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オープンレター資料として 4

呉座氏を告発したフェミニスト准教授は、以前、「男性皆殺し協会」についての授業を所属大学でおこない、そのことをネットの書き込みで明らかにしていました。ところが、今回のオープンレター騒動のさなかに、それらの書き込みが片端から消されるというおかしな事態が起きました。

「男性皆殺し協会」は1970年前後にアメリカの過激なフェミニスト、バレリー・ソラナスが書いた本からひろがったもので、男は不良品だからすべて廃棄して、社会から抹殺してしまえ、という考え方です。男権社会にたいしてのアンチテーゼとして書かれたもので、じっさいに政治運動としてやるというよりは一種の象徴的なクレド(宣言)だったと思うのですが、一部のフェミニストには支持されました。

またソラナス自身も、じぶんの書いた原稿(劇作)をたくしたアンディ・ウォーホールがそれを失くしたことをめぐるトラブルで、彼を銃で撃って殺そうとしました。撃たれたウォーホールは大きな手術をして一命をとりとめましたが、ソラナスは統合失調症と診断され医療刑務所に送られました。男は生物としては不良品だから殺してしまうのがいい、という思想?はたしかにまともではありません。

撃たれた手術痕をみせるウォーホール

この話をきいて私が奇妙に思ったのは、ソラナス(当時はまったく無名)は男であるウォーホール(すでにアーティストとして高名だった)に自作の演出を依頼した点でした。なんだ、じぶんが世に出るために有名な男に頼ってるじゃないかと。言行不一致もいいところです。

ところで、フェミニスト准教授はなぜこの書き込みを消してまわったのでしょうか。のこしていると今回の差別問題に不利にはたらくと考えたからではないかと思われます。呉座氏の女性差別を告発している人が、男性にたいしてつよいバイアス(差別意識)をもつ書き込みをしているのはどうよ、となるからです。ベクトルがちがうだけで、やっていることは同じです。
当然こういう反応がでてきます。ネットから消してまわったのは、これを防ぎたかったということでしょう。



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