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4皇帝(2020年10月24日)

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今日は大アルカナの4皇帝。

今日のサビアンシンボルは、蠍座2度「割れた瓶とこぼれた香水」です。瓶と香水は、カップのカードのようです。信念体系という器に満たされた気や情念は、何らかの圧力によってこぼれ、香水のように強烈に周囲を取り込んでいきます。

金木犀の香りがしてくると子供のころ住んでいた家を思い出すとか、香水の香りで若い頃の恋愛を思い出すとか、香りは記憶という情感を呼び覚まします。エジプシャンオイルに「アストロトラベル」という「星を旅する」と題されたオイルがあり、その調合については古くから伝わる秘伝とのことで、何が入っているかわかりません。このオイルを嗅いだとき、おそらく古代エジプトの記憶が蘇りました。

ピラミッド内部での儀式の様子だと思いますが、黒い人型と言えるかどうか、おにぎりに頭と手足が生えたような塊が、祭壇に連れて行かれていました。これは「死の再生」で、「生ではなく死を作ったのか。なるほど。」と思いました。シリウスはこういうことするのかな。ここのエジプシャンオイルのローズは、獅子座レグルスでした。

香りは相手の意志など一切顧みず侵入していきます。ちょっと香りますけどいいですか?とは聞かれないですね。蠍座は相手の硬い殻を破り侵入しますが、自分自身の殻も破っています。それによって自他ともに区別がなくなります。

蠍座1度に続く2度は、恒星に包まれ、崇高な感動を体験した先に、「消える」「死ぬ」と感じることを表しています。他者と深い関係になるときに感じる一瞬の不快感は、自我の殻が破れ「死ぬ」と感じるからです。対象に浸食され、自分が消される体験です。

香りが侵入してくるときもそうですが、一瞬意識喪失するのではないかと思います。恒星に包まれるときも「死ぬ」と感じた瞬間、意識喪失します。一体になってしまうと、どちらがどちらなのかわからないし、主体と客体がなくなります。

4の数字は、縦軸と横軸が結びつき、それぞれの軸がどんどん伸びていくと碁盤の目のように拡大していきます。縦軸という集団原理が、横軸という個人を飲み込んでいくことで拡大します。

エーテル体は幾何学模様に見えることがありますが、最もシンプルなものは網目模様です。糸のような横軸や縦軸がフワフワと浮いては細かい十字を描いたり、ざらざらとした質感かと思いきや網目になっていることもあります。一か所に打ち込まれた印象や香りが波紋のように広がっていくのは、この網目を伝っていくように見えます。

4の数字は、個人が個人をではなく集団が個人を飲み込み、弱肉強食的に大が小を飲み込むので、対等な関係性ではありません。人が人に惹かれるとき、自分にはないものを相手に見出し、自分の欠けた部分にカチッとはまるものを見ています。相手に侵入しようとするとき自分を割って飲み込まれ、と同時に相手に侵入され飲み込まれています。大小の関係性は均衡を破り、どちらが主体か客体かわからなくなります。

昨日蠍座について次のように書きましたが、蠍座は上位の意識に支配されることで自己変容します。

7番目のサイン天秤座は、地上から天上へ向かって7階段を上ると、あと一段足らずに天に届きませんが、8となると一段プラスされます。この新規に追加される一段は、より上位の意識の一番下の階段です。地上から上る意識は、より上位の意識のお腹の中に取り込まれ、支配されることによって、自己変容していきます。

4の数字が当てはめられている皇帝のカードは、行動的にコピーを作り拡大していきますが、蠍座にも同じような性質があるかもしれません。相手に侵入し、少しずつ同じ価値観に変容させていくのは蠍座の性質です。

蠍座2度のシンボルを見ると、自我の殻が割れることが肝心なようですが、2という数字が、陰陽魚図のように対象によって流動的に変化し、対象の圧力によって均衡が壊れ、割れるというより凹むのかもしれません。より上位の意識によって包まれるときの、これまでの人格が型崩れしていく様子を表しているかもしれません。

蠍座2度は皇帝のカードのように、より上位の意識に回帰するように取り込まれていくのでしょう。取り込まれるとき、侵入されたと感じ、自我の瓶は壊れ抵抗感や不快感を感じるかもしれません。

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