「どこでいいから就職したい」と言うと就職を遠ざける…就労移行支援のリアル(投げ銭・無料で読めます)
「どこでもいいから早く就職したい感じですねっ」
前職は福祉や就労支援の仕事ではなかったであろう女性支援員は、半ばヤケ気味にどこかに電話をしていた。おそらく上役だろう。久しぶりに面談に来た訓練生の報告をしているのだ。
もう2ヶ月前だ、訓練所で最後に彼女を見たのは。
訓練所では女性は珍しい。
どこでもいいから就職したいという彼女は、数日来て、また来なくなった。ピンクとベージュを混ぜたようなキラキラとしたアイシャドウをうっすら塗って、耳には控えめなピアスの穴が伺えた。
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