察のポイント
地方における新規創業や新規事業の立ち上げ・推進の背景(ローカルベンチャー)
行政を巻き込んだプロジェクトの推進(官民協働のプロジェクト創出)
これからのリビングラボ・コミュニティの在り方・都市部との共創(ワーケーション、サテライトオフィス、企業研修、事業企画など)
1日目「ローカルベンチャー×役場の関わりを知る」
ランチ @BASE101%
西粟倉視察スタートはBASE101%で、地元のジビエを使ったローストビーフ丼ランチから。
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視察①西粟倉村役場 ~村の全体感を掴む~
BASE101%でランチをいただいた後は、西粟倉村役場商工振興課の萩原さんより、村をあげた官民連携で取り組む「百年の森林構想」についてお話をお伺いしました。
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「悪い木を優先的に伐採し良い木を残すことで、長期視点で良い山を育てる」という考え方のもと実施される百年の森林構想。
自治体が森林の整備を行い、民間がそれらを使って地域経済をまわすという官民連携のロールモデルです。
また、個人的にも今回の視察で解明したい謎の1つ「人口1,360人の限界集落になぜ毎年ローカルベンチャーが生まれているのか」という問いについて、
地域おこし協力隊に対する考え方が大きく関係していると感じました。
西粟倉村では、地域おこし協力隊に対して誰でも採用をしているということではなく、新規事業や既存の事業においての事業拡大というミッションのもと応募をかけて採用の可否を判断されています。
採用の可否を決定する上でポイントとされているのが「熱量の大きさ」。その理由として、熱量がある人は上手く人を巻き込み事業を成功させていくケースが多いからだそうです。確かにこのメソッドには説得力があります。
こうして、外から人を呼び込む際に役場の職員がプロデューサー的な役割を果たしているのも西粟倉の特徴の1つだと感じました。
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西粟倉村としてのローカルベンチャーの考え方について、萩原さんのお話の中でも特に印象に残っているのが「ローカルベンチャーは課題解決のためのプレーヤー(穴を埋める要素)ではなく、新たな価値を創るプレーヤー(積み上げる)役割を担っている」という言葉です。
こうした考え方がベースにあるからこそ、イノベーティブでクリエイティブなローカルベンチャー達が集まる聖地的な場所になれるんだなと得しました。
視察②エーゼログループ レクチャー @森の学校
村役場の後は、再びBASE101%に戻り併設している木工所 西粟倉森の学校を(株)エーゼログループの西岡さんに案内していただきました。
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ここでは劣勢間伐材でもどれだけの付加価値を付けられるか考え、様々な商品開発を行っているそうです。
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西岡さんのお話の中で特に印象に残っているのが、「事業を創る上でやれるかやれないかではなく、やるべきかどうかを基準に考える」という言葉です。
その上で、森の学校は木材の流通を再構築するところから始まり、例えばメインマーケットに乗らない小さな間伐材はDIY市場に、どうしても商品にならなかった木材は養蜂の巣箱、ウナギの養殖現場や肥料としてイチゴの栽培に利用するなど、”森から最大限価値を取り出す”工夫をしています。
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視察②エーゼログループ 意見交換 @amoca
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西粟倉森の学校を見学させていただいた後は、引き続き西岡さんにお世話になり(株)エーゼログループの事業内容についてお話をお聞きしました。
(株)エーゼログループが担う民間と行政でもない、そのあいだの民間中間支援団体という役割。
例えば都市部のターゲットに対して上手くリーチ出来なかったり、良いものを作っているが魅せ方が下手くそな地域は多くある。
そこで地域が苦手とする「魅せ方」や「マーケティング」の部分において、民間中間支援団体が伴走支援する←行政はこの仕組みを維持するために国からの補助金など資金面でサポートをする。
このチームワークが上手く機能していることが西粟倉のような成功事例を作っているのかもしれないなとお話をお聞きして感じました。
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チェックイン&夕食 @あわくら温泉元湯
宿泊先はあわくら温泉元湯♨
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ここの温泉やレストランは宿泊者だけではなく地元の方にも開放しており、朝風呂に入りに来られた地域の方と出逢えたり、夜は地元のおっちゃん達が宿泊客に交じって宴会をしていたりと、外と中が交じり合うハブのような場所になっていると感じました。
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2日目「コミュニティの在り方を考える」
視察③ ~プレーヤーの話を聞いてみる~
2日目は旧影石小学校の視察からスタート!
旧影石小学校
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それから再びあわくら会館へ移動し、(株)エーゼログループに勤めながらあわくらマッスル倶楽部を運営されている清家さんと、コンテナを利活用した宿泊施設やシェアスペース、キャンプ場などを運営されている小松組の佐藤さんと対談をしました。
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清家さんと佐藤さんとが対談の中で言っていた「田舎=何もない」はネガティブではなく、「何もないからこそクリエイトしてクリエイティブな発想が生まれる」という考え方は京丹後でもローカルでビジネスをする上で非常に参考になると感じました。
何より、お2人の「自分の好きや、やりたいという気持ちを原動力に仕事をする。そうじゃないと結局長続きしない」「社会課題を解決する、人助けをするとい部分が先行しないようにしている」という言葉は個人的にもグッとくるものがあったし、だからお2人はご自身の事業についてお話をされている時とても楽しそうでいきいきしている。それが結局お客さんにも伝わってファンをつくることが出来るんだなと納得しました。
京丹後から参加した事業者も自身の事業や取り組みについてお2人に共有をし、五箇サウナを運営する足立さんと清家さんの間では「野良仕事や農業を筋トレ化出来ないか」という話から「野良サウナ」を今度一緒にしよう!という奇想天外な面白いアイデアも生まれていました(笑)
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ランチ @むLab
この日のランチはむLabさんで地域のお母さんたちお手製の郷土料理。
心が温まる味。とても美味しかったです!
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ディスカッション×むらまる研
ランチをお腹いっぱいいただいた後は、一般社団法人西粟倉むらまるごと研究所の秋山さんから西粟倉村でのリビングラボの取組についてお聞きしました。
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むらまる研の事業内容は、丹後リビングラボの活動に直結するような内容が沢山含まれていました。
地域事業者とのつながりをどう作るかという問いに対して、
やはり1人1人との対話の時間を大切にしているという秋山さん。
早速丹後リビングラボでも各事業者に対して丁寧にヒアリングを行っていくなどむらまる研さんの取組を参考に実践していきたいと思いました。
また都市部企業に対して行う企業研修も、「研修を研修で終わらせない」「研修後地域ニーズに対してさらに深めていただいた上で共同開発をする」仕組みなど、京丹後にそのまま持って帰って参考に出来そうなお話が沢山聞けました。
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一般社団法人西粟倉むらまるごと研究所 ↓
https://muramaru.tech/
懇親会 @元湯
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3日目「全体の振り返り→日常につなげる」
振り返りWS @むLab
この2日間、かなりアウトプット量も多く密度の濃い時間を過ごすことが出来ました。
最終日は、森本さんの進行のもと15分間参加者それぞれが2日間を振り返り内省する時間からスタートしました。
その後参加者全員から、西粟倉での事例を見た上での「それぞれの事業に置き換えられること」「地域に取り入れられること」「丹後リビングラボの事業として参考に出来ること」など様々な観点から発表していただきました。
(以下参加者コメント一部抜粋)
★埋める、修繕するのではなく新たに創る。積み上げる
★リビングラボの役割とは…チャレンジできる(安心してトライ&エラーが繰り返せる)環境や機会をつくること
★余白があるから自由に動ける、クリエイティブになれる
★マクロとミクロを行ったり来たりすることが重要
★目に見えない資源(願いや想い)を大切に
ランチ @ARU NO MORI
3日間にわたり、様々な事例をご紹介していただいたり見学させていただいた上で、丹後リビングラボの在り方とは?ということについて改めて考えさせられる機会が沢山ありました。
やはり地域事業者との密なコミュニケーションが面白い地域、活発な地域を創る上でのキーになっている。
そういった密なコミュニケーションを通じで地域事業者も、丹後リビングラボを通して安心して「トライ&エラーをやってみる」マインドセットになるのでは…
この研修を通じて得た気づきや学び、つながりを今後丹後リビングラボとして次に繋いでいけるようさらに躍進していきたいです!
今回この研修に参加していただいた京丹後の事業者の皆さま、研修の受け入れをしていただいた西粟倉村の皆さま、この研修をトータルコーディネートしていただいたEdieee LLCの森本さん、本当にありがとうございました✨
丹後リビングラボについて気になる方は下記HPをご覧ください↓
Writer:丹後リビングラボ 岸あやか
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