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庭の贈り物1・・・ツワブキの煮物

  4月に入って気温が上がり、あれよあれよという間に庭の植物たちが成長しています。近所ではあちこちにツツジも満開。春爛漫で気分も上がります。そんな私は今、ツワブキと山椒の葉に「早く食べないと旬を過ぎちゃうよ~」とせかされているような気がします。

  春先にフキノトウが出てくるフキとは違い、庭に生えているのは葉っぱがツルツルしていて秋に黄色い花を咲かせるツワブキです。以前はこの茎も食べられるとは知りませんでした。触ってみても固い。観賞用のフキだろうと思い込んでいました。以前、私が作るフキの煮物は5月ごろから長い期間出回る柔らかいタイプのフキ(早春にフキノトウが出てくるフキ)でした。

我が家のツワブキは楓の木の下に生えています。



  しかし10年前に出会った野草と食養料理の若杉おばあちゃんから、ツワブキの料理方法を教えていただき、今まで食べたことがなかった自分に逆に驚きました。スーパーでは見かけませんが、農協の産直コーナーへ行くと春先には先端の若葉が柔らかい産毛に包まれたツワブキが並んでいます。産毛に包まれた茎を塩でゴリゴリこすり洗いすると皮はいともかんたんに剥け、それをゆでて水にさらしその後調理します。茎は肉厚でアクも少なく香りも優しい。5月に入ると茎が固くなってくるので期間限定の季節の味です。

  今は近くに農協産直販売所はない代わりに庭にツワブキがあります。しかし、販売している物に比べさわると固い。産毛に包まれているものは茎が細すぎる。いままで何回かトライしましたが、ゆでても固い。庭の土がやせているからかなあ?と今まで諦めていました。

  でもですよ。「もしかしたら、この太くて見るからに固そうなものを少し長めにゆでると食べられるかも」と葉っぱが開いて茎がしっかりしているものを塩でこすった後、長めに茹でてみました。庭のツワブキは塩もみしたくらいでは皮は取れませんので、包丁を使って慎重に皮をむきます。(茎が細いので手で皮をむくと身の部分も取れてしまうんです)
  
  そして20分ほど水にさらしたあと醤油3に水7の割合の醤油水に浸します(ひたひた漬かるくらいの少ない量でオッケー)。20分ほど漬けてあく抜きしたら、アクが溶け出した醤油水は捨てます。以上は野草の若杉おばあちゃんに教えていただいた基本のあく抜きです。

  あく抜きしたフキの茎を3センチくらいに切って油でいためアクを更に飛ばし、水を入れて柔らかくなるまで煮ます(柔らかくなったかは噛んでみてね)。途中で本みりんと醤油を加えて煮、厚揚げを細めにちぎったものを入れたのち味を調えます。

  優しい味のフキの煮物ができました。ご飯がすすみます。もちろん手間はかかりますよ。春の楽しみは手間も楽しみのうち。丁寧に少しずつ庭の恵みを頂きました。そろそろ茎が固くなってきました。また来年を待つことにしましょう。ツワブキは、秋にはこんな花で私たちを楽しませてくれます。一番喜ぶのは虫?かもしれませんね。

秋が深まってくると庭を明るく彩るツワブキの花


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