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夢と現実の座標

まだ子供だった頃、ふと「あれ?どうして私はここにいるんだろう…」という疑問を感じることがありました。

自分がここにいることにかすかな違和感を覚えます。
今自分が置かれている状況に現実味がなく、夢を見ているような感じです。
少しするとその違和感を感じなくなるのですが…。

小学校にあがった頃この違和感について友達と話したことがありました。
当時、私の友達もそのような感覚を持つことがあると言っており
友達も私も自分の手を見ながらそんなふうに感じるという共通点を持っていました。

どうして手を見るのかというと、自分の手なのに今初めて見るもののように感じるからです。
今初めて肉体を持ったみたいな感覚です。
「これが私か」
この感覚は今初めてそこに自分という存在が登場したみたいでもあります。

明晰夢を見る方法の一つに「夢の中で自分の手のひらを見てみる」というのがあります。
これはリアリティチェックと呼ばれるもので、夢を見ているかどうかを自覚する方法の一つだそうですが、
「手を見る」という動作が

一方は夢を見ていることを確認するために
もう一方は現実の世界で自分を見出すために

夢と現実の二つの世界を行き来する私たちにとって
今いる自分の座標点を知るための共通の挙動になっているのが
ちょっと面白いなと思います。

「これは夢なのか?」

この問いかけもまたリアリティチェックの一つです。
自分の中にこの疑問が生まれたとき私たちは虚な状態から目覚め、
自分とつながり解放されるのかもしれません。


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