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カップ9(2020年11月21日)

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今日のサビアンシンボルは、蠍座30度「ハロウィンのわるふざけ」です。05:50頃30度に入ります。

最後の度数30度は、そのサインの性質を吐き出すので、蠍座30度は蠍座を枯れるまでやり尽くし、外に出し切ります。蠍座はより大きな意識に取り込まれることで自己変容を試み、つまりは恒星に包まれ、主客が溶け合う中で新たな立脚点を見出そうとします。全惑星意識に下りてくる恒星意識は、蠍座の水の大地であるエーテル体の記憶を呼び覚まし、かつての自己、永遠の自己をよみがえらせます。

蠍座30度は自己想起の度数です。ウサギの写真を撮っている私、を見ている私、を見ている私、と意識を拡大させ、ウサギと私の関係を対象化することで、「ウサギを撮っている私」が私ではなくなり、「果たしてこれはウサギなのだろうか」「写真を撮っているのが私なのか撮られているのが私なのか」と主客が溶けていきます。

私たちは決まりきった前提のもとに常に生きていて、何を見てもその前提という思い込みから抜け出すことはありません。自己想起は、対象と私の関係性を無効化することによって、自己が着込んでいる服を脱ぎ捨て、自己にたどり着くことを手助けしてくれます。

エーテル体から記憶を呼び覚ますとき、自己想起と同じことが起こっています。肉体を持つ私がエーテル体の私を知覚するとき、ウサギと私のように主客が溶け合い、私という自己を対象化します。

ハロウィンは昼によって影にまわった夜になりきり、それを面白おかしく演出します。たとえば大嫌いな人になりきってみると、なぜ嫌いなのか、なぜその人をターゲットにしているのか、など様々な気づきが得られます。理解したことは対象化され、同一化していないものからは容易に離れることができます。すると大嫌いだという感情は無効化されます。影の統合とはわかりやすく言えばこのようなもので、清々しく解放感のあるものです。

夢を覚えていられないときというのは、物質や肉体への依存や関心が強くなっているからだと言いますが、言い換えれば、地上的根拠のない印象に自信が持てないときだと言えます。人によってその理由は異なりますが、自分が見ているもの感じていることに自信が持てなくなったとき、夢を覚えているのに覚えていられないと思い込みます。取りこぼす印象に意識が向かい、手元にある印象に気がつかないというような。

夢は思い出すたびに、印象は減ったり増えたり形を変えたり変化します。変性意識状態で思い起こす夢は、知りたかったその先に気づかせてくれる場合もあります。エーテル体から呼び覚まされた記憶は、物語のようになっているかもしれませんが、これもまた自己想起のように対象化すると、自己が纏う衣類の一片だと気づきます。

今日のカードはカップ9。カップは水の元素で感情や気を表し、9は環境に依存しない自由な旅を表します。横の繋がりから逃れ、感情体が遠くへ旅するカップ9が、蠍座最後の度数を表しています。次のサイン射手座は9番目のサインなので、蠍座の水が射手座の旅の足手まといにならないよう、精一杯その性質を吐き出そうとします。

感情体は恒星にダイレクトに届く部分から、憎しみや嫉妬のような重い部分まで幅広く、どの部分がたくさんあるかによって、その人がたどり着ける場所が決まってきます。9の自由な旅のエリアが変わります。

カップ9は環境や他者に縛られず、軽やかな感情に満たされます。8の拘束を9は断ち切り自由な旅をします。蠍座の水圧から抜け出し、射手座の自由な旅に出るためには、感情は軽やかに、重苦しいものは瞬時に手放せるのがよいわけで、それはハロウィンのわるふざけのように、影になりきってみたり、自己想起によってできることです。

またカップ9は、高次な意識と、腰から上がるものが結合するクンダリニーの体験を表しているとも考えられています。蠍座の水の大地に下りてきた恒星意識によって、射手座の上昇が可能になります。

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