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11力(2020年9月21日)

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今日は大アルカナの11力。

今日のサビアンシンボルは、乙女座29度「読んでいる書類から秘密の知識を得る男」から30度「目の前の用事に集中しすぎて聞き逃した間違い電話」です。22時頃30度に入ります。

乙女座は光と影のサインです。6恋人のカードが表すように、光を当てたものがあれば同時に影になるものが生まれ、光を当てた方がエヴァであり、影にまわった方がリリスになります。

本を読むとき、文字を追いかけることで内容を理解しますが、この文字とは内容や意味が形骸化した部分です。光を当てることで文字になり、光の当たらないその他すべてにその意味があります。記号としての文字は、精神や意味が形骸化したものにすぎず、エーテル体と物質の関係と同じです。

乙女座29度の男は、文字ではなくその周囲あるいは背後にある「意味」に気がつきます。部分だけに集中していたつもりが、全体に大いに影響されていることを知ります。「なんであの人と一緒にいると疲れるんだろう」とふと考えるようなものかもしれません。「話の内容は楽しいのに、何がこんなに疲れさせるのだろう」と。

私たちは物質に縛られて生きていますが、物質自体から影響を受けるよりも、やはりその主成分であるエーテル体に大いに影響されています。本を読むときも、文字を追うだけでは決して理解に至らないのだから、理解しているなら、文字ではなく本体を読んだということです。

不思議に思うかもしれませんが、そのモードに入ると、一行読んだだけでその本の内容がわかります。「こんな感じのことが書いてあるんでしょ」という思い込みではなくて、その知識が得られます。だから内容のない本というのもわかるということです。なんだかなんにも書いてないな、と感じます。

文字に同一化すれば、記号としての文字を追うだけになりますが、その他すべてに含まれる意味を読むことができれば、理解に至ります。一冊の本の一部は理解することができ、理解できる気になっているだけの部分もあるもので、思考とは感情や身体に引っ張られ、ままならないものです。

11力のカードの絵柄は、「動物の歯が6本で、人間の帽子の上には6つの突起、彼女の足には6本の指がある」とホドロフスキーは指摘しているそうです。6の数字は適合するものを見つけ、結びつくことを表します。個の絵柄が意味することは、動物と人が結びつき、人の頭から足先までもが統一化し、高次な意識が足先まで降りてきているということです。つまり地上においてもぴったりの環境があるということ。

このような状態になるにはまず、動物を対象化し飼い慣らす必要があります。松村先生が言うように、月に同一化せず外化し、犬になるのではなく犬は飼うものだ、ということです。つまり感情を自分だと思い込み、感情に自己同一化しないことが重要です。

感情至上主義と私は言っていますが、好き嫌いしか知らない感情にも関わらず、感情に従い自由に生きることが人間らしい生き方だと信じる人は、わりに多いように思います。感情はそもそも好き嫌いだけでなく、象徴を解釈し創造する力があるものです。たとえば音楽を聴くとき、高揚感を感じ元気になってやる気が出てくるのではなく、研ぎ澄まされた精神が宿るような、地上的には何の役にも立たない崇高な感情体験が得られます。

感情に自己同一化しないと言うと、感情を抑えようとしがちですが、浮き沈みする感情を見ている自分がいることが重要です。特に感情を無視しないことが重要。暴れる動物を真剣に見て、どう扱うか真剣に考えなければ飼い慣らすことはできません。自分の中の動物を飼い慣らすと、頭と腰と足がマッチして、高次な意識が足元まで下りてきます。

乙女座は、影にまわった動物を飼い慣らす努力をしてきました。28度で外界を切り離し、自らの意志によって生き方を見出そうとしました。29度では動物を自由に開放することで、今まで気づくことのなかった「秘密の知識」を得ることになります。頭と腰と足がマッチしなければ知り得ない知識を得るには、自己同一化している動物、端的に言えば感情を、外に出して飼い慣らすことが大切です。

抑圧した感情が解放されると、なんで今までわからなかったのだろうと、不思議に思うような瞬間が訪れます。

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