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FIFAワールドカップ・ヨーロッパ予選 Group.G ラトビア vs ジブラルタル マッチレビュー

やあみんな!フットボールライフ楽しんでいるかな?

今回お届けするのはラトビアとジブラルタルのゲームだ。あまり聞かない名前かもしれぬが皆さんご存じコーエーの大航海時代でお世話になったことのある地域同士の闘いだ。

ラトビアにはリガがある。ああ特産品が木材の港か、と思い出したであろう。

ジブラルタルはイベリア半島にあるイギリス領である。ヨーロッパとアフリカを隔てる海峡がある地域。そう誰しもが海賊業に勤しんだあの場所である。
風雲たけし城を思い出した者は口に出してもしょうがない事なのでそのまま胸にしまい込んでおこう。

とか言うアタクシはファン・ハールならどう攻略するのだろう?との視点で思いにふけるわけなのだが…

サマリー

読み取れる狙い

(〇上手くいった △半々 ×上手くいかなかった -無し)

【ラトビア】

ゲームメイク戦略(ポジショナルプレー志向):-
ゲームメイク戦略(非ポジショナルプレー志向):○
カウンター戦略:× 

【ジブラルタル】

ゲームメイク戦略(ポジショナルプレー志向):-
ゲームメイク戦略(非ポジショナルプレー志向):△
カウンター戦略:× 

上記の状況になった考えられる理由

ジブラルタルの守備の構造が悪く、ラトビアが試合を優位に運ぶ流れとなった。選手が相手とのかみ合わせを意識しながらも、多少の距離でもボールホルダーには単独で寄せるため動いた後にスペースが生じ、ラトビアにボールを運ばれた結果、終盤に耐えきれなくなってしまった。

ちなみにラトビアは内レーンで相手マークを惑わせる位置取りを行ったりするのだが、それがポジショナルプレーによるものと言えるかは微妙。

気になった選手とその理由

ラトビア

ウルドリキス (FW SCカンブール)

オランダが好みそうな長身テクニシャンFW。あまり活躍できなかったがちょっとだけ周りより質が高い気がした。と思ったらエールディビジのクラブに在籍していた。出場は少ない模様。

なお選手以外も含めて良いならば、一番気になったのは度々映るカザケヴィス監督だ。独り言、ムフフそうかそうか、追いつかれ焦燥、などと様々な表情を見せたフットボールを愛して止まなさそうな指揮官だった。

ジブラルタル

コレイング (GK リンカーン・レッド・インプスFC )

いかつい体格と風貌を持つGK。失点は重ねるものの幾度もチームを救う活躍をした。強い向かい風に押し戻されることも臆せずに蹴っ飛ばす、気概のあるゴールキックが特徴だ。

蛇足だが、ジブラルタル代表のスタメンはリンカーン・レッド・インプスFC 所属選手が多い。

考察 (オランダ主観)

1.相手ビルドアップの妨害について

ラトビアの第1プレッシャーラインは主に2枚だった。誘導メインなのかもしれないが、チーム守備としての緻密さにはかけるものがある。

一方ジブラルタルは基本1枚。誘導とかの概念は無さそうである。1トップのプレスが外されると中盤から1枚飛び出して妨害に加わることが多いがしばしば惨劇を生む。

2.第2ライン防御について

ラトビアはジブラルタルの前線にかける枚数が少なかった場合にハードなデュエルで相手の攻撃を摘んでいた。上位のチームに対しては同じようには行かないだろう。
どちらかと言うとポジション遵守で相手にボールを進ませない目的がメインはないだろうか。バランスを意識するあまり進軍を許すこともある。

ジブラルタルはビルドアップ妨害に続き、ボールホルダーが自分の守備エリアに入ったら主にアタックを仕掛ける。受け手に対しても読めばプレスをかける。
ただしラトビア攻撃陣が人と人の間に立ってくると止まり中央防御を優先するので大外を使われていた。

あと縦ポンもたぶん効いちゃう。

3.ブロック守備について

ラトビアはたぶん4-4ブロックだ。サイドバックはあまり釣り出されるとこを好まずエリア内でセットしたい模様。しかしサイドハーフのリトリートが遅いため4-2ブロックなの?と思うことも。

ジブラルタルはやはり自分の守備エリアに入ったら凸る。5バックなので1枚減ったところで許容範囲なのだ(ヤバい)
大外から攻め込まれるとサイドバックがマークしに飛び出るが遅れ気味である。

4.ゲーゲンプレスの回避について

システム依存で回避出来ることはあるが、特筆するようなことは無い。頑張れ。

5.ビルドアップについて

ラトビアは2CB+2CH、ジブラルタルは3CB+2CHでゲームメイクするスタイルがベースだ。

相手のプレスが緩いので評価に困るが、受け手の振る舞いを見るにランキング相応のレベルだろう。
強度のあるプレスで襲われたら大体縦か外に回避することになると思われる。

6.相手中盤の突破について

両チームともに言えるが、守備側がポジション遵守しつつもテリトリーに入ってきたボールホルダーに凸って来るので、空いたスペースを利用して攻めるのはそこそこ出来ていた。
ラトビアの中間ポジションを取る振る舞いは良かった。ラトビアが上手いチームに見えるくらいだ。

しかし互いにパスコースを遮断されたら打てる手はかなり限定的になると思われる。

7.フィニッシュワークについて

ラトビアはサイドハーフが内レーンに絞るので定位置攻撃時には2FW+1SHがエリア内で待ち受けていた。
相手を剥がしてここまで持ってくることも多かったため苦しい姿勢ながらもフィニッシュまで運ぶ機会は多かった。

一方ジブラルタルは構造上、重心が後ろなことが多いため定位置攻撃まで運べる機会は少ないため評価はしにくい。
グループ攻撃を持ち合わせていないため、サイドアタック時に攻めの渋滞が起こる傾向がある。

いずれもオランダ相手だと縦ポンをメインアタックにせざるを得ないだろう。

8.トランジションについて

組織的には未設計もしくは遅いなかで行われるが仕方ない。頑張ってほしい。

感想としては、これもフットボールである、とか、フットボールとは何か?と思って見れば面白く感じるゲームではあるが、うーん。。。オランダ視点で思えば論理的に勝ち点を落とす可能性は無さそうな両チームの試合であった。

#ボールにいかない  の逆を行うとチームが崩壊するのが理解できる。おそらくファン・ハールならば両チームの弱点を的確に分析し、相手を剥がしながら攻略する術を間違いなく仕込んでくるだろう。楽しみにされたし。

と言うわけでグループG 第4節のレビューは完了である。最後にファン・ハール学習中につき、ノルウェー戦プレスカンファレンスの動画を貼って終わりにしよう。

自動翻訳機能ではほとんど解読できなかったが、ファン・ハールらしさは垣間見えているようだ。ハーランドがファン・ダイクを世界最高峰DFと絶賛してもここでは戦術は言わないよ、と言うようなジョークじみたコメントもしている。

ノルウェー戦に臨むにあたり2日しか時間が無い中で、選手にゲームモデルを伝えるべくホテルで数人の選手と会談し、トレーニングではノルウェーのビデオ分析を行った後に11v11を行い認知力を高めた、というような話をしている模様。

また、GKとWGはまだ層が薄いと考えている?若い選手を試しているのはそのためか?ノルウェー戦の後のコメントで、我々はトップクラスではない趣旨の発言をしているらしく、今後、変化が見えるとしたらまずこのポジションからかもしれない。

第5,6節のオランダは先に言ってしまうと相手を圧倒して勝利するのだが、どのような戦い方をするのか、繰り返しになるがとても楽しみである。

それではご一読ありがとうございました。TanaLifeでした。あなたの心(ハート)に平戸に祈る🙏

(後記)
そもそもなんでジブラルタルまで欧州予選に参加できるのですかねえ?そこまで認めてしまったらカタルーニャやバスクなどは流石に不満募らせますよねえ。おかしくないですかー?奥さん

試合結果

2021.09.02
FIFAワールドカップ・ヨーロッパ予選 Group.G 
第4/10節 ラトビア 3-1 ジブラルタル

【得点者】
ラトビア:50' 85'(P) グトコフスキス 89' シガニスク
ジブラルタル:71'(P) バル

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