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【立秋・処暑 2024】 夏の水やり -Letter from farm-

ひと昔前の梅雨といえば、シトシトと雨が降り、曇天が続いていたが、最近はすっかり様変わりした。雨が降ればどしゃ降り、晴れれば猛暑となり、極端に天気が入れ替わる。
 朝、青空を見上げ、暑くなりそうな気配を感じながら、今日もせっせと植物の世話だ。

 前号でも書いたが、元気に育つ『究極の水やり』は、品種ごとに水やりの仕方を変えているということだ。
 今、ハウスの中で育てている植物を例にあげると、レックスベゴニアは乾き気味が好きなので、水は控えめにする。シダも土の加湿に弱く、株元が蒸れる。ただ湿度を好むので、よく晴れた日には、サッと葉水をかける。

夏になり、乾くからといって、通り一遍にたっぷりあげていると、植物は調子を崩す。よく観察し、それぞれの植物に寄り添った水やりをする事を心がけている。


 とはいえ、最高気温が35 度を超えると植物も人間も生きていくのがやっとである。植物に寄り添う余裕も無くなるし、それこそ心を込めたお世話など出来なくなる。
 そんな時は、ハウスの中を掃除したり、育てている植物に手を入れ、枯れた葉を取り除いたり、混みすぎた枝を切ったりする。
 すると不思議だが、ハウス全体を吹き抜ける風が気持ちよくなり、植物の葉が揺れる姿や、瑞々しい葉を広げる姿に涼しさを感じる。そして、気持ちの余裕が生まれ、また新たな気持ちで植物の世話ができるのである。

秋田緑花農園
Shigeyoshi Akita