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【小暑・大暑 2024】 水やりの極意 -Letter from farm-

日中は夏の日差しを感じる日も出てきた。木々の緑は深みを増し、枝葉を広げ日差しを遮ってくれる。木陰に吹く風が涼しい。
気温が高くなると、大変なのが水やりだ。ハウスで生産している植物は、すべて鉢植えなので毎日水を与えなければ枯れてしまう。
6月になると生産量は減ってくるが、夏の植物が増え、当然ながらよく水も吸う。だから、この時期の水やりは気をつかうのだ。


さて、ここで鉢植えの植物を生産している者が目指す『究極の水やり』をご紹介しよう。
私たちは、植物に水をできるだけ与えない生産を目指している。つまり、植物に水を我慢させ、細胞組織が詰まった丈夫で健康な苗を作るのだ。植物は与えられた環境の中で生きていこうとする。水が少なければ、少ないなりにストレスを受けながら生長し、多ければどんどん水を吸い生長する。小さいうちにストレスを受けて育った植物は、生命力を増し、丈夫になる。一方、好きなだけ水を与えられて育った植物は、見た目は立派だが弱い。


例えば、エキナセアやランタナは水を与えれば、与えるだけ水を吸い、少しの乾きで萎れる。だが、通常の半分の水やりを繰り返すうちに乾きに堪えるようになり、丈夫な苗に育つ。
夏が近づくにつれ、萎れることに対する恐れから、一回の水の量が増えてしまう。
だから、いつも植物の性質を頭に浮かべ、土の状態、株の大きさ、水を吸う量を考えながら、最低限の水を与えるよう心がけているのだ。


秋田緑花農園
Shigeyoshi Akita