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精神疾患と一生のお付き合い 〜現在進行形でフツーに生きたい〜

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精神疾患と一生のお付き合いらしく現在進行形な体験記と、それに対処してフツーに生きたいとあがくオジサンの冴えない記録であーる。まあまあフツーのオジサン
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2021年1月の記事一覧

「どこでいいから就職したい」と言うと就職を遠ざける…就労移行支援のリアル(投げ銭・無料で読めます)

「どこでもいいから早く就職したい感じですねっ」 前職は福祉や就労支援の仕事ではなかったであろう女性支援員は、半ばヤケ気味にどこかに電話をしていた。おそらく上役だろう。久しぶりに面談に来た訓練生の報告をしているのだ。 もう2ヶ月前だ、訓練所で最後に彼女を見たのは。 訓練所では女性は珍しい。 どこでもいいから就職したいという彼女は、数日来て、また来なくなった。ピンクとベージュを混ぜたようなキラキラとしたアイシャドウをうっすら塗って、耳には控えめなピアスの穴が伺えた。 服装

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「すべて売り払いました」神から数多を奪われた就労移行支援のリアル(投げ銭・無料で読めます)

「10年前の脳腫瘍で、すべて売り払いました」 お世辞にも身だしなみがキレイとは言えない細身の中年男性は、内容とは正反対の穏やかさで支援員に片言で話していた。 彼はいつも突然、強い語気で発話する。 しかし、今は穏やかだ。 いつもの彼は訓練生というより日常生活のリハビリに近い風体とふらふらした動きである。そんな感じてはあるが、語気は強い。就労を目指すにはかなりの時間を要すのは明らだ。 「この手袋もバイクのです」 くたびれたライダー用グローブを指して見せた。 いつにも無い

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