事前に知りたかった!妊娠力チェックのクリニック初診
もう、本当に自分で自分をほめてあげたい。好きな人はいないと思うけど、病院嫌いでなかなかハードルが高かったクリニック初診をDONE!した。
2024年1月8日、「プチ妊活初めてみようと思うんだけど、どう思う?」とパートナーに始めたら「良いじゃん、やってみよ」と2つ返事。まず何から始めたら良いのか分からず、不妊治療専門クリニックのLINE相談で「まず何からすべきですか?」と質問したら「まずは妊娠力のチェックです。初診を予約してください」とのことだった。男女ともに、妊娠ができる能力がどのくらいあるのか?いわゆるブライダルチェックのようなものであれば、不妊治療専門のクリニックではなく病院の産婦人科・泌尿器科でもできるようで、そのほうが安価なようだ。ただ、もし不妊治療を始める可能性があるのであれば一気通貫のほうが手間がはぶけるのでは?と思い、そのまま不妊治療専門クリニックの初診をえいやっと予約してみた。ネットで予約でき・問診表もWEBで入力できたので、簡単だった。
ついに初クリニック訪問
2024年1月18日10時。仕事はAM半休をとってクリニックへ。
クリニックは自宅から歩いて20分ほどのところ。さあ出発だ、と思って靴をはこうとしたときにピーンと、何か違和感がありおそるおそる財布を確認してみた。まさかの、保険証が無かった。5分、思い当たるところを探しても全然ない、出てこない。(むしろ、財布以外で保険証を収納した覚えがないので、財布をひっくり返しても発見できないあたりで絶望的だった)せっかく予約したのに、今日検査できない!?と、泣きそうになりながらクリニックに電話して相談してみた。
・保険証が無くても受診はできる。保険証が無いと保険適用のものはその場では個人負担になるが、後日保険証を持ってきてくれれば保険適用の部分は返金ができる。
・その場で負担の受診費は高額になるかもしれないが、支払い費が分かった時点で外出してATMでお金をおろしてきても大丈夫。
とのことだったので、とりあえず全力ダッシュでクリニックに向かった。
10時10分、10分遅れでクリニックに到着して受付。診察券をもらった。受付で配っていた[elevit(エレビット)]という葉酸サプリのチラシを見つつ、誰か知ってる人に会わないと良いな、今度はマスクしてこようかな・・と思った(8割がたの方はマスクをしていた。ご夫婦らしき、男女で来ている方もちらほらいた)。15分くらい待っていると名前が呼ばれたので、診察室に入る。このクリニックは、院長さんが芸人の小峠さんに似ているので、家では勝手に「小峠クリニック」と呼んでいるのだが、診察室にいたのは小峠ではなかった。めちゃくちゃ早口でせっかちそうな、50代なかばの男性のお医者さん。「妊娠歴は?」「前回の生理はいつ?何日間くらい?」「既往歴は?」など、おそらくカルテに記入するのだろう、質問に答えるとお医者さんがカシャカシャカシャ、ターン!(力強くEnterを押す音)とパソコンに打ち込んでいく。わたしがあいまいな回答をしようものなら、「どちらかで聞いているから、どちらか片方で答えて」とこちらを見ずに忠告するので、「病院、やっぱり無理かも・・」と気持ちが萎えながらの問診だった。その後5分くらいでおそらく不妊治療に関する検査の概要を説明してくれていたようだが、早口すぎて頭の理解が追い付かず、「じゃ、あとはコーディネーターさんが詳細を説明してくれるから、どんな検査を受けるか決めてまた戻ってきてね!」と言われるまでうなづくことしかできなかった。
早口先生の部屋を出て、心を落ち着かせようと待っていると、待合室に待機している人がスクッと立って診察室らしきところにどんどん入っていく。呼ばれてもないのに・・?と思っていて気づいたのだが、どうやらメールで指示がくるらしい。携帯を見てみると、クリニックから「〇〇看護室にお越しください」とちょうど届いた。待合室内でなるべく名前が分からないように、とか、どんな部屋に呼ばれるのか(どんな診察を受けるのか)が分からないように、という配慮なのだろう。ハイテク~!と感心した。
看護室に入ると、女性の看護師さんらしき人が2名いて、PCで検査の資料を見せてくれながら、初診でどのような検査の項目があるのか?それぞれ内容と目的と、必須なのか任意なのか、費用を説明してくれた。わたしはどうせ後々やることになるのであれば、今回ひととおり受けてしまいたい、とコーディネーターさんのオススメのものは全て受けることにした。
今回受けることにした検査 ※費用、説明はあくまでも参考に。
内診
①超音波(自費約2,500円):子宮や卵巣の位置・大きさ、子宮筋腫や内膜の状態などを調べるもの。たくさんのことが分かるらしい。
②クラミジア抗原検査(自費約2,500円):性感染症の1つで、不妊の原因になる可能性があるため調べておいたほうが良いらしい。
③子宮頸がん検診※希望者のみ(自費約4,000円):この検診を今までやったことが無かったので、今回調べてみようと思い実施。居住する区から、検診補助券が届いていたため持参したものを提出した。(すると600円となった)
血液検査
④感染症(自費約5,000円):梅毒・HBs・HVC・HIVの検査。このクリニックで治療を行うには必須の検査とのこと。
⑤甲状腺機能検査(自費約6,000円):TSH・FT3・FT4の検査。甲状腺ホルモンが高かったり低かったりすると不妊の原因になるため別途の治療が必要になる可能性がるとのこと。
⑥抗精子抗体検査(自費約8,000円):抗精子抗体とは精子を攻撃する自己抗体の総称で、精子を不活性化させたり受精を妨げる可能性のあるものとのこと。これも、不妊症の原因となるため検査をしたほうが良いとのこと。
⑦風疹抗体検査(自費約900円):妊娠中に風疹に罹患すると胎児に先天性の疾患がおこる可能性があるため、風疹への免疫力を調べる検査。不足している場合はワクチン接種を勧められる。
⑧亜鉛・ビタミンD(自費約7,000円):亜鉛・ビタミンDが不足していると妊娠率が低下する可能性があるとのこと。不足している場合はサプリの接種を勧められる。
⑨一般検査(自費約5,000円):一般的な健康診断で行う健康状態を調べる検査。貧血、肝機能、腎機能、糖質代謝、脂質代謝など。会社などで実施している健康診断の結果を持参しても良いらしい。
⑩抗ミュラー管ホルモン検査(自費約6,000円):卵巣機能を評価する検査
⑪PT・APTT(自費約2,000円):体外受精・顕微授精法などのART治療前に、血栓傾向や出血傾向が無いかを確認するための検査とのこと。
⑫血液型(自費約2,000円):ABO血型・Rh血液型を調べる検査。
※他にも、「免疫検査、Th1/Th2」なるものがあったが、今やる必要性は必ずしもなさそう(もう少し後の治療段階で調べても良さそう)・自費約20,000円なので見送った。
ちなみに、男性側の初診時の推奨検査はこんな感じ。
精液検査・クルーガーテスト・SCSA
①精液検査(自費約1,000円):精液量・濃度・運動率・精子直後進性運動率・正常形態精子率・白血球数などを調べる検査とのこと。
②クルーガーテスト(自費約9,000円):精子の形態を見る検査。精子の頭がきれいな細長い丸い形をしているものが通常だが、へこんでいたり平べったい形状をしているものがあるそうで、それを調べるそう。
③SCSA(自費約11,000円):精子の核のクロマチンの状態を調べる検査。
血液検査(自費約14,000円)
感染症や、抗精子抗体検査をするとのこと。
女性側の検査で約40,000円、男性側は約35,000円。もちろんいま不要だと思う検査はやらない選択肢もあるのかもしれないし、クリニックによって検査費用も異なるかと思うのであくまで参考に。また、東京都では、「不妊検査等助成事業」という制度があり 事実婚&入籍しているカップルに対し上限5万円まで補助をしているとのことなので、申請するのを忘れないようにしようと固く決意。私たちは現在まで事実婚申請・入籍もしていないため、検査開始日から1年以内にその手続きを経て、補助申請をしないと補助が出ない。また、検査開始日で妻側が40歳未満であるという条件もあるようだ。
今これを書いていて、この検査の結果が来週わかると思うととても不安・・何もありませんように・・と、ただ祈る。パートナーのほうは来週受診なので結果はまだ先であろうが、彼にも何もないことをただ祈る。
いちばん恐れていた内診に・・
コーディネーターさんから、「内診」という言葉は聞いていて「もしかしてあの、脚を広げてお股を見られるやつ・・?」とは思ったが、例の椅子を見るまではその検査をすると実感がわかなかった(いや、単純に信じたくなかっただけかもしれない)。見逃さないようにメールの受信箱を凝視していると「内診室③にお越しください」とのメールが入った。入ると、看護師さんが「では扉の内鍵を閉めて荷物を置いて、スカートはそのままで、タイツとショーツを脱いで準備ができたら診察室に入ってきてくださーい」とかろやかに言って扉を閉めて行ってしまった。前と後ろを扉にはさまれた1メートル四方の小さいスペースで、「ついに、あれか?」とようやく気が付いた。当日、上はニット、下はタイツにひざ丈のスカートを着ていた私。ショーツってパンツのことだよな?、今日ズボンスタイルで来ていたらどうなってたんだろう?と考えながら、パンツ・タイツを脱いでくるくるっとまとめ、荷物かごに置いた鞄の裏側にこっそりひそめさせた。
「用意できましたー」と扉を開けて入っていくと、部屋の半分はカーテン(天井から吊り下げられて床上1メートルくらいの長さ)で区切られていた。下半身しか見えない女性の看護師さんが「では、その椅子にすわってくださいねー」というので座ってみた。「あ、スカートは腰までまくりあげてくださいね~」とのことで、そりゃそうだ、とスカートをまくりあげて下半身はスッポンポンの状態で椅子に座りなおした。「では、椅子を上げていきますね~」と看護師さんが言うと、背もたれが後ろにゆっくり倒れると同時に椅子の台座自体が少し上がり、脚も左と右で開かれていった。おなかのところに例のカーテンがかかり、自分の腰から先・脚は見えないような状況であおむけになった。すると、先ほどの早口先生があらわれ「はいー、じゃ内診しますねー」とテンポ良く入ってきて、おそらくクスコと呼ばれるものを差し入れて内診が始まった。痛みはないもののやはりヒヤッとした何かを挿入されている違和感?異物感?のようなものはあり、少々不快に感じる。看護師さんが検査の項目をチェックしているのか、「あ、クラミジア検査もですー」など声かけを先生にしていく。服をギュッとつかみながら早く終われ~と思っていると超音波検査のフェーズにうつったのか、天井についているモニターに何かが映った。「きんしゅだね~」と先生が言ったので、ん?禁酒しろってことかな?と思ったのもつかの間、「大きくはないけど子宮筋腫があるね」と言った。「そうなんですか、すぐわかるなんて技術はすごいですね~」と妙なテンションで答えてしまった。全体で10分かからないくらいだったろうか。終わって椅子が下がりささっとパンツ・タイツをはきなおして診察室を出た。待合室の椅子に座りながら、「子宮筋腫 原因」「子宮筋腫 治療」などと検索した。
また、内診の際の服装もググってみた。
・スカートスタイルの人:ロングのフレアスカートがオススメだそう。たしかに、私がこの日はいていったスカートはタイトスカートだったため、内診のとき少しまくりにくかった。
・パンツスタイルの人:上半身の服を、腰やおしりがすっぽり隠れるようなゆったり目の服にするのがオススメだとか。たしかに、ズボンやパンツを脱いでも上半身の服で太もも下あたりまで隠れれば着替えて椅子に座るまでが恥ずかしくなさそう。
「こういうの、先に知りたいよ!」と思った。家に帰ってパートナーにこの内診の話をしたら、「そういうの知りたいよね」と言っていた。生々しすぎるかな?と思って、内診の過程とかをことこまかには説明しなかったが、受診する人にとってはそういうことこそが不安だったりする。何されるの?痛いの?なに準備すればいいの?私の記録が誰かの約にちょっとでも立つと良い。ちなみに、終了後その日は少し出血があった。生理ほどの量ではないが、ショーツに血がつく程度。次回内診がある日は、軽めの日用のナプキンを持っていこうと思った。
採血をして驚きの会計
さいご、採血をした。7本くらいの採血管がスタンバイされていて聞きたくなり、「たくさんとるんですね~」と看護師さんに話しかけた。ただ、マックスで1本20ミリの採血管で少しずつしかとらないので、「全部とっても40ミリくらいで大さじ3杯以下なんですよ」とのことだった。大さじ1杯は15ccらしい。「たしかに、醤油大さじ3杯に満たない量と思えば大した量じゃないですね」と、採血された自分の血が醤油に見えてしまったため、よく考えると不可解なコメントを返してしまった。
メールで会計の通知がきて自動精算機におそるおそる行くと、会計は49,000円だった。心のなかで、ここ1年で一番大きい買い物!と思いつつ、受付のお姉さんに「おろしてきていいですか?」と一言伝えてコンビニで5万円を引き出してぶじ会計を終えた。(あとからパートナーに、不妊治療外来で「おろしてきていいか?」はまずかったんじゃない?と言われた。確かにそうだ。私以外に患者さんがいなかったので良かったが、今度から気を付けよう)
今回のまなび
◇どこのクリニックも同様かは分からないが、すごく配慮されていると感じた。
・呼び出しがメール(名前を他人に分からないようになっている)
・1人目の不妊治療と、2人目以降の不妊治療の階(お子さん連れ)が分かれている。待合室にほぼ患者さんが私くらいしかいないときに、受付にお子さん連れのお母さんが来たとき、受付の方が「(2人目治療外来専用の)〇階に行ってください」とすぐ案内をしていた。
・待たせない努力をしてくれていると感じた。受付して会計を終えるまで約3時間だったが、各診察の間は長くても20分くらいで、予想していたより長くない段階で呼ばれている感覚だった。会計も採血がおわって10分後くらいに呼ばれ、自動精算機だったのでスムーズだった。テーブルがある椅子もあったので、今度はPC持ってきて仕事しながら待とうかなと思う。
◇まずは、一歩踏み出してみることで見えてくるものがある
・1年前くらいから頭をよぎっていた妊活へのハードル。初診を受けたいまとなっては、「もうちょっと早く初診だけでも行っておいても良かった」と思う。やはり35才以降、妊娠力は著しく下がるらしい。まだ子供をすぐに欲しいというわけではないという状況でも、まず現状を知る、だけでも動くのは未来の選択肢を増やすという意味で良いことなのかもしれない。
・費用に関しても、2022年4月から人工授精・体外受精などの不妊治療において、公的保険が適用となったそうです。特定不妊治療費への助成金制度もあるそうなので、様々な費用的負担を減らすことのできる仕組みがあるようです。
また、東京都が運営している妊活支援のポータルサイトもあるようなので、もっと詳しく見てみようと思った次第です。
妊活にかぎったことではないですが、一歩踏み出すことで見えてくる世界もあるので今後もちょっとビビりながらではありますが、一歩踏み出してみようと思った次第です。来週の検査結果にうちのめされちゃう可能性はありますが、またそれはその時に考えようと思います。今はひとまず最初の検査を終えた自分をいたわってご褒美をあげたいのと(今はまっているパンどろぼうのガチャガチャで大人買いしてOK)、わたしをいたわってくれるパートナーとの関係性を大事にしようと思ったのでした。「いまがいちばん幸せなのかもしれない」という恐怖と、それを思えるありがたみをかみしめて、1日1日を大切に過ごします。
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