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3女帝(2020年10月21日)

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今日は大アルカナの3女帝。

今日のサビアンシンボルは、天秤座29度「互いの知識の範囲に橋をかける方法を模索する人類」です。

29の数字について考えてみます。一桁上の2に従う9は、恒星としての太陽や所属する恒星に軸を置いて、相応しい環境を探して旅をします。着地点としての環境は、9であれば10ですが、29は30です。30という数字は10が三つで、それぞれ思考と感情と身体が大台に乗ったと考えると、三分節がそれぞれ全惑星意識を獲得したと考えることもできます。

30度に区切られるサインが、それぞれの性質において、思考と感情と身体がそれぞれ意識の拡大を目指しているなら、螺旋階段を上るイメージも具体的になります。

30に至る前の29は、どこにも着地したくない、まだ何も決めたくないわけで、天秤座で言うと、30度の哲学者にはまだなりたくないわけです。模索する人類でいたい。永遠の普遍性を求めると、どこで何をしても満足することはありません。職場を転々として、職業を変えてみても、そこに答えなどありません。探求をやめてしまえば10という完成あるいは停止に至るわけで、それを目指している人もいれば、本性はそんなことを望んでいないかもしれません。

29は10が二つと9が一つで、二つの10を比較し、そこから新しいものを導き出そうとします。天秤座が互いの知識の範囲に橋をかけるように、二つの相反する価値観や思想に共通点を見出し、新しい知恵にたどり着こうとします。天秤座が個性を重視し、次の蠍座が自他の区別がなくなるまで密接な関係を持ち、この両方に橋をかけるなら、無意識領域に興味を持つかもしれません。

というのも私はこの度数に、ヘリオの地球ポイントがあります。わりと小さな頃から、人の根底には共有するイメージや物語が流れていると思っていて、それを見ているのがおもしろかったし、それを見ると人が怖くなくなりました。表面に表れる個人性は恐ろしく、無意識領域や集合意識の混沌の方が落ち着くというのはどういうことなのでしょうか。

そういうわけでユングの提唱した普遍的無意識もすんなり理解できたし、曼荼羅や夢を治療に用いることも、とても納得のいくものでした。こういう着想は、天秤座と蠍座に橋をかけ、共通点を見出そうとすることで導き出せることのようにも見えるし、そもそもサインのそれぞれの特徴も、一つ上の次元から見れば差異はないのでは。

恒星が、「恒星の特徴を理解するとき、下から見上げればやはり相対的に理解するにとどまる。」と言っていたように、ある恒星についてその特徴を言葉にした時点で、イメージや神話になります。サインも同じように地球を彩るため、太陽系をわかりやすくするため、下から見れば12個の特徴から成り立つように見えます。というようなことを考えているのも、天秤座29度的です。

身体が感情の働きかけにより限界を越え、感情が思考の働きかけにより限界を越えることも、天秤座29度の橋をかける行為と言えるでしょう。「橋をかける方法を模索する」とは、思考と感情と身体の特徴を深く理解し、統合化するため、思考でも感情でも身体でもない自己が働いています。

3女帝のカードは内側から膨らみ、外側から締め付けることで、外に溢れ出たものがあり、それが産み落とされる生産物です。二つのものを比較し、どちらか一方を選択できるのが3であり、はじまりの一が陰陽に分割することで生産創造するのが女帝のカードです。

二つのものを並べて比較し、重ねたり混ぜ合わせたり、膨らませたり縮めたりしながら、まったく異なるものを生み出すことは、天秤座29度の共通点を導き出し、そこから新しい知識を導き出すことに似ています。結局、陰陽分割した産物は、はじまりの一よりも小さなものに過ぎず、この世界には真に新しいものなど存在しないことになりますが、女帝のカードの背後で塔のカードが働くとき、信念体系の塔の蓋を吹き飛ばすことになります。

天秤座29度は、硬い信念体系を吹き飛ばすような、新しい知恵を見出そうとしているのでしょう。より上位の原理と結びつき、普遍的なものを持ち込もうとしていると言えます。女帝のカードは明確な目的はなく、あらゆるものを生み出すという点で、天秤座29度も着地点を決めていません。

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